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010 待ち伏せ
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ランク1-5の1個はゴブリンの餌になった奴の物で、4個は使用者登録を外させ、剥ぎ取った上着の上にぶち撒ける。
食料や着替えの他に、瀟洒なナイフや衣類にあまり上物と思えない指輪やネックレスが出て来る。
1つのマジックポーチに複数のナイフや、サイズ違いの指輪を見れば碌な事をしていないと判る。
三つは登録者制限が掛かっていなかったので、そのうちの一つに剥ぎ取った衣類や武器を投げ込む。
上等なマジックポーチを持っていた三人は、問いかけにも不適に笑うだけで唾を吐き、喋った男を脅している。
「気にするな、お前は俺の知りたい事を教えてくれたら逃がしてやる」
「嘘だな。お前を生かしておけば自分がお尋ね者になるので殺すさ」
「普通ならそうだろうが、ギルマスが絡んでいるんだろう。お前一人が生きて帰ってきたらどうなると思う。裏切って喋ったと思われて・・・その後はどうなるか、馬鹿でも判る事だ。お前は仲間の所へ戻れないので、逃がしても問題ないのさ」
「本当だな! 逃がしてくれるんだよな」
「フラン、ポーションが効いているのかすらすら話せるようになっているので、他の奴等をよく見張っていろよ。少しでも動いたら遠慮無く殺れ!」
「判った。此処まで来たら腹を括るよ」
「さてと、お前を殺さない訳は。俺達を捕まえたら何処へつれて行く気だったのか知りたいのさ。まさか、ザンドラの冒険者ギルドじゃ無いよな。となると、この近所に隠れ家がある筈だ。そこへ案内し、中の様子を教えろ」
「案内するだけで良いのか、俺を逃がしてくれるんだな!」
「ザンドラから遠くへ逃げ、冒険者以外の仕事をして静かにしていれば生き延びられると思うよ。俺が手を下す必要はない・・・だろう?。この三つのマジックポーチの持ち主は何も話す気が無さそうだし、他の奴等も同じだろうから後腐れのないように死んで貰う。お前の仲間も俺達も戻らない。となれば、何が起きたのか判らないので迂闊に手配も出来ない」
「助かるのなら、何でも言うとおりにする!」
「と言う事で、使用者登録を外さない三人を素っ裸にして、食べやすくしてやろうぜ」
顔や手足は浮腫んでいるが、ポーションが効いたのかジタバタし出したが、縛られているので呪詛の声を喚き散らすだけだ。
ゴブリン達は大の男二人で満足したのか静かになっているが、血の匂いで別の獣が寄ってくるだろう。
一ヶ所に10人も獣の餌を置くのは不味いと思い、協力者を残して全員の首を掻き斬り、丸めてマジックポーチに放り込む。
* * * * * * * *
半日近くも森の奥へと進み、その間にマジックポーチの中から一人二人と草叢や藪の中へ捨てた。
途中何度か獣と遭遇したが、野営用結界に避難してやり過ごす。
男がこの近くですと言った場所は、所々に大岩が転がる場所だったが、男の顔に小狡い表情が浮かんでいる。
棘の生えた灌木を避けて進むと、盛り上がった地面に穴が開いている場所があると聞いたが、やはり素直な人間じゃなかったようだ。
この近くだと言った場所では、待ち伏せの賊に周囲を囲まれていた。
フランの合図で伏せると「何か様子がおかしいですね」身を低くしたフランの声に「何が」と問えば誰かが潜んで居ると言った。
ビーちゃん達に周辺警戒を頼むべきだったと反省。
「おい、見張りの居る場所が違うぞ」
「当たり前だ! 話した道を通れば仲間達に殺されている。この道ならお前達に逃げ道はないし、俺は助かるからな。回りは棘だらけの木が生えているので、逃げ道もない。背中を見せれば矢が飛んでくる手筈だ、死にたくなければ縄を解いて俺の言うことを聞くんだな」
