74 / 75
074 処分
しおりを挟む
一晩岩山の宿舎に泊まり、交代した者達をゾルクの森に帰す為に引き返す。
ブラックウルフの群れに出会った時は、皆を怪我無く無事に連れ帰れるのか少しヒヤッとしたが、氷のドームが良い働きをした。
自分で使う事が殆ど無かったし、一人用なら小さな物で事足りるが、20人以上の人員を収容するには僅かだが時間が掛かる。
十数頭のブラックウルフの討伐が終わった時には、少し魔力が心配になり隠れてハイゴブリンの心臓を口に放り込む羽目になった。
防壁と違い、氷のドームは大きくなると使用する魔力も多いから、気を付けなければ命取りになる。
無事に谷の上に送り届け、翌日からは森を一周して獣の間引きをする事にしたが、コルツにエイフ,カロカ,ブルム達が連れて行ってくれと言い出した。
最近碌に薬草採取が出来なかったので、俺が討伐している間に薬草採取させてくれと頼まれ、8人で谷底の森を徘徊する。
以前森を彷徨いた時より野獣や魔獣に出会す頻度が遙かに高いので結構忙しい。
その合間にコルツ達四人はせっせと薬草集めに余念が無い、野獣や魔獣が出ても興味も示さず俺に任せている。
二週間ほどして帰る為に、ゾルクの森への登り口に行くと、高ランク冒険者達と出会ったが黙って道を開け会釈してくる。
〈奴等も、ハルトの強さを認めた様だね〉
〈一度でもドラゴン討伐を見たら、ハルトとは格が違うと認めるさ〉
〈けど・・・奴等何処に行くつもりなんだ〉
〈以前と雰囲気が違っていたよな〉
〈ああ、目付きが変わっていたな〉
カロカとブルムがそう言うと、エイフとコルツも同意する。
崖の階段を上り、ベースキャンプで一息入れ下に降りた冒険者達の事を兵士に尋ねた。
兵士達が言うには、交代要員を連れて帰ってから彼等は人が変わったように訓練を始めたそうだ。
それも連携を取る訓練、パーティーとして各自の役目を果たし、魔法使いに万全の体制で魔法を射たせる練習が中心だったそうだ。
少し遅いけど、プライドを捨てて闘う気になったのは良いことだ。
そのプライドを捨てられず喚いている奴が一人居るが、治療してやる義理は無いので無視して帰る準備に取りかかる。
馬車の引き取りと、谷底の森管理者としてのフェリザイ伯爵に用がある。
ゾルクの森入り口のベースキャンプで馬車を出して貰い、グリムの街に向かいフェリザイ伯爵の館に直行する。
「お帰りなさい、ご無事で何よりです」
「谷底の森について頼みがある。王家の直轄領になる前に統治していたボストーク伯爵が、谷底の森で狩りをしていた冒険者達を、金鉱床の秘密を守る為に出入りを禁止した。それが王家の直轄領になってからも続き、その為に野獣や魔獣が増えた一因になっている。薬草採取の者達が彼等を戻すように訴えたが、代官の耳には届かなかった。と言うよりゾルクの森入り口に在る、ベースキャンプ責任者のところで握りつぶされている」
「その薬草採取の冒険者達から話を聞き、対処致します」
コルツ達四人を、フェリザイ伯爵に引き合わせ詳しく伝えさせた。
谷底の森に下りる許可を受けた者が認めた者、見習いやパーティーの一員にも許可を与えると約束してくれたので、彼等とは此処でお別れだ。
一晩フェリザイ邸に宿泊し旅立つとき、父の後始末で殆ど財産を処分してお礼も出来ないが、何れ改めてお礼をさせて下さいと言われて家族総出の見送りを受けた。
〈親爺とは大違いの息子だねぇ〉ミューラの感想に苦笑いがでる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王都に帰り、王城に直行してブルーゼン宰相に面会を求めると、侍従に案内され宰相専用の応接室に案内された。。
「ハルト殿、依頼完了報告は受けている。掘り出された金塊も無事王都に届けられ採掘も始まったようだ」
招き入れられた応接室で、ブルーゼン宰相の言葉を聞き、頷いてメモ用紙を渡す。
