20 / 39
20 エルフの里
しおりを挟む
翌日は新たな妖精族の一団が現れ、魔力玉の提供を要請された。
聞けば20日程奥地に住まう一族で、友人から魔力玉の話しを聞き魔力の増大と魔法の威力の嵩上げは、一族の安寧に繋がるとやってきたのだ。
エルクハイムを訪れたが俺やフィーィ達が居なかったので、暫く待っていたのだが諦めて帰る途中、俺が森に居ると聞きお願いに来たそうだ。
快く魔力玉を提供し、一人一回魔力の吸収をしてもらい魔力の増大と魔法の威力を確認してもらった。
奥地に居る仲間達にも先ず一人一回の魔力吸収をして、余れば複数回魔力を吸収すれば良い。
魔力の吸収が出来なくなれば、それが魔力増大の限界なので他の人に魔力玉の魔力を吸収させる様に言っておく。
足りなければ又来てくれればお渡ししますから、そう伝えて20個程の魔力玉を彼らに与えた。
一人が前に出て拳を胸に当てる。
《クリューナと、妖精族の名にかけて貴方の危機には参上します》
《妖精族の名にかけて》
口々に誓いの言葉を残し、彼等は奥地に帰って行った。
《アール!有り難う》
《どうしたフィーィ》
《アールのお陰で、仲間達が安心して暮らせる様になるのが嬉しい。フィーィの一族は常にアールと共にあるからね》
ウン?、フィーィの "一族は常に" アールと共に・・・
《フィーィ、聞きたい事がある。ひょっとしてエルクハイムの俺の家に居たのは、フィーィの一族全てか》
《そうだよ、(最初にフィーィと妖精族の名にかけてと誓った時、アールと共に在る)と願ったら一族の皆もアールと共にと願ったんだよ。だから今も一族全てが居るよ。留守番だけ残してるけどね》
どおりで、何時も沢山の妖精達が居る筈だ。
そこに魔力玉の礼を言いに来た妖精族の一団と遊びに来た集団が加わってたのか。
でもまぁ良いか、仲間が増えるのは悪い事ではないしな。
ぼちぼちエルクハイムに近づく進路を取りたいので、フィーィにお願いする。
時々念話の届く範囲で、接触する妖精族同士で情報交換している様で、挨拶に来る小集団がちらほらと居る。
《アールに御挨拶を》
拳を胸に当て一礼する。
俺も拳を胸に当て軽く一礼する。
フィーェに、挨拶されたら何も言わなくても良いから同じ動作をして敬意を示せば良しと教えてもらった。
俺の前に来て《アールに御挨拶を》と言ってくれるのは、俺の魔力玉で魔力を増やし、俺の魔力が分かるのでお礼の挨拶に来てるんだよって教えられた。
森の大地の裂け目を何度か越えた頃に、挨拶に来た妖精族からエルフの長が会いたがっているので、里に寄ってもらえないかと懇願された。
お願いに応えてエルフの里に向かったが、里に着いたのは6日後で一週間も掛かると思わなかった。
妖精族は空を飛ぶので、距離感が違うのを忘れていた。
川沿いの開けた地に土魔法で杭を建て連ねて防壁にしている、建物も外観は土魔法でしっかりと固めて魔獣の侵入を許しても立て篭もれる様になっている。
門前で迎えてくれたのが村長で、肩の近くに一人の妖精族が居てフィーェに拳を胸に挨拶を交わしている。
「森の里にようこそお出で下されたお客人」
「始めましてアルバートです。何か私に御用の様ですが」
「この森の里の長をしているヨシュケと申す、アルバート殿良く参られた。我らの友人である妖精族に、大いなる力を与えて下さり感謝している」
「それは私も同様です。私の友人達と偏見無きお付き合いをして頂き、感謝しております」
「此処では客人には茶を振るまうのが習慣ですので、お付き合い願えますかな」
「はい、喜んで」
エルフの里に招き入れられ、村長の家で茶の接待を受ける。