「ご親切に教えてくれて、有り難う」
マジックポーチから剣を取り出し、男の戒めを斬り落とすと尻に突き立てる。
〈ギャー〉っと悲鳴を上げながら立ち上がったので「走れ!」と怒鳴りつけたが、数歩も走らぬうちに矢が突き立つ。
《ビーちゃん達、俺達の周りに居る奴を探して五回ずつ刺してやってよ》
「シンヤさん、弓相手じゃ勝ち目がないですよ」
「あっ、ビーちゃん達にお願いしたから直ぐに終わるよ」
〈ウワーッッッ〉〈糞ッ蜂だ!〉〈ヒィー、たた、助けてぇー〉
「おー、流石はビーちゃん達だ仕事が早いや」
「なんか、緊張感がないですね」
「えっ、緊張とスリルを味わいたいのなら、お先にどうぞ」
「いえいえ、ビーちゃん様々ですので、シンヤさんにお任せます」
静かになったので、倒れている男に止めを刺しておく。
《ビーちゃん1号、逃げた奴は居る?》
《未だ動いてますが、逃がしません! もう少し刺しても良いですか》
《逃げられないのなら刺さなくてもよいよ。案内して》
ビーちゃん達が案内してくれるが、空を飛ぶものに案内を頼んだのが間違いでした。
棘だらけの藪の上をスイーっと飛んで《こっちです》と言われても行けねえよっ。
倒れている場所は判っているので、藪を切り裂いて何とか辿り着いたが、死亡一名二名人事不省二人は何とか意識があったが、質問に答える気力もなさそうだった。
ポケットをまさぐってもポーションは無いし、マジックポーチの中に何が有るのか判らない。
《ビーちゃん達、この辺りに俺達以外の人族が居ないか探してよ。特に岩の隙間とか穴の中も見てね》
《はーい。見つけたら刺してやります!》
《待ってまって。見つけても刺しちゃ駄目! 何処に居るのかを教えてね》
捜索と周辺警戒はビーちゃん達に任せ、フランと二人で盗賊の真似事だ。
マジックポーチ二個と革袋三個を、取り上げたマジックポーチの中へ放り込むと、後はビーちゃん達からの連絡待ちだ。
ジリジリとしながら待っていると《3号で~す。巣穴の中に人族がいるよ~》と連絡が来た。
巣穴って、キラービーの巣穴に似ているのかな。
案内してもらった場所は、大岩の割れ目の奥に居ると言われて躊躇ってしまった。
「どうしたんですか?」
「いやいや、このまま踏み込んだら殺されるじゃない」
「ビーちゃんにお願いすれば良いじゃないですか」
「それな、ここは奴等の塒だぞ。誰か捕まっている者が居ても、ビーちゃんには見分けがつかないだろう」
「じゃー、ビーちゃん4,5匹に中へ入って貰い、シンヤさんに攻撃する奴を刺すように言っておけばどうです」
この野郎は俺を囮に使い、自分は後ろから来る気だな。
しかし名案は浮かばないし、ここへ来るまでに随分時間が経っているのでのんびりしていると陽が暮れる。
「それじゃー、ビーちゃん達を中に入れて、中の奴等の回りを飛び回って貰いましょうよ。ビーちゃんに気を取られている隙に忍び込むってのはどうです」
「だな、俺達を攻撃する奴を刺すように言っておくか。フランは一応訓練をしているんだろう。俺はからっきし駄目だから、援護を頼むよ」
「えぇ~、俺もゴブリンと一対一がいいところなんですけど」
「いやいや、槍を突きつけて時間稼ぎをしてくれたら、その間にビーちゃんに頼むからさ」
俺一人じゃ嫌だし、万が一死ぬのなら道連れは欲しいからな。
接近戦用の狼さんでもテイム出来ないかなぁ。
《ビーちゃん1号~7号は中へ入って人族の回りを飛び回ってよ。残りは此処に居て誰かきたら教えてね》
《はーい、1号行きます! 続けー》
《オー、×6》
やれやれ、何か軍隊みたいになってきたぞ。
〈ウオーッッッ、また来やがったぞ!〉
