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019 昇級
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何気なく受け取ったマジックポーチを手に驚いているハリスン。
「こんなに高い物を預かっていても良いのか?」
「良いんだよ。あんた達の物を、一々出し入れするのが面倒だからな。パーティーを組んだら。大きな獲物を入れる物が必要になるだろう。一番安い2/10の物が、110万ダーラで買えるのも判っただろう」
「ああ、パーティー登録をしたら、話し合って何れ買うよ」
* * * * * * * *
キャンプ地に戻ると四人に小弓スキルを貼付し、練習用の地下トンネルを作る。
地下トンネルと言っても半地下で、縦横2メートル程度で奥行きは7メートル程だ。
的は射撃位置から5メートルの程の所に作り、練習方法を伝授する。
「こんな所で練習をするの?」
「てかさ、練習になるの?」
「ユーゴ、どうやるのか教えてよ」
流石はリーダー的存在のハリスンだ、遣る気十分だな。
巻き藁代わりの草の束を立てた所へ、掌サイズのボロ布を的として取り付けてある。
「立ち位置から小弓を引き絞って、的まで約5メートル。矢をつがえてから確実に的を狙い射って貰う。射た瞬間に次の矢をつがえて、的を確実に狙って射つ。此の繰り返しだよ」
そう告げて、俺は小弓に練習用の矢をつがえると同時に引き絞り矢を放ち、次の瞬間矢筒から次の矢を引き抜いてつがえると引き絞って放つ。
掌サイズのボロ布の的に、次々と矢が当たり五本で射つのを止めた。
「先ず正確に的に当てる。急ぐ必要は無いが、確実に的に当てる事が重要だよ。ギリギリまで引き絞る必要は無い、矢をつがえて引いたら自然と射る位置が判るからな。練習用の矢は1人20本、20本射てば次と交代して貰う」
朝夕20本を二回交代で練習したら外に出て短槍の練習、昼からは周辺を回って索敵の練習で、夕食後もう一度小弓の練習だ。
索敵の練習で森を歩く時に見掛けた獲物は、俺が小弓を使って倒す。
通常は20~30メートルの距離で、小型のエルクやゴブリンなら30~40メートルの距離で射ち倒す。
小弓と謂えども十分な殺傷力がある事を見せつけ、練習が無駄では無いと教える。
四頭のゴブリン群れを見付けた時には、奴らの前に姿を晒して向かって来るゴブリンを次々と射抜いて見せた。
致命傷では無いが、倒れたり傷ついたゴブリンは簡単に殺せると教える。
時には、小弓の矢は一本4,000ダーラなので、的を外して無くせば稼ぎが減ると嘆いてみせる。
二週間もすればそこそこ扱える様になったので、ホーンボアやオーク相手の集団的な闘い方の練習に切り替える。
常に野獣の前後左右に位置取りし、背後や左右に位置する者が攻撃をすること。
正面や野獣からよく見えている位置の者は獣を挑発し、背後や死角になっている者が攻撃を担当する事を徹底させる。
また、胴体などは狙わず足を優先的に突き、突き立った短槍を滑らせて斬る練習も繰り返す。
* * * * * * * *
ルッカスが腕を直角に曲げて上げ、親指を立てて手を振った後で親指と人差し指を握り込んで指三本を立てる。
オーク三頭、ハリソンが俺の顔を見る。
「位置取りする暇は無いので、正面から足止めだな。一頭は俺がやるので、足止めした二頭は任せた」
頷いたハリスンがホウルを左に、グロスタとルッカスを右に配置し太股を掌で叩く。
三人が頷いて小弓を構え、迫り来るオークの足音の方を見つめる。
灌木が揺れてオークが姿を現したが縦一列になっているので、ホウルが向かって左の太股に矢を射るのと同時に、ハリスンが右太股に矢を射ち込む。