メモ用紙には、負傷者の治療×12名と討伐した野獣魔獣の名前と数がずらりと記されている。
グレイウルフ×19
ビッグエルク×4
ビッグフォックス×3
アーマーボア×5
フォレストキャット×2
ビッグボア×6
ブラックベア×4
ブラウンベア×7
ブラックウルフ×27
ゴールデンベア×3
ホワイトブーツ×1
ホーンボア×3
オーク×11
ゴールデンゴート×2
ホワイトゴート×5
ブラックキャット×1
シルバータイガー×1
ドラゴン×1
一覧を見たブルーゼン宰相が唸り声を上げる。
討伐数は、ドラゴンを含め105頭になるので、一頭金貨20枚×105=金貨2,100枚。
治療費が金貨1,200枚+依頼料金貨1,000枚で、合計金貨4,300枚となる。
唸りたくなるのも判るが、此れでも小さい獲物は放置して手控えた方だからな。
一覧を見ながら何かブツブツ言っているが、知らぬ顔を決め込む。
待っていてくれと言って、ブルーゼン宰相が姿を消す。
〈宰相閣下と直談判かよ〉
〈俺、こんな所初めてだよ・・・無事に帰れるんだろうな〉
ミューザがクスクス笑っている。
〈何だよー、ミューザ〉
〈俺達六人は国王陛下の顔も間近で見たぜ、ドラゴンを目の前に出したときの驚く顔も見たし〉
〈それじゃー、ハルトは公爵様になったんだから、しょっちゅう会っているのか?〉
「いや、ミューザと変わらんよ」
〈でも、公爵様になる時とか儀式があるんだろう〉
「そんな面倒な事はしてないよ。古着屋の三男坊の穀潰し、冒険者で流民だぞ。国王相手でも跪く気はないしな」
・・・・・・
「陛下、ハルト殿が討伐した野獣と魔獣の一覧をご覧下さい」
ドブルク国王は、差し出されたメモを一読し驚嘆する。
「一人で、此れだけの数を討伐したと申すか。然もドラゴンまで討伐しているではないか」
「其れも、僅か20日程度の間にです。ご覧頂いた一覧の中に、希少種が含まれています。ゴールデンゴート,ホワイトゴート,ブラックキャット,ホワイトブーツの四種です。谷底の森に住む獣は大きいと聞いておりますので、検分して見事であれば買い入れたいと思いますが」
ブルーゼン宰相を待っていると、侍従がやって、来て陛下が魔物を検分為されるので着いて参れと横柄に命じる。
連れて行かれる先を、ドラゴンを検分した場所じゃねえかと、ミューザが小声で教えてくれた。
成る程、広く長い石畳の通路に佇む男二人と、背後に煌びやかな近衛騎士達が居並ぶ場所だ。
陛下、連れて参りましたと頭を下げた侍従が振り返り〈陛下の御前で在る、跪け!〉と叱責してくる。
慌てて跪くミューザ達だが、俺は無視して軽く一礼して声を掛ける。
「獲物の検分は、討伐依頼の中に含まれていませんがどうしてです」
国王の後ろに控える、近衛騎士達の気配が変わり、叱責した侍従が口をパクパクさせている。
「済まないハルト殿、メモの中に希少種の名が幾つか在ったので、見せて貰いたい」
「獲物は全て私の物との約束です。王国にはなんの権利は無いはずですが」
「其れを破るつもりはないが、希少種を高値で買い取りたいので、曲げてお願いする」
「此処でですか? ドラゴン以外でも104頭もいますし、適当に放り込んでいるので出すのが大変なんですが」
「其処を曲げて頼みたい。優れた個体であれば高値で買い上げたいと思っている」
相談するから待ってくれと言い、跪くミューザ達を立たせて指名の物を取り出せるか聞いてみた。
〈無理!〉の一言で否定された。
「ブルーゼン宰相、マジックポーチの中を全て出さなければ、何処にご希望の物が有るのか分からないそうですが」
「良い、此処に並べてくれ」
国王の一言で、石畳に獲物を並べていき、希望の物に目印を置く事になった。
ガチガチのハインツが、石畳の上にマジックポーチから次々と獲物を獲りだし並べて行く。
世間で知られる野獣や魔獣より、一回りも二回りも大きな個体が次々と出てくるので、護衛の近衛騎士達から響めきがおきる。