〈巣穴と間違えてやがるな〉
〈じっとしてろ! 下手に追い払うと刺されるぞ〉
居るいる、声からして三人か。
《皆、すれすれを飛んで脅かしてやって》
《任せて!》
《はーい。刺しちゃうぞー》
《ちょっと刺したい気分かなー》
この野郎、遊んでいやがる。
まっ入り口に注意が向いていない間に匍匐前進だ。
お~お、頭から服を被って飛び回るビーちゃんを目で追っている。
《ブーン、きゃっははは。刺しちゃうぞー》
《未だ刺しちゃ駄目だよ~》
あいつ等遊んでいやがるが、お陰で三人の居場所が判ったので彼等だけに攻撃命令だ。
《ビーちゃん達、その三人を三回だけ刺してよ》
《よっしゃー♪》
《行くぞー》
《あー、ずるいぞ! マスター他にも人族が居るので刺しちゃ駄目?》
〈ギャー〉〈糞ッ〉〈痛ててて、止め!〉
《駄目ダメ、ちょっと確かめてからだよ。何処に居るの? 頭の上で回ってみて》
《此処だよ~♪》
ん・・・老婆? だけど盗賊の一味には見えないし、何か大きな包みを抱えている。
〈痛ててて、糞っ垂れ! 何でキラービーが・・・誰だ、て前ぇは!〉
〈おっ、怪しい奴〉
《ビーちゃん、もう一回ずつ刺してやって》
《はーい》
《今度は俺が刺すんだ!》
《早いものが刺しても良いの♪》
〈ウオーォォォ〉
〈未だ居やがったのか!〉
〈勘弁してくれぇぇぇ〉
「ふらん、今のうちに叩き潰してよ」
「えっ、三人も居ますよ」
「ビーちゃん達に襲われてるし、武器も持ってないので腕の一本もへし折れば良いよ」
「シンヤと一緒に遣るのは考え直そうかなぁ」
「愚図愚図言わないの! 俺も一人受け持つからさ」
ビーちゃんを避けて蹲る男の頭を、逆手に持った短槍でぶん殴る。
蜂の毒と殴られた痛みで倒れた男に駆け寄り、腕と足を縛る。
それを見たフランも急いでロープを取り出して縛るが、一人熊みたいな大きな奴がフランを撥ねのける。
《ビーちゃん、そいつを後三回刺してもいいよ!》
《よっしゃー、俺の番だ!》
いかん、ビーちゃん達は完全な遊びモードだ。
食料や着替えの他に、瀟洒なナイフや衣類にあまり上物と思えない指輪やネックレスが出て来る。
1つのマジックポーチに複数のナイフや、サイズ違いの指輪を見れば碌な事をしていないと判る。
三つは登録者制限が掛かっていなかったので、そのうちの一つに剥ぎ取った衣類や武器を投げ込む。
上等なマジックポーチを持っていた三人は、問いかけにも不適に笑うだけで唾を吐き、喋った男を脅している。
「気にするな、お前は俺の知りたい事を教えてくれたら逃がしてやる」
「嘘だな。お前を生かしておけば自分がお尋ね者になるので殺すさ」
「普通ならそうだろうが、ギルマスが絡んでいるんだろう。お前一人が生きて帰ってきたらどうなると思う。裏切って喋ったと思われて・・・その後はどうなるか、馬鹿でも判る事だ。お前は仲間の所へ戻れないので、逃がしても問題ないのさ」
「本当だな! 逃がしてくれるんだよな」
「フラン、ポーションが効いているのかすらすら話せるようになっているので、他の奴等をよく見張っていろよ。少しでも動いたら遠慮無く殺れ!」
「判った。此処まで来たら腹を括るよ」
「さてと、お前を殺さない訳は。俺達を捕まえたら何処へつれて行く気だったのか知りたいのさ。まさか、ザンドラの冒険者ギルドじゃ無いよな。となると、この近所に隠れ家がある筈だ。そこへ案内し、中の様子を教えろ」
「案内するだけで良いのか、俺を逃がしてくれるんだな!」
「ザンドラから遠くへ逃げ、冒険者以外の仕事をして静かにしていれば生き延びられると思うよ。俺が手を下す必要はない・・・だろう?。この三つのマジックポーチの持ち主は何も話す気が無さそうだし、他の奴等も同じだろうから後腐れのないように死んで貰う。お前の仲間も俺達も戻らない。となれば、何が起きたのか判らないので迂闊に手配も出来ない」