「この地に住まう妖精族も、魔力の関係か中々子供が出来なかったんです。貴方の魔力玉で魔力量が増大し、事態は好転しました喜ばしい事です」
その日はヨシュケさんの家に泊まったが、ラノベの知識は片より過ぎだな。
住居の外観は土魔法で固めて魔獣や野獣の攻撃に耐えられる様にしている。
内装は木製で土魔法で固めた物は水回りと薪ストーブのみだった。
翌日朝食の後森の里を案内して貰った。
里は現在3.000人少々のエルフ族、ドワーフ族、猫人族と極少数の多種族が暮らしている様で、エルフ族が半数以上でドワーフ族と猫人族が半々と言ったところらしい。
自分で言うのも何だが、良くこんな森の中に集落を造って住んでますねと尋ねて見た。
「この里に住む大半の者は、魔獣や野獣から身を隠す術を知っていますからね。闘う必要は無い、生き延びる術を知っていれば良いのです」
「確かにそうだ、盲点ですね」
「貴方の様に膨大な魔力を有し、妖精達と共に暗闇の森を歩ける者は殆ど居ません。多分、貴方は一人でも自由に森を歩けますよ」
ゆっくりと歩く俺達の頭上で、俺と共にこの里を訪れた一族の子供達とこの里の子供達が大騒ぎしている。
こんなに大勢の妖精族の客人は滅多に来ないからだと、ヨシュケさんが笑っている。
里を一巡りしてみたが手狭な感じだ、ヨシュケさんに聞いてみると元はこれで十分だったが人が増えたのでちと狭苦しいなと苦笑い。
周囲は木が疎らで広げる余地が在るのではと問うと魔獣の妨柵を造るのが大変でなと呟く。
「ヨシュケさん、その妨柵を俺が造りましょうか。俺なら2、3日で造れますよ」
「それは有り難いがどうして」
「実は現在エルクハイムの街に住んでいますが、彼らを人族の目に晒す訳にはいきません。俺の家の一画を住居にし近くの森を利用して暮らしていますが不便なんです。妨柵は俺が造りますので、報酬としてこの地に家を建て自由に行き来出来る権利を下さい」
「里にとって何ら不都合の無い良い話しだが、皆と話し合わねばならんので2、3日待ってくれんか」
了解し俺の魔法を少し披露する事に、妨柵の一画に建つ監視櫓に上がりヨシュケさんの目の前で、高さ15m幅100m厚さ20cmの壁を造りあげる。
「あの壁の厚さは20cmですが丈夫な事は保障します。魔法攻撃の得意な者に壁を攻撃させてみて下さい」
呆気に取られていたヨシュケさんが、村役の者達に確認して来ると言ってあたふたと駆け出していった。
暫くすると里全体が騒がしくなり轟音が響き始めた。
その日の夕食が終わる頃に村長の家に三々五々集まる人達、森の里の世話役達だと紹介された。
昼にヨシュケさんに提案した事を再度話し、この地に住み着くつもりは無いが、俺と共に在る妖精族の別荘みたいな物だと思ってくれと話した。
「あれ程の物を造って、家一軒の報酬で満足かな」
「別に多額の報酬を必要としていない、俺達が森に来たときに自由に使える場所が欲しいだけだ。妖精族なら、この地とエルクハイムの街との行き来に差して時間も掛から無いだろう」
「我らにとってこれ程有り難い話しはない。有り難くお受けしたい」
一人がそう言うと皆一斉に頷いたので、明日ヨシュケさんと世話役全員で広げたい境界の選定に出向く事になった。
翌朝食後のお茶を飲んでいると全員集まったので、境界選定に出かける。
先ず川沿いにあるとはいえ、増水対策で100m以上離れている護岸を川辺まで広げる事にする。
護岸は即座に幅3m高さは水面上50cmで一気に造り途中舟の引き込み口も設置し内部に小さな港を造る予定。
次は境界の杭を設置して行くが、結構時間がかかり夕暮れになったので終わりにする。
明日は本格的な妨柵より頑丈な塀の設置の予定で、厚さは30m程度で高さ12mで良いかな。