「何と、ブラックウルフですら飾られている物より大きいではないか。見よ! あのエルクを、あれ程の巨体がいるのか」
「陛下、噂より遙かに大きいですな」
じっくり検分して目印代わりに近衛騎士を獲物の前に立たせている。
空のマジックポーチを持って手持ち無沙汰の二人に印の無い物を仕舞うように指示する。
結局8種9頭を選び出し、其れ其れの値段交渉をブルーゼン宰相とし、金貨1,130枚で話がついた。
ブラックウルフ・2頭、金貨150枚
ゴールデンベア・1頭、金貨100枚
ゴールデンゴート・1頭、金貨120枚
ホワイトゴート・1頭、金貨100枚
ビッグフォックス・1頭、金貨130枚
ブラックキャット・1頭、金貨200枚
シルバータイガー・1頭、金貨180枚
ホワイトブーツ・1頭、金貨200枚
世間相場より高いのは間違いないが、此れをオークションに出したら幾らになるかと問われても、判らないってのが本音。
結果金貨4,300枚+1,130枚=5,430枚を俺の商業ギルドの俺の口座に振り込んで貰う事にして王城を後にした。
〈いやー、話が大きすぎてついて行けんわ〉
〈王様って、格好いいよなぁ〉
〈ハルトが金を持っているのも頷けるね〉
〈ブラックウルフ1頭で金貨75枚だぞ〉
〈いやいや、俺達が相手にするブラックウルフより、遙かに大きい奴だからあの値段だろう〉
〈此れで、ドラゴンも持っているんだよな〉
〈ドラゴンは、いったい幾らになるんだろうな〉
表に出す獲物とは別に、ハイゴブリン7頭とオーク2頭は、心臓を取る為に別保管して表には出さない。
ミューザ達三人が不思議そうにしていたが、ちょっと考えがあるからと誤魔化し、俺のマジックポーチに入れてある。
谷底の森に住まう、ハイゴブリンの心臓は効きそうだし、オークも強烈そうな予感がする。
ブラックウルフの群れに出会った時は、皆を怪我無く無事に連れ帰れるのか少しヒヤッとしたが、氷のドームが良い働きをした。
自分で使う事が殆ど無かったし、一人用なら小さな物で事足りるが、20人以上の人員を収容するには僅かだが時間が掛かる。
十数頭のブラックウルフの討伐が終わった時には、少し魔力が心配になり隠れてハイゴブリンの心臓を口に放り込む羽目になった。
防壁と違い、氷のドームは大きくなると使用する魔力も多いから、気を付けなければ命取りになる。
無事に谷の上に送り届け、翌日からは森を一周して獣の間引きをする事にしたが、コルツにエイフ,カロカ,ブルム達が連れて行ってくれと言い出した。
最近碌に薬草採取が出来なかったので、俺が討伐している間に薬草採取させてくれと頼まれ、8人で谷底の森を徘徊する。
以前森を彷徨いた時より野獣や魔獣に出会す頻度が遙かに高いので結構忙しい。
その合間にコルツ達四人はせっせと薬草集めに余念が無い、野獣や魔獣が出ても興味も示さず俺に任せている。
二週間ほどして帰る為に、ゾルクの森への登り口に行くと、高ランク冒険者達と出会ったが黙って道を開け会釈してくる。
〈奴等も、ハルトの強さを認めた様だね〉
〈一度でもドラゴン討伐を見たら、ハルトとは格が違うと認めるさ〉
〈けど・・・奴等何処に行くつもりなんだ〉
〈以前と雰囲気が違っていたよな〉
〈ああ、目付きが変わっていたな〉
カロカとブルムがそう言うと、エイフとコルツも同意する。
崖の階段を上り、ベースキャンプで一息入れ下に降りた冒険者達の事を兵士に尋ねた。
兵士達が言うには、交代要員を連れて帰ってから彼等は人が変わったように訓練を始めたそうだ。
それも連携を取る訓練、パーティーとして各自の役目を果たし、魔法使いに万全の体制で魔法を射たせる練習が中心だったそうだ。
少し遅いけど、プライドを捨てて闘う気になったのは良いことだ。
そのプライドを捨てられず喚いている奴が一人居るが、治療してやる義理は無いので無視して帰る準備に取りかかる。
馬車の引き取りと、谷底の森管理者としてのフェリザイ伯爵に用がある。
ゾルクの森入り口のベースキャンプで馬車を出して貰い、グリムの街に向かいフェリザイ伯爵の館に直行する。
「お帰りなさい、ご無事で何よりです」
「谷底の森について頼みがある。王家の直轄領になる前に統治していたボストーク伯爵が、谷底の森で狩りをしていた冒険者達を、金鉱床の秘密を守る為に出入りを禁止した。それが王家の直轄領になってからも続き、その為に野獣や魔獣が増えた一因になっている。薬草採取の者達が彼等を戻すように訴えたが、代官の耳には届かなかった。と言うよりゾルクの森入り口に在る、ベースキャンプ責任者のところで握りつぶされている」
「その薬草採取の冒険者達から話を聞き、対処致します」
コルツ達四人を、フェリザイ伯爵に引き合わせ詳しく伝えさせた。
谷底の森に下りる許可を受けた者が認めた者、見習いやパーティーの一員にも許可を与えると約束してくれたので、彼等とは此処でお別れだ。
一晩フェリザイ邸に宿泊し旅立つとき、父の後始末で殆ど財産を処分してお礼も出来ないが、何れ改めてお礼をさせて下さいと言われて家族総出の見送りを受けた。
〈親爺とは大違いの息子だねぇ〉ミューラの感想に苦笑いがでる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
王都に帰り、王城に直行してブルーゼン宰相に面会を求めると、侍従に案内され宰相専用の応接室に案内された。。
「ハルト殿、依頼完了報告は受けている。掘り出された金塊も無事王都に届けられ採掘も始まったようだ」
招き入れられた応接室で、ブルーゼン宰相の言葉を聞き、頷いてメモ用紙を渡す。
メモ用紙には、負傷者の治療×12名と討伐した野獣魔獣の名前と数がずらりと記されている。
グレイウルフ×19
ビッグエルク×4
ビッグフォックス×3
アーマーボア×5
フォレストキャット×2
ビッグボア×6
ブラックベア×4
ブラウンベア×7
ブラックウルフ×27
ゴールデンベア×3
ホワイトブーツ×1
ホーンボア×3
オーク×11
ゴールデンゴート×2
ホワイトゴート×5
ブラックキャット×1
シルバータイガー×1
ドラゴン×1
一覧を見たブルーゼン宰相が唸り声を上げる。
討伐数は、ドラゴンを含め105頭になるので、一頭金貨20枚×105=金貨2,100枚。
治療費が金貨1,200枚+依頼料金貨1,000枚で、合計金貨4,300枚となる。
唸りたくなるのも判るが、此れでも小さい獲物は放置して手控えた方だからな。
一覧を見ながら何かブツブツ言っているが、知らぬ顔を決め込む。
待っていてくれと言って、ブルーゼン宰相が姿を消す。
〈宰相閣下と直談判かよ〉
〈俺、こんな所初めてだよ・・・無事に帰れるんだろうな〉
ミューザがクスクス笑っている。
〈何だよー、ミューザ〉
〈俺達六人は国王陛下の顔も間近で見たぜ、ドラゴンを目の前に出したときの驚く顔も見たし〉
〈それじゃー、ハルトは公爵様になったんだから、しょっちゅう会っているのか?〉
「いや、ミューザと変わらんよ」
〈でも、公爵様になる時とか儀式があるんだろう〉
「そんな面倒な事はしてないよ。古着屋の三男坊の穀潰し、冒険者で流民だぞ。国王相手でも跪く気はないしな」
・・・・・・
「陛下、ハルト殿が討伐した野獣と魔獣の一覧をご覧下さい」
ドブルク国王は、差し出されたメモを一読し驚嘆する。
「一人で、此れだけの数を討伐したと申すか。然もドラゴンまで討伐しているではないか」
「其れも、僅か20日程度の間にです。ご覧頂いた一覧の中に、希少種が含まれています。ゴールデンゴート,ホワイトゴート,ブラックキャット,ホワイトブーツの四種です。谷底の森に住む獣は大きいと聞いておりますので、検分して見事であれば買い入れたいと思いますが」