「助かるのなら、何でも言うとおりにする!」
「と言う事で、使用者登録を外さない三人を素っ裸にして、食べやすくしてやろうぜ」
顔や手足は浮腫んでいるが、ポーションが効いたのかジタバタし出したが、縛られているので呪詛の声を喚き散らすだけだ。
ゴブリン達は大の男二人で満足したのか静かになっているが、血の匂いで別の獣が寄ってくるだろう。
一ヶ所に10人も獣の餌を置くのは不味いと思い、協力者を残して全員の首を掻き斬り、丸めてマジックポーチに放り込む。
* * * * * * * *
半日近くも森の奥へと進み、その間にマジックポーチの中から一人二人と草叢や藪の中へ捨てた。
途中何度か獣と遭遇したが、野営用結界に避難してやり過ごす。
男がこの近くですと言った場所は、所々に大岩が転がる場所だったが、男の顔に小狡い表情が浮かんでいる。
棘の生えた灌木を避けて進むと、盛り上がった地面に穴が開いている場所があると聞いたが、やはり素直な人間じゃなかったようだ。
この近くだと言った場所では、待ち伏せの賊に周囲を囲まれていた。
フランの合図で伏せると「何か様子がおかしいですね」身を低くしたフランの声に「何が」と問えば誰かが潜んで居ると言った。
ビーちゃん達に周辺警戒を頼むべきだったと反省。
「おい、見張りの居る場所が違うぞ」
「当たり前だ! 話した道を通れば仲間達に殺されている。この道ならお前達に逃げ道はないし、俺は助かるからな。回りは棘だらけの木が生えているので、逃げ道もない。背中を見せれば矢が飛んでくる手筈だ、死にたくなければ縄を解いて俺の言うことを聞くんだな」
「ご親切に教えてくれて、有り難う」
マジックポーチから剣を取り出し、男の戒めを斬り落とすと尻に突き立てる。
〈ギャー〉っと悲鳴を上げながら立ち上がったので「走れ!」と怒鳴りつけたが、数歩も走らぬうちに矢が突き立つ。
《ビーちゃん達、俺達の周りに居る奴を探して五回ずつ刺してやってよ》
「シンヤさん、弓相手じゃ勝ち目がないですよ」
「あっ、ビーちゃん達にお願いしたから直ぐに終わるよ」
〈ウワーッッッ〉〈糞ッ蜂だ!〉〈ヒィー、たた、助けてぇー〉
「おー、流石はビーちゃん達だ仕事が早いや」
「なんか、緊張感がないですね」
「えっ、緊張とスリルを味わいたいのなら、お先にどうぞ」
「いえいえ、ビーちゃん様々ですので、シンヤさんにお任せます」
静かになったので、倒れている男に止めを刺しておく。
《ビーちゃん1号、逃げた奴は居る?》
《未だ動いてますが、逃がしません! もう少し刺しても良いですか》
《逃げられないのなら刺さなくてもよいよ。案内して》
ビーちゃん達が案内してくれるが、空を飛ぶものに案内を頼んだのが間違いでした。
棘だらけの藪の上をスイーっと飛んで《こっちです》と言われても行けねえよっ。
倒れている場所は判っているので、藪を切り裂いて何とか辿り着いたが、死亡一名二名人事不省二人は何とか意識があったが、質問に答える気力もなさそうだった。
ポケットをまさぐってもポーションは無いし、マジックポーチの中に何が有るのか判らない。
《ビーちゃん達、この辺りに俺達以外の人族が居ないか探してよ。特に岩の隙間とか穴の中も見てね》
《はーい。見つけたら刺してやります!》
《待ってまって。見つけても刺しちゃ駄目! 何処に居るのかを教えてね》
捜索と周辺警戒はビーちゃん達に任せ、フランと二人で盗賊の真似事だ。
マジックポーチ二個と革袋三個を、取り上げたマジックポーチの中へ放り込むと、後はビーちゃん達からの連絡待ちだ。
ジリジリとしながら待っていると《3号で~す。巣穴の中に人族がいるよ~》と連絡が来た。