周囲には堀を巡らし、川の水を一部迂回させれば完璧と一人でニヤつく。
木の枝先より30m以上離れていて、更に30mの堀を造れば猿獣やスネイク類の魔獣も易々とは侵入出来まい。
本格的な塀の建設は昨日と同じ川辺から始める。
先ず水辺の長さ数百mを階段状にする、水の増減に併せて水辺に行ける様にだ。
次いで舟の引き込み口と舟溜まりの港を造る。
此処までくれば後はひたすら厚さ30cm高さ12mの塀を造って行くだけだが、所々塀を支える支柱を付ける。
分かっていたとは言え、俺の魔力量に声も無く付き従うヨシュケさんと世話役の面々。
夕方には塀は完成し、後日門扉を新調する事になった。
門扉が完成すれば、古い妨柵を土に戻せば完璧だ。
* * * * * * * *
新しい門扉は大急ぎで作られて設置され、俺が古い妨柵を土に戻し終えたその夜、宴会が始まった。
凄い人出だ、3.000人少々と言っていたが、全ての村人が集まったのでは無いかと疑う。
料理と酒はそれぞれが持ち寄り、互いに差し出し交換して料理自慢酒自慢で始終和やかに時が過ぎる。
宴会から三日後、ヨシュケンさんに呼ばれて長老方と呼ばれる人達と会う事になった。
少し大きめの屋敷で彼等と会ったのだが、エルフにしては雰囲気が違う。
暫し顔を見詰められ一つ二つ頷くとやおら挨拶が始まった。
「ようこそお出でなされたアルバート殿、我らエルフの一員としてお迎えするのは光栄の至りじゃ」
「俺は人族だが」
「見た目はな、されど人に在らざるその膨大な魔力は、何とされたか御身はご存知か」
「ああ知っている。母親の曾祖母がエルフの一員だったと聞いている。そして生活魔法の発現から間もなく、土魔法を自然に使っているのを見て先祖帰りかも知れないと教えてくれた」
聞けば20日程奥地に住まう一族で、友人から魔力玉の話しを聞き魔力の増大と魔法の威力の嵩上げは、一族の安寧に繋がるとやってきたのだ。
エルクハイムを訪れたが俺やフィーィ達が居なかったので、暫く待っていたのだが諦めて帰る途中、俺が森に居ると聞きお願いに来たそうだ。
快く魔力玉を提供し、一人一回魔力の吸収をしてもらい魔力の増大と魔法の威力を確認してもらった。
奥地に居る仲間達にも先ず一人一回の魔力吸収をして、余れば複数回魔力を吸収すれば良い。
魔力の吸収が出来なくなれば、それが魔力増大の限界なので他の人に魔力玉の魔力を吸収させる様に言っておく。
足りなければ又来てくれればお渡ししますから、そう伝えて20個程の魔力玉を彼らに与えた。
一人が前に出て拳を胸に当てる。
《クリューナと、妖精族の名にかけて貴方の危機には参上します》
《妖精族の名にかけて》
口々に誓いの言葉を残し、彼等は奥地に帰って行った。
《アール!有り難う》
《どうしたフィーィ》
《アールのお陰で、仲間達が安心して暮らせる様になるのが嬉しい。フィーィの一族は常にアールと共にあるからね》
ウン?、フィーィの "一族は常に" アールと共に・・・
《フィーィ、聞きたい事がある。ひょっとしてエルクハイムの俺の家に居たのは、フィーィの一族全てか》
《そうだよ、(最初にフィーィと妖精族の名にかけてと誓った時、アールと共に在る)と願ったら一族の皆もアールと共にと願ったんだよ。だから今も一族全てが居るよ。留守番だけ残してるけどね》
どおりで、何時も沢山の妖精達が居る筈だ。
そこに魔力玉の礼を言いに来た妖精族の一団と遊びに来た集団が加わってたのか。
でもまぁ良いか、仲間が増えるのは悪い事ではないしな。
ぼちぼちエルクハイムに近づく進路を取りたいので、フィーィにお願いする。