ブルーゼン宰相を待っていると、侍従がやって、来て陛下が魔物を検分為されるので着いて参れと横柄に命じる。
連れて行かれる先を、ドラゴンを検分した場所じゃねえかと、ミューザが小声で教えてくれた。
成る程、広く長い石畳の通路に佇む男二人と、背後に煌びやかな近衛騎士達が居並ぶ場所だ。
陛下、連れて参りましたと頭を下げた侍従が振り返り〈陛下の御前で在る、跪け!〉と叱責してくる。
慌てて跪くミューザ達だが、俺は無視して軽く一礼して声を掛ける。
「獲物の検分は、討伐依頼の中に含まれていませんがどうしてです」
国王の後ろに控える、近衛騎士達の気配が変わり、叱責した侍従が口をパクパクさせている。
「済まないハルト殿、メモの中に希少種の名が幾つか在ったので、見せて貰いたい」
「獲物は全て私の物との約束です。王国にはなんの権利は無いはずですが」
「其れを破るつもりはないが、希少種を高値で買い取りたいので、曲げてお願いする」
「此処でですか? ドラゴン以外でも104頭もいますし、適当に放り込んでいるので出すのが大変なんですが」
「其処を曲げて頼みたい。優れた個体であれば高値で買い上げたいと思っている」
相談するから待ってくれと言い、跪くミューザ達を立たせて指名の物を取り出せるか聞いてみた。
〈無理!〉の一言で否定された。
「ブルーゼン宰相、マジックポーチの中を全て出さなければ、何処にご希望の物が有るのか分からないそうですが」
「良い、此処に並べてくれ」
国王の一言で、石畳に獲物を並べていき、希望の物に目印を置く事になった。
ガチガチのハインツが、石畳の上にマジックポーチから次々と獲物を獲りだし並べて行く。
世間で知られる野獣や魔獣より、一回りも二回りも大きな個体が次々と出てくるので、護衛の近衛騎士達から響めきがおきる。
「何と、ブラックウルフですら飾られている物より大きいではないか。見よ! あのエルクを、あれ程の巨体がいるのか」
「陛下、噂より遙かに大きいですな」
じっくり検分して目印代わりに近衛騎士を獲物の前に立たせている。
空のマジックポーチを持って手持ち無沙汰の二人に印の無い物を仕舞うように指示する。
結局8種9頭を選び出し、其れ其れの値段交渉をブルーゼン宰相とし、金貨1,130枚で話がついた。
ブラックウルフ・2頭、金貨150枚
ゴールデンベア・1頭、金貨100枚
ゴールデンゴート・1頭、金貨120枚
ホワイトゴート・1頭、金貨100枚
ビッグフォックス・1頭、金貨130枚
ブラックキャット・1頭、金貨200枚
シルバータイガー・1頭、金貨180枚
ホワイトブーツ・1頭、金貨200枚
世間相場より高いのは間違いないが、此れをオークションに出したら幾らになるかと問われても、判らないってのが本音。
結果金貨4,300枚+1,130枚=5,430枚を俺の商業ギルドの俺の口座に振り込んで貰う事にして王城を後にした。
〈いやー、話が大きすぎてついて行けんわ〉
〈王様って、格好いいよなぁ〉
〈ハルトが金を持っているのも頷けるね〉
〈ブラックウルフ1頭で金貨75枚だぞ〉
〈いやいや、俺達が相手にするブラックウルフより、遙かに大きい奴だからあの値段だろう〉
〈此れで、ドラゴンも持っているんだよな〉
〈ドラゴンは、いったい幾らになるんだろうな〉
表に出す獲物とは別に、ハイゴブリン7頭とオーク2頭は、心臓を取る為に別保管して表には出さない。
ミューザ達三人が不思議そうにしていたが、ちょっと考えがあるからと誤魔化し、俺のマジックポーチに入れてある。
谷底の森に住まう、ハイゴブリンの心臓は効きそうだし、オークも強烈そうな予感がする。
98
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」


凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる