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035 Fランク昇級
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「聞いただろう。お前等は出て行け!」
あ~あ、可哀想にギルドから追い出されるのか。
「頭を下げてゆっくり動いた方が良いですよ。追い払う仕草したら刺されますよ」
ミーちゃんの座る椅子を蹴った男が、頭を刺されて痛いのか渋い顔で俺を睨んでそろりと席から立ち上がる。
〈加護持ちの新人がいるって噂になったが、あいつの事か〉
〈おお、俺は蜂が護衛しているとか聞いた覚えがあるな〉
〈テイマーならキラービーもテイム出来るのか?〉
〈馬鹿、虫なんてテイム出来る訳ないだろう〉
彼等が出て行くと、ビーちゃん達に追跡を命じ皆で脅してやれとお願いしておく。
攻撃命令じゃないよ、あくまでもお願いだから。
「お前も、あんな奴等はさっさと刺して、直ぐに出て行くようにお願いしておけ!」
「それが出来たらとっくにやってますよ」
「で、その猫がお前の使役獣か?」
「はい。ミーちゃんです」
「ミーちゃん・・・お前に似合いの使役獣だな。そいつを抱いてねずみ取りの依頼でも受けろ! オーク等を多数持ち込んだ新人がいると聞いたが、お前か?」
「オシウス村で五ヶ月近く掛かって討伐した物ですよ」
「五ヶ月か・・・ランクは?」
「Gですけど」
「Fに昇級させてやるから、ギルドカードをカウンターへ持って行け。それでねずみ取りに励め!」
俺って去年の五月に登録していて、一年過ぎた所なんだよな。
放置していてもFランクに昇級なのを知らないのかな、恩着せがましそうに言っているので黙っていよう。
ゴキ悪のギルマスが引き上げると、入れ替わりに解体主任が査定用紙を持ってやってきた。
「ん、何か有ったのか?」
「いえ何も。ギルマスのご機嫌が悪いだけでしょう」
解体主任が首を捻りながら査定用紙を差し出した。
俺は世間相場を知らないので、ざっと見て了解する。
「それでだな、チキチキバードをもっと捕れないか」
「あ~、鳥類はミーちゃんのお仕事なんですよ」
「ミーちゃんって、その猫の事だろう」
「そうですよ。木の高い所とか枝先に巣を作ったりしていますので、俺じゃとても無理ですよ。夜に寝ているところを、ミーちゃんが襲って持って来てくれます」
呆れた様な顔になり「それじゃ、ミーちゃんにもっと稼げと言っておいてくれ」と行って帰っていった。
ホーンボア 3頭、140,000ダーラ×3=420,000ダーラ
エルク 2頭、110,000ダーラ×2=220,000ダーラ
オーク 9頭、70,000ダーラ×9=630,000ダーラ
グレイウルフ 11頭、37,000ダーラ×11=407,000ダーラ
フレイムドッグ 7頭、19,000ダーラ×7=133,000ダーラ
カリオン 6頭、26,000ダーラ×6=156,000ダーラ
チキチキバード 2羽、55,000ダーラ×2=110,000ダーラ
スプリントバード 1羽、35,000ダーラ
コケッコー 3羽、16,000ダーラ×3=48,000ダーラ
レッドチキン6羽、20,000ダーラ×6=120,000ダーラ
合計2,279,000ダーラ、五ヶ月近いオシウス村での稼ぎなので、一月450,000少々と良い稼ぎになった。
査定用紙を持って精算カウンターで全額受け取り、受付係にギルドカードを渡す。
「あらっ、貴方1年過ぎているのでFランクよね。ギルマスもFランクにしろって言って来たけど」
「何か頭に血が上っていたようですので、気がついて無いんじゃないですか」
「まあ、どちらにせよFランクに間違いないわね」
漸くランク5のマジックバッグに収めた獲物の処理が出来たので、ブーツと服を新調する為に隣の冒険者御用達の店に行く。
俺の顔を見た店主の顔が綻ぶ。
取り敢えず服を一式とブーツを買い、弓の一番張りの強い物を試す。
剛力を手に入れてからは、短弓を引いても子供用の弓を引いているように軽く、何度引きすぎて矢が弓から外れたことか。
三人張りの弓と重い鏃の矢を買い、527,000ダーラを支払う。
後は槍先をもっと頑丈な物に変えることと、ショートソードを一本手に入れるだけだ。
剛力を得てから少々重い物を腰に吊っても邪魔にならなくなったし、丸腰だと何かと侮られる。
教えてもらった鍛冶屋に行き、槍の穂先交換とショートソードを一本注文する。
形は御用達の店に有った物と同じだが身幅を広くして重くなる様に注文。
ぶん殴るには重い方が有利だし、鉄より固く切れ味の良い魔鋼鉄製を頼む。
ショートソードも片刃の直刀で、刃渡り50cm程の物に決め柄は拳二つ半。
槍の穂先450,000ダーラ、ショートソード600,000ダーラで金貨10枚と銀貨5枚を渡し2週間後の受け取りと決まった。
食料を仕入れに市場に向かうが、ギルドを出てから付いてくる金魚の糞が鬱陶しい。
大量の獲物を持ち込み、売り上げを全て受け取ったのだから格好の獲物に見えたのだろうが、俺は猛毒持ちだぞ。
街中ではビーちゃん達に金魚の糞の見分けがつかないので、放置して食料や調味料などをたっぷりと買い溜めをする。
夕暮れ前に街の出入り口に行き、さっさと街を後にする。
金魚の糞達は、夕暮れに街を出ると思っていなかった様で、慌てているのが気配で丸わかり。
小走りに街から遠ざかり、ミーちゃんのメダルを外して草叢に潜む。
ビーちゃん達は近くの木に止まってお休みだが、夜はミーちゃんの世界だ。
俺がビーちゃん頼みのテイマーじゃないと教えてやるよ。
木化けの要領で、ミーちゃんを抱えて身動きもせずに金魚の糞達を待つ。
《ミーちゃん、殺しちゃ駄目だよ。狙うのは顔ね、ザックリと爪痕を付けてやって》
《マスター、近づいて来る匂いはさっきの奴ですよ》
あー、そうだった。俺が大量の獲物を持ち込んでいるのを見ていた奴等だ。ギルマスに追い出されたからって、大金を見逃す気はないって事ね。
それじゃ爪痕は不味いか。
《ミーちゃんの攻撃は中止だな》
《マスターの敵はどうするんですか?》
《任せなさ~い♪ 逃げ出しす奴の足に噛みついても良いけど、爪は駄目だよ》
《判りました・・・来ました》
〈何処だ?〉
〈この辺りで街道から外れたぞ〉
〈この近くに野営地を持っているんだろう〉
〈ああ、でなきゃ夕暮れに街から出たりしないだろうからな〉
〈夜はあの蜂共も飛べねえから甚振ってやろうぜ〉
馬鹿が見ていろ。
草原に踏み入って俺の野営地を探しているが、すぐ側の草叢に潜んでいるのが判らないのかな。
索敵が下手なのか、俺の隠形が優れているのか。
〈おい、それらしき物が見当たらねえぞ〉
〈よく探せ! 一人だから小さいので見つけ難いだけだ〉
偉そうに怒鳴った奴に向けジャンプ。
水平跳び蹴り、当たった瞬間もう一度ジャンプ。
〈ウッワーッッ〉綺麗に吹っ飛んで動かなくなった。
〈なっ、何だ?〉
声を上げた奴の正面手前に跳び、着地と同時に再ジャンプして膝蹴りを顔面にお見舞いする。
〈ガハー〉
〈居たぞ!〉
〈奴か?〉
何をのんびりし騒いでいるのかな。
まっ、相手が間抜けなのは歓迎すべき事なので攻撃を続行する。
〈斬り捨てろ!〉
短槍を取り出し、逆手に持ってジャンプ。
長剣を構えている奴の頭上を飛び越しながら柄で一撃。
〈ゴン〉といい音がして崩れ落ちる。
〈何だ、今の動きは〉
〈化け物か!〉
〈糞ッ、嵌められた様だぜ〉
〈固まれ!〉
《ミーちゃん、足を齧ってやって》
《はい。マスター》
〈ギャーァァァ あっ、足が・・・〉
悲鳴を上げて足を抱える男を見ている馬鹿、隙有り!