巣穴って、キラービーの巣穴に似ているのかな。
案内してもらった場所は、大岩の割れ目の奥に居ると言われて躊躇ってしまった。
「どうしたんですか?」
「いやいや、このまま踏み込んだら殺されるじゃない」
「ビーちゃんにお願いすれば良いじゃないですか」
「それな、ここは奴等の塒だぞ。誰か捕まっている者が居ても、ビーちゃんには見分けがつかないだろう」
「じゃー、ビーちゃん4,5匹に中へ入って貰い、シンヤさんに攻撃する奴を刺すように言っておけばどうです」
この野郎は俺を囮に使い、自分は後ろから来る気だな。
しかし名案は浮かばないし、ここへ来るまでに随分時間が経っているのでのんびりしていると陽が暮れる。
「それじゃー、ビーちゃん達を中に入れて、中の奴等の回りを飛び回って貰いましょうよ。ビーちゃんに気を取られている隙に忍び込むってのはどうです」
「だな、俺達を攻撃する奴を刺すように言っておくか。フランは一応訓練をしているんだろう。俺はからっきし駄目だから、援護を頼むよ」
「えぇ~、俺もゴブリンと一対一がいいところなんですけど」
「いやいや、槍を突きつけて時間稼ぎをしてくれたら、その間にビーちゃんに頼むからさ」
俺一人じゃ嫌だし、万が一死ぬのなら道連れは欲しいからな。
接近戦用の狼さんでもテイム出来ないかなぁ。
《ビーちゃん1号~7号は中へ入って人族の回りを飛び回ってよ。残りは此処に居て誰かきたら教えてね》
《はーい、1号行きます! 続けー》
《オー、×6》
やれやれ、何か軍隊みたいになってきたぞ。
〈ウオーッッッ、また来やがったぞ!〉
〈巣穴と間違えてやがるな〉
〈じっとしてろ! 下手に追い払うと刺されるぞ〉
居るいる、声からして三人か。
《皆、すれすれを飛んで脅かしてやって》
《任せて!》
《はーい。刺しちゃうぞー》
《ちょっと刺したい気分かなー》
この野郎、遊んでいやがる。
まっ入り口に注意が向いていない間に匍匐前進だ。
お~お、頭から服を被って飛び回るビーちゃんを目で追っている。
《ブーン、きゃっははは。刺しちゃうぞー》
《未だ刺しちゃ駄目だよ~》
あいつ等遊んでいやがるが、お陰で三人の居場所が判ったので彼等だけに攻撃命令だ。
《ビーちゃん達、その三人を三回だけ刺してよ》
《よっしゃー♪》
《行くぞー》
《あー、ずるいぞ! マスター他にも人族が居るので刺しちゃ駄目?》
〈ギャー〉〈糞ッ〉〈痛ててて、止め!〉
《駄目ダメ、ちょっと確かめてからだよ。何処に居るの? 頭の上で回ってみて》
《此処だよ~♪》
ん・・・老婆? だけど盗賊の一味には見えないし、何か大きな包みを抱えている。
〈痛ててて、糞っ垂れ! 何でキラービーが・・・誰だ、て前ぇは!〉
〈おっ、怪しい奴〉
《ビーちゃん、もう一回ずつ刺してやって》
《はーい》
《今度は俺が刺すんだ!》
《早いものが刺しても良いの♪》
〈ウオーォォォ〉
〈未だ居やがったのか!〉
〈勘弁してくれぇぇぇ〉
「ふらん、今のうちに叩き潰してよ」
「えっ、三人も居ますよ」
「ビーちゃん達に襲われてるし、武器も持ってないので腕の一本もへし折れば良いよ」
「シンヤと一緒に遣るのは考え直そうかなぁ」
「愚図愚図言わないの! 俺も一人受け持つからさ」
ビーちゃんを避けて蹲る男の頭を、逆手に持った短槍でぶん殴る。
蜂の毒と殴られた痛みで倒れた男に駆け寄り、腕と足を縛る。
それを見たフランも急いでロープを取り出して縛るが、一人熊みたいな大きな奴がフランを撥ねのける。
《ビーちゃん、そいつを後三回刺してもいいよ!》
《よっしゃー、俺の番だ!》
いかん、ビーちゃん達は完全な遊びモードだ。
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