矢継ぎ早に三本の矢をそれぞれの太股に受けてオークが前のめりに倒れると、背後に居たオークに対してグロスタとルッカスがそれぞれの位置から左右の足に矢を射込む。
いくらオークと謂えども、左右の太股に三本ずつの矢を射込まれては立っていられない。
前に居た二頭が倒れて不思議がる後続のオークはハリスン達を見て吠える。
「ハリスン、序でに其奴もやっちまえ!」
「ちょっ、ユーゴ予定と違う!」
「臨機応変って知らないの。ルッカス右足、ホウル左足だ。ハリスンは心臓を狙え! グロスタはパックアップな」
〈キュン〉〈キュン〉と弦音を響かせて矢が射ち込まれ、最後尾のオークの両足と胸に深々と矢が突き立つ。
〈ふぅー〉
「何をのんびりしているの、足止めした二頭の止めを刺してないよ!」
ホウルが止めを刺す為に短槍を手に手前のオークに近寄るのを、ハリスンが小弓に矢をつがえて援護に回る。
ホウルも射線に入らない様に横から近づき頸動脈を狙って短槍を突き立てると刃を滑らせる。
胸に矢が突き立ったオークにも確認の止めを刺し終えて溜め息を吐いている。
「新しい鏃の具合はどうかな?」
「少し重いと思ったけど、威力は十分だね」
「ああ、何時もの矢なら鏃も軽いので精々10センチ程度しか食い込まないけどな」
「見てよ、深々と突き立っているよ」
「流石は銅貨6枚の威力だよね」
「それでも鏃の先を鋭く研いでないと、此ほどは食い込まないよ」
「今晩は普通の矢の鏃も綺麗に研いでおくよ」
「道具のお手入れは大事だよな」
矢を回収し、オークの手足と首を落とすとランク2のマジックポーチに入れる。
オークともなると、そのままではランク3のマジックポーチにも入らないのが辛いところだが、手足を切り落とせば何とかなるので良しとする。
内緒で解体スキルを貼付し、解体方法を教えておいて良かった。
まっ、俺はホーンラビットやヘッジホッグ等を解体して食べたくて、自分に解体スキルを貼付したんだけどな。
* * * * * * * *
解体場でオーク3頭,エルク1頭,ホーンボア2頭,ホーンラビット11羽,ヘッジホッグ7匹,カラーバード6羽と並べて行く。
「お前達も最近腕を上げたな」
「有り難う御座います。ユーゴのお陰ですよ」
「オークも止めの首以外は矢傷だけで綺麗なもんだ。此なら高く買ってやるぞ」
解体主任に褒められてニコニコ顔の四人と共に食堂で朝食を食べる。
「一人前と認められた様で、なんか嬉しいよな」
「解体主任に、初めて褒められたよな」
「これもユーゴのお陰だよ。有り難う」
「それなら正式にパーティーを組みなよ。俺は冬になったら王都を離れるからさ」
「えっ・・・」
「そう言う約束だろう。皆を鍛えることで、俺の考えた事を試していたんだから。解体主任のお褒めの言葉は、一人前の冒険者と認めた証だからな」
「でも、でも直ぐじゃないよな!」
「もっと色々と教わりたいんだけど」
「捨てないで!」
即座に三人から頭を叩かれているホウル。
「気持ち悪い!」
「お前って・・・そんな趣味をしていたの?」
「台詞が違うだろうが!」
「痛ってえぇなぁぁ、冗談だろう」
「お前の冗談は、時々思いっきり外すんだよ!」
「今回のは背筋がぞわっとしたぞ」
「まるっきり笑えねぇよ」
「パーティー登録前に追放だな」
「それこそ捨てないでよぉ~」
「マジでパーティーとして登録しなよ。名前は考えてあるんだろう」
「考えてはいるけど、冬になるまでは一緒に居てくれるんだよな」
「その予定だよ」
解体主任が査定用紙を持って来たが、後ろにギルマスが居る。
「オーク三体を討伐したのはお前達か?」
「ユーゴのバックアップを受けてですけど」
「俺は見物していただけだよ。四人で倒したのは間違いないね」
「お前達四人も今年登録したアイアンだったよな」