ほぼ正面から跳び込み腹にドロップキックをお見舞いし、剣を振りかぶる男の頭上に軽くジャンプ。
身を捻って延髄切りを喰らわせ、足を抱える男の後頭部を蹴って終了。
後は野となれ山となれ、生きるも死ぬも運次第だ。
* * * * * * * *
快適な目覚め、朝の草原を散歩がてらに移動していてやたらと小さな蜂が多いのに気付いた。
それも花から花へと移動しているのは蜜蜂!
ビーちゃん達の半分程の大きさと真紅に近い透きとおった羽根で蜜蜂には見えない。
てか、俺の知る蜜蜂とは大きさがまるで違う。
オシウス村で春を迎えたが、殆どを森で過ごしていたので花の盛りを見ていない。
それなのに俺の立っている所は今が花の盛りで、蜂たちが忙しそうに飛び交っている。
此れを見逃してはテイマーの名が廃るってもんだ。
花に止まった蜂を(テイム)〔ハニービー・3〕
細枝を束ねて叩けば殺しそうなので、イグサのような細い草を集めて束ね、花に止まったハニービーを一撃必殺・・・必弱。
(テイム)〔ハニービー・1〕
(テイム・テイム)〔ハニービー、200-1〕
《聞こえたら掌に乗ってくれるかな》
《はい、マスター》
《君の名前はハニー、ハニーの1ね》
《ハニーの1ですね、マスター》
〔ハニービー、200-1、収穫・運搬、20〕
ちょっと気になる数字が見えたので、スキルの確認をする。
(スキル)〔シンヤ、人族・19才。テイマー・能力1、アマデウスの加護・ティナの加護、生活魔法・魔力10/10、索敵中級中、気配察知中級中、隠形中級中・木登り・毒無効・キラービーの支配、ジャンプ、俊敏、剛力〕
〔キラービー、50-50、複眼、毒無効〕
〔ファングキャット、4-1、夜目、俊敏〕
〔ハニービー、200-1、収穫・運搬、20〕
200・・・やっぱり200匹もテイムしなきゃならないのかよ。
思いっきり脱力したが、槍の穂先とショートソードを受け取るのに後9日、暇潰しにハニービーを確保することにした。
これで甘~い蜜が食べ放題だ。
せっせと花から花へと渡り歩き、ハニービーを見つけては一撃必弱を繰り返しテイムしていく。
《マスターの餌ですか》
《そいつは肉があまり無いですよ》
《大きいお肉を食べたいです》
君達のお食事じゃないし、俺も食べないよ。
あ~あ、可哀想にギルドから追い出されるのか。
「頭を下げてゆっくり動いた方が良いですよ。追い払う仕草したら刺されますよ」
ミーちゃんの座る椅子を蹴った男が、頭を刺されて痛いのか渋い顔で俺を睨んでそろりと席から立ち上がる。
〈加護持ちの新人がいるって噂になったが、あいつの事か〉
〈おお、俺は蜂が護衛しているとか聞いた覚えがあるな〉
〈テイマーならキラービーもテイム出来るのか?〉
〈馬鹿、虫なんてテイム出来る訳ないだろう〉
彼等が出て行くと、ビーちゃん達に追跡を命じ皆で脅してやれとお願いしておく。
攻撃命令じゃないよ、あくまでもお願いだから。
「お前も、あんな奴等はさっさと刺して、直ぐに出て行くようにお願いしておけ!」
「それが出来たらとっくにやってますよ」
「で、その猫がお前の使役獣か?」
「はい。ミーちゃんです」
「ミーちゃん・・・お前に似合いの使役獣だな。そいつを抱いてねずみ取りの依頼でも受けろ! オーク等を多数持ち込んだ新人がいると聞いたが、お前か?」
「オシウス村で五ヶ月近く掛かって討伐した物ですよ」
「五ヶ月か・・・ランクは?」
「Gですけど」
「Fに昇級させてやるから、ギルドカードをカウンターへ持って行け。それでねずみ取りに励め!」
俺って去年の五月に登録していて、一年過ぎた所なんだよな。
放置していてもFランクに昇級なのを知らないのかな、恩着せがましそうに言っているので黙っていよう。
ゴキ悪のギルマスが引き上げると、入れ替わりに解体主任が査定用紙を持ってやってきた。
「ん、何か有ったのか?」
「いえ何も。ギルマスのご機嫌が悪いだけでしょう」
解体主任が首を捻りながら査定用紙を差し出した。
俺は世間相場を知らないので、ざっと見て了解する。