時々念話の届く範囲で、接触する妖精族同士で情報交換している様で、挨拶に来る小集団がちらほらと居る。
《アールに御挨拶を》
拳を胸に当て一礼する。
俺も拳を胸に当て軽く一礼する。
フィーェに、挨拶されたら何も言わなくても良いから同じ動作をして敬意を示せば良しと教えてもらった。
俺の前に来て《アールに御挨拶を》と言ってくれるのは、俺の魔力玉で魔力を増やし、俺の魔力が分かるのでお礼の挨拶に来てるんだよって教えられた。
森の大地の裂け目を何度か越えた頃に、挨拶に来た妖精族からエルフの長が会いたがっているので、里に寄ってもらえないかと懇願された。
お願いに応えてエルフの里に向かったが、里に着いたのは6日後で一週間も掛かると思わなかった。
妖精族は空を飛ぶので、距離感が違うのを忘れていた。
川沿いの開けた地に土魔法で杭を建て連ねて防壁にしている、建物も外観は土魔法でしっかりと固めて魔獣の侵入を許しても立て篭もれる様になっている。
門前で迎えてくれたのが村長で、肩の近くに一人の妖精族が居てフィーェに拳を胸に挨拶を交わしている。
「森の里にようこそお出で下されたお客人」
「始めましてアルバートです。何か私に御用の様ですが」
「この森の里の長をしているヨシュケと申す、アルバート殿良く参られた。我らの友人である妖精族に、大いなる力を与えて下さり感謝している」
「それは私も同様です。私の友人達と偏見無きお付き合いをして頂き、感謝しております」
「此処では客人には茶を振るまうのが習慣ですので、お付き合い願えますかな」
「はい、喜んで」
エルフの里に招き入れられ、村長の家で茶の接待を受ける。
「この地に住まう妖精族も、魔力の関係か中々子供が出来なかったんです。貴方の魔力玉で魔力量が増大し、事態は好転しました喜ばしい事です」
その日はヨシュケさんの家に泊まったが、ラノベの知識は片より過ぎだな。
住居の外観は土魔法で固めて魔獣や野獣の攻撃に耐えられる様にしている。
内装は木製で土魔法で固めた物は水回りと薪ストーブのみだった。
翌日朝食の後森の里を案内して貰った。
里は現在3.000人少々のエルフ族、ドワーフ族、猫人族と極少数の多種族が暮らしている様で、エルフ族が半数以上でドワーフ族と猫人族が半々と言ったところらしい。
自分で言うのも何だが、良くこんな森の中に集落を造って住んでますねと尋ねて見た。
「この里に住む大半の者は、魔獣や野獣から身を隠す術を知っていますからね。闘う必要は無い、生き延びる術を知っていれば良いのです」
「確かにそうだ、盲点ですね」
「貴方の様に膨大な魔力を有し、妖精達と共に暗闇の森を歩ける者は殆ど居ません。多分、貴方は一人でも自由に森を歩けますよ」
ゆっくりと歩く俺達の頭上で、俺と共にこの里を訪れた一族の子供達とこの里の子供達が大騒ぎしている。
こんなに大勢の妖精族の客人は滅多に来ないからだと、ヨシュケさんが笑っている。
里を一巡りしてみたが手狭な感じだ、ヨシュケさんに聞いてみると元はこれで十分だったが人が増えたのでちと狭苦しいなと苦笑い。
周囲は木が疎らで広げる余地が在るのではと問うと魔獣の妨柵を造るのが大変でなと呟く。
「ヨシュケさん、その妨柵を俺が造りましょうか。俺なら2、3日で造れますよ」
「それは有り難いがどうして」
「実は現在エルクハイムの街に住んでいますが、彼らを人族の目に晒す訳にはいきません。俺の家の一画を住居にし近くの森を利用して暮らしていますが不便なんです。妨柵は俺が造りますので、報酬としてこの地に家を建て自由に行き来出来る権利を下さい」
「里にとって何ら不都合の無い良い話しだが、皆と話し合わねばならんので2、3日待ってくれんか」