四人が一斉に頷くとギルマスが手を出して「ギルドカードを出せ」と一言。
期待の籠もった顔で急いでギルドカードを手渡すと「全員アイアンの二級に昇格だ。カードを受け取る時に、討伐した場所を伝えておけ」と言ってカウンターに昇級を告げている。
「えっ・・・ブロンズじゃないの」
「ユーゴは一人で三頭討伐、俺達は四人掛かりで三頭討伐だぞ」
「昇級出来るだけでも有り難いよ」
「ユーゴの指示がなかったら逃げていたね」
受け取った査定用紙を見ると、オークは以前と同じお値段になっている。
オーク、8万ダーラ×3=24万ダーラ
エルク、6万ダーラ
ホーンボア、4.5万ダーラ×2=9万ダーラ
ホーンラビット、3千ダーラ×11=3.3万ダーラ
ヘッジホッグ、7千ダーラ×7=4.9万ダーラ
カラーバード、1.3万ダーラ×6=7.8万ダーラ
合計55万ダーラ
査定用紙を皆に見せて「一人12万ダーラね、俺は手数料として5万貰うよ。良いかな?」
「何時も有り難いのだけど、それで良いの?」
「全てユーゴの物だよ」
「俺達は金を貰った鍛えて貰っているのだからな」
「そそ、飯も武器も全てユーゴの持ち出しだろう」
「言っただろう。俺に付き合って貰っているからな。それよりその金で服を買い換えなよ」
「これなぁ~、そろそろ替え時かなとは思ったけど、ユーゴの様なショートソードが欲しくて」
「珍しい形だけど良いよなぁ~」
「突く斬る殴るが一本で出来るんだからな」
「ショートソードなら、短槍や小弓を使っていても万が一の時の武器が腰にあるからな」
「武器は用意してやるよ。そろそろ対人戦の練習も必要だろうし」
受付係が四人のカードを持ってきてくれたので、礼を言ってそれぞれに渡す。
皆嬉しそうにカードを見ているが、一級から二級へは横線が一本増えるだけ。
完全な手抜きだと思うが、ギルドも毎回カードを作るのが面倒なんだろうと理解を示しておく。
食堂に入ってきた者を見て、ハリスンの顔が曇る。
「こんなに高い物を預かっていても良いのか?」
「良いんだよ。あんた達の物を、一々出し入れするのが面倒だからな。パーティーを組んだら。大きな獲物を入れる物が必要になるだろう。一番安い2/10の物が、110万ダーラで買えるのも判っただろう」
「ああ、パーティー登録をしたら、話し合って何れ買うよ」
* * * * * * * *
キャンプ地に戻ると四人に小弓スキルを貼付し、練習用の地下トンネルを作る。
地下トンネルと言っても半地下で、縦横2メートル程度で奥行きは7メートル程だ。
的は射撃位置から5メートルの程の所に作り、練習方法を伝授する。
「こんな所で練習をするの?」
「てかさ、練習になるの?」
「ユーゴ、どうやるのか教えてよ」
流石はリーダー的存在のハリスンだ、遣る気十分だな。
巻き藁代わりの草の束を立てた所へ、掌サイズのボロ布を的として取り付けてある。
「立ち位置から小弓を引き絞って、的まで約5メートル。矢をつがえてから確実に的を狙い射って貰う。射た瞬間に次の矢をつがえて、的を確実に狙って射つ。此の繰り返しだよ」
そう告げて、俺は小弓に練習用の矢をつがえると同時に引き絞り矢を放ち、次の瞬間矢筒から次の矢を引き抜いてつがえると引き絞って放つ。
掌サイズのボロ布の的に、次々と矢が当たり五本で射つのを止めた。
「先ず正確に的に当てる。急ぐ必要は無いが、確実に的に当てる事が重要だよ。ギリギリまで引き絞る必要は無い、矢をつがえて引いたら自然と射る位置が判るからな。練習用の矢は1人20本、20本射てば次と交代して貰う」
朝夕20本を二回交代で練習したら外に出て短槍の練習、昼からは周辺を回って索敵の練習で、夕食後もう一度小弓の練習だ。
索敵の練習で森を歩く時に見掛けた獲物は、俺が小弓を使って倒す。
通常は20~30メートルの距離で、小型のエルクやゴブリンなら30~40メートルの距離で射ち倒す。
小弓と謂えども十分な殺傷力がある事を見せつけ、練習が無駄では無いと教える。
四頭のゴブリン群れを見付けた時には、奴らの前に姿を晒して向かって来るゴブリンを次々と射抜いて見せた。
致命傷では無いが、倒れたり傷ついたゴブリンは簡単に殺せると教える。
時には、小弓の矢は一本4,000ダーラなので、的を外して無くせば稼ぎが減ると嘆いてみせる。
二週間もすればそこそこ扱える様になったので、ホーンボアやオーク相手の集団的な闘い方の練習に切り替える。
常に野獣の前後左右に位置取りし、背後や左右に位置する者が攻撃をすること。
正面や野獣からよく見えている位置の者は獣を挑発し、背後や死角になっている者が攻撃を担当する事を徹底させる。
また、胴体などは狙わず足を優先的に突き、突き立った短槍を滑らせて斬る練習も繰り返す。
* * * * * * * *
ルッカスが腕を直角に曲げて上げ、親指を立てて手を振った後で親指と人差し指を握り込んで指三本を立てる。
オーク三頭、ハリソンが俺の顔を見る。
「位置取りする暇は無いので、正面から足止めだな。一頭は俺がやるので、足止めした二頭は任せた」
頷いたハリスンがホウルを左に、グロスタとルッカスを右に配置し太股を掌で叩く。
三人が頷いて小弓を構え、迫り来るオークの足音の方を見つめる。
灌木が揺れてオークが姿を現したが縦一列になっているので、ホウルが向かって左の太股に矢を射るのと同時に、ハリスンが右太股に矢を射ち込む。
矢継ぎ早に三本の矢をそれぞれの太股に受けてオークが前のめりに倒れると、背後に居たオークに対してグロスタとルッカスがそれぞれの位置から左右の足に矢を射込む。
いくらオークと謂えども、左右の太股に三本ずつの矢を射込まれては立っていられない。
前に居た二頭が倒れて不思議がる後続のオークはハリスン達を見て吠える。
「ハリスン、序でに其奴もやっちまえ!」
「ちょっ、ユーゴ予定と違う!」
「臨機応変って知らないの。ルッカス右足、ホウル左足だ。ハリスンは心臓を狙え! グロスタはパックアップな」
〈キュン〉〈キュン〉と弦音を響かせて矢が射ち込まれ、最後尾のオークの両足と胸に深々と矢が突き立つ。
〈ふぅー〉
「何をのんびりしているの、足止めした二頭の止めを刺してないよ!」
ホウルが止めを刺す為に短槍を手に手前のオークに近寄るのを、ハリスンが小弓に矢をつがえて援護に回る。
ホウルも射線に入らない様に横から近づき頸動脈を狙って短槍を突き立てると刃を滑らせる。
胸に矢が突き立ったオークにも確認の止めを刺し終えて溜め息を吐いている。
「新しい鏃の具合はどうかな?」
「少し重いと思ったけど、威力は十分だね」
「ああ、何時もの矢なら鏃も軽いので精々10センチ程度しか食い込まないけどな」
「見てよ、深々と突き立っているよ」
「流石は銅貨6枚の威力だよね」
「それでも鏃の先を鋭く研いでないと、此ほどは食い込まないよ」
「今晩は普通の矢の鏃も綺麗に研いでおくよ」
「道具のお手入れは大事だよな」
矢を回収し、オークの手足と首を落とすとランク2のマジックポーチに入れる。
オークともなると、そのままではランク3のマジックポーチにも入らないのが辛いところだが、手足を切り落とせば何とかなるので良しとする。
内緒で解体スキルを貼付し、解体方法を教えておいて良かった。
まっ、俺はホーンラビットやヘッジホッグ等を解体して食べたくて、自分に解体スキルを貼付したんだけどな。
* * * * * * * *
解体場でオーク3頭,エルク1頭,ホーンボア2頭,ホーンラビット11羽,ヘッジホッグ7匹,カラーバード6羽と並べて行く。
「お前達も最近腕を上げたな」
「有り難う御座います。ユーゴのお陰ですよ」
「オークも止めの首以外は矢傷だけで綺麗なもんだ。此なら高く買ってやるぞ」
解体主任に褒められてニコニコ顔の四人と共に食堂で朝食を食べる。
「一人前と認められた様で、なんか嬉しいよな」
「解体主任に、初めて褒められたよな」
「これもユーゴのお陰だよ。有り難う」
「それなら正式にパーティーを組みなよ。俺は冬になったら王都を離れるからさ」
「えっ・・・」
「そう言う約束だろう。皆を鍛えることで、俺の考えた事を試していたんだから。解体主任のお褒めの言葉は、一人前の冒険者と認めた証だからな」
「でも、でも直ぐじゃないよな!」
「もっと色々と教わりたいんだけど」
「捨てないで!」
即座に三人から頭を叩かれているホウル。
「気持ち悪い!」
「お前って・・・そんな趣味をしていたの?」
「台詞が違うだろうが!」
「痛ってえぇなぁぁ、冗談だろう」
「お前の冗談は、時々思いっきり外すんだよ!」
「今回のは背筋がぞわっとしたぞ」
「まるっきり笑えねぇよ」
「パーティー登録前に追放だな」
「それこそ捨てないでよぉ~」
「マジでパーティーとして登録しなよ。名前は考えてあるんだろう」
「考えてはいるけど、冬になるまでは一緒に居てくれるんだよな」
「その予定だよ」
解体主任が査定用紙を持って来たが、後ろにギルマスが居る。
「オーク三体を討伐したのはお前達か?」
「ユーゴのバックアップを受けてですけど」
「俺は見物していただけだよ。四人で倒したのは間違いないね」
「お前達四人も今年登録したアイアンだったよな」
四人が一斉に頷くとギルマスが手を出して「ギルドカードを出せ」と一言。
期待の籠もった顔で急いでギルドカードを手渡すと「全員アイアンの二級に昇格だ。カードを受け取る時に、討伐した場所を伝えておけ」と言ってカウンターに昇級を告げている。
「えっ・・・ブロンズじゃないの」
「ユーゴは一人で三頭討伐、俺達は四人掛かりで三頭討伐だぞ」
「昇級出来るだけでも有り難いよ」
「ユーゴの指示がなかったら逃げていたね」
受け取った査定用紙を見ると、オークは以前と同じお値段になっている。
オーク、8万ダーラ×3=24万ダーラ
エルク、6万ダーラ
ホーンボア、4.5万ダーラ×2=9万ダーラ
ホーンラビット、3千ダーラ×11=3.3万ダーラ
ヘッジホッグ、7千ダーラ×7=4.9万ダーラ
カラーバード、1.3万ダーラ×6=7.8万ダーラ
合計55万ダーラ
査定用紙を皆に見せて「一人12万ダーラね、俺は手数料として5万貰うよ。良いかな?」
「何時も有り難いのだけど、それで良いの?」
「全てユーゴの物だよ」
「俺達は金を貰った鍛えて貰っているのだからな」
「そそ、飯も武器も全てユーゴの持ち出しだろう」
「言っただろう。俺に付き合って貰っているからな。それよりその金で服を買い換えなよ」
「これなぁ~、そろそろ替え時かなとは思ったけど、ユーゴの様なショートソードが欲しくて」
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「突く斬る殴るが一本で出来るんだからな」
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「武器は用意してやるよ。そろそろ対人戦の練習も必要だろうし」
受付係が四人のカードを持ってきてくれたので、礼を言ってそれぞれに渡す。
皆嬉しそうにカードを見ているが、一級から二級へは横線が一本増えるだけ。
完全な手抜きだと思うが、ギルドも毎回カードを作るのが面倒なんだろうと理解を示しておく。
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