「それでだな、チキチキバードをもっと捕れないか」
「あ~、鳥類はミーちゃんのお仕事なんですよ」
「ミーちゃんって、その猫の事だろう」
「そうですよ。木の高い所とか枝先に巣を作ったりしていますので、俺じゃとても無理ですよ。夜に寝ているところを、ミーちゃんが襲って持って来てくれます」
呆れた様な顔になり「それじゃ、ミーちゃんにもっと稼げと言っておいてくれ」と行って帰っていった。
ホーンボア 3頭、140,000ダーラ×3=420,000ダーラ
エルク 2頭、110,000ダーラ×2=220,000ダーラ
オーク 9頭、70,000ダーラ×9=630,000ダーラ
グレイウルフ 11頭、37,000ダーラ×11=407,000ダーラ
フレイムドッグ 7頭、19,000ダーラ×7=133,000ダーラ
カリオン 6頭、26,000ダーラ×6=156,000ダーラ
チキチキバード 2羽、55,000ダーラ×2=110,000ダーラ
スプリントバード 1羽、35,000ダーラ
コケッコー 3羽、16,000ダーラ×3=48,000ダーラ
レッドチキン6羽、20,000ダーラ×6=120,000ダーラ
合計2,279,000ダーラ、五ヶ月近いオシウス村での稼ぎなので、一月450,000少々と良い稼ぎになった。
査定用紙を持って精算カウンターで全額受け取り、受付係にギルドカードを渡す。
「あらっ、貴方1年過ぎているのでFランクよね。ギルマスもFランクにしろって言って来たけど」
「何か頭に血が上っていたようですので、気がついて無いんじゃないですか」
「まあ、どちらにせよFランクに間違いないわね」
漸くランク5のマジックバッグに収めた獲物の処理が出来たので、ブーツと服を新調する為に隣の冒険者御用達の店に行く。
俺の顔を見た店主の顔が綻ぶ。
取り敢えず服を一式とブーツを買い、弓の一番張りの強い物を試す。
剛力を手に入れてからは、短弓を引いても子供用の弓を引いているように軽く、何度引きすぎて矢が弓から外れたことか。
三人張りの弓と重い鏃の矢を買い、527,000ダーラを支払う。
後は槍先をもっと頑丈な物に変えることと、ショートソードを一本手に入れるだけだ。
剛力を得てから少々重い物を腰に吊っても邪魔にならなくなったし、丸腰だと何かと侮られる。
教えてもらった鍛冶屋に行き、槍の穂先交換とショートソードを一本注文する。
形は御用達の店に有った物と同じだが身幅を広くして重くなる様に注文。
ぶん殴るには重い方が有利だし、鉄より固く切れ味の良い魔鋼鉄製を頼む。
ショートソードも片刃の直刀で、刃渡り50cm程の物に決め柄は拳二つ半。
槍の穂先450,000ダーラ、ショートソード600,000ダーラで金貨10枚と銀貨5枚を渡し2週間後の受け取りと決まった。
食料を仕入れに市場に向かうが、ギルドを出てから付いてくる金魚の糞が鬱陶しい。
大量の獲物を持ち込み、売り上げを全て受け取ったのだから格好の獲物に見えたのだろうが、俺は猛毒持ちだぞ。
街中ではビーちゃん達に金魚の糞の見分けがつかないので、放置して食料や調味料などをたっぷりと買い溜めをする。
夕暮れ前に街の出入り口に行き、さっさと街を後にする。
金魚の糞達は、夕暮れに街を出ると思っていなかった様で、慌てているのが気配で丸わかり。
小走りに街から遠ざかり、ミーちゃんのメダルを外して草叢に潜む。
ビーちゃん達は近くの木に止まってお休みだが、夜はミーちゃんの世界だ。
俺がビーちゃん頼みのテイマーじゃないと教えてやるよ。
木化けの要領で、ミーちゃんを抱えて身動きもせずに金魚の糞達を待つ。
《ミーちゃん、殺しちゃ駄目だよ。狙うのは顔ね、ザックリと爪痕を付けてやって》
《マスター、近づいて来る匂いはさっきの奴ですよ》
あー、そうだった。俺が大量の獲物を持ち込んでいるのを見ていた奴等だ。ギルマスに追い出されたからって、大金を見逃す気はないって事ね。
それじゃ爪痕は不味いか。
《ミーちゃんの攻撃は中止だな》
《マスターの敵はどうするんですか?》
《任せなさ~い♪ 逃げ出しす奴の足に噛みついても良いけど、爪は駄目だよ》
《判りました・・・来ました》
〈何処だ?〉
〈この辺りで街道から外れたぞ〉
〈この近くに野営地を持っているんだろう〉
〈ああ、でなきゃ夕暮れに街から出たりしないだろうからな〉
〈夜はあの蜂共も飛べねえから甚振ってやろうぜ〉
馬鹿が見ていろ。
草原に踏み入って俺の野営地を探しているが、すぐ側の草叢に潜んでいるのが判らないのかな。
索敵が下手なのか、俺の隠形が優れているのか。
〈おい、それらしき物が見当たらねえぞ〉
〈よく探せ! 一人だから小さいので見つけ難いだけだ〉
偉そうに怒鳴った奴に向けジャンプ。
水平跳び蹴り、当たった瞬間もう一度ジャンプ。
〈ウッワーッッ〉綺麗に吹っ飛んで動かなくなった。
〈なっ、何だ?〉
声を上げた奴の正面手前に跳び、着地と同時に再ジャンプして膝蹴りを顔面にお見舞いする。
〈ガハー〉
〈居たぞ!〉
〈奴か?〉
何をのんびりし騒いでいるのかな。
まっ、相手が間抜けなのは歓迎すべき事なので攻撃を続行する。
〈斬り捨てろ!〉
短槍を取り出し、逆手に持ってジャンプ。
長剣を構えている奴の頭上を飛び越しながら柄で一撃。
〈ゴン〉といい音がして崩れ落ちる。
〈何だ、今の動きは〉
〈化け物か!〉
〈糞ッ、嵌められた様だぜ〉
〈固まれ!〉
《ミーちゃん、足を齧ってやって》
《はい。マスター》
〈ギャーァァァ あっ、足が・・・〉
悲鳴を上げて足を抱える男を見ている馬鹿、隙有り!
ほぼ正面から跳び込み腹にドロップキックをお見舞いし、剣を振りかぶる男の頭上に軽くジャンプ。
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それなのに俺の立っている所は今が花の盛りで、蜂たちが忙しそうに飛び交っている。
此れを見逃してはテイマーの名が廃るってもんだ。
花に止まった蜂を(テイム)〔ハニービー・3〕
細枝を束ねて叩けば殺しそうなので、イグサのような細い草を集めて束ね、花に止まったハニービーを一撃必殺・・・必弱。
(テイム)〔ハニービー・1〕
(テイム・テイム)〔ハニービー、200-1〕
《聞こえたら掌に乗ってくれるかな》
《はい、マスター》
《君の名前はハニー、ハニーの1ね》
《ハニーの1ですね、マスター》
〔ハニービー、200-1、収穫・運搬、20〕
ちょっと気になる数字が見えたので、スキルの確認をする。
(スキル)〔シンヤ、人族・19才。テイマー・能力1、アマデウスの加護・ティナの加護、生活魔法・魔力10/10、索敵中級中、気配察知中級中、隠形中級中・木登り・毒無効・キラービーの支配、ジャンプ、俊敏、剛力〕
〔キラービー、50-50、複眼、毒無効〕
〔ファングキャット、4-1、夜目、俊敏〕
〔ハニービー、200-1、収穫・運搬、20〕
200・・・やっぱり200匹もテイムしなきゃならないのかよ。
思いっきり脱力したが、槍の穂先とショートソードを受け取るのに後9日、暇潰しにハニービーを確保することにした。
これで甘~い蜜が食べ放題だ。
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《マスターの餌ですか》
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「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
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もはや文字ですら無かった
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本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
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