了解し俺の魔法を少し披露する事に、妨柵の一画に建つ監視櫓に上がりヨシュケさんの目の前で、高さ15m幅100m厚さ20cmの壁を造りあげる。
「あの壁の厚さは20cmですが丈夫な事は保障します。魔法攻撃の得意な者に壁を攻撃させてみて下さい」
呆気に取られていたヨシュケさんが、村役の者達に確認して来ると言ってあたふたと駆け出していった。
暫くすると里全体が騒がしくなり轟音が響き始めた。
その日の夕食が終わる頃に村長の家に三々五々集まる人達、森の里の世話役達だと紹介された。
昼にヨシュケさんに提案した事を再度話し、この地に住み着くつもりは無いが、俺と共に在る妖精族の別荘みたいな物だと思ってくれと話した。
「あれ程の物を造って、家一軒の報酬で満足かな」
「別に多額の報酬を必要としていない、俺達が森に来たときに自由に使える場所が欲しいだけだ。妖精族なら、この地とエルクハイムの街との行き来に差して時間も掛から無いだろう」
「我らにとってこれ程有り難い話しはない。有り難くお受けしたい」
一人がそう言うと皆一斉に頷いたので、明日ヨシュケさんと世話役全員で広げたい境界の選定に出向く事になった。
翌朝食後のお茶を飲んでいると全員集まったので、境界選定に出かける。
先ず川沿いにあるとはいえ、増水対策で100m以上離れている護岸を川辺まで広げる事にする。
護岸は即座に幅3m高さは水面上50cmで一気に造り途中舟の引き込み口も設置し内部に小さな港を造る予定。
次は境界の杭を設置して行くが、結構時間がかかり夕暮れになったので終わりにする。
明日は本格的な妨柵より頑丈な塀の設置の予定で、厚さは30m程度で高さ12mで良いかな。
周囲には堀を巡らし、川の水を一部迂回させれば完璧と一人でニヤつく。
木の枝先より30m以上離れていて、更に30mの堀を造れば猿獣やスネイク類の魔獣も易々とは侵入出来まい。
本格的な塀の建設は昨日と同じ川辺から始める。
先ず水辺の長さ数百mを階段状にする、水の増減に併せて水辺に行ける様にだ。
次いで舟の引き込み口と舟溜まりの港を造る。
此処までくれば後はひたすら厚さ30cm高さ12mの塀を造って行くだけだが、所々塀を支える支柱を付ける。
分かっていたとは言え、俺の魔力量に声も無く付き従うヨシュケさんと世話役の面々。
夕方には塀は完成し、後日門扉を新調する事になった。
門扉が完成すれば、古い妨柵を土に戻せば完璧だ。
* * * * * * * *
新しい門扉は大急ぎで作られて設置され、俺が古い妨柵を土に戻し終えたその夜、宴会が始まった。
凄い人出だ、3.000人少々と言っていたが、全ての村人が集まったのでは無いかと疑う。
料理と酒はそれぞれが持ち寄り、互いに差し出し交換して料理自慢酒自慢で始終和やかに時が過ぎる。
宴会から三日後、ヨシュケンさんに呼ばれて長老方と呼ばれる人達と会う事になった。
少し大きめの屋敷で彼等と会ったのだが、エルフにしては雰囲気が違う。
暫し顔を見詰められ一つ二つ頷くとやおら挨拶が始まった。
「ようこそお出でなされたアルバート殿、我らエルフの一員としてお迎えするのは光栄の至りじゃ」
「俺は人族だが」
「見た目はな、されど人に在らざるその膨大な魔力は、何とされたか御身はご存知か」
「ああ知っている。母親の曾祖母がエルフの一員だったと聞いている。そして生活魔法の発現から間もなく、土魔法を自然に使っているのを見て先祖帰りかも知れないと教えてくれた」
693
お気に入りに追加
1,190
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる