49 / 75
049 本領発揮
しおりを挟む
俺と初対面の数人が、心配気にヤハン達を見ているが〈まぁ見てろ〉と言って笑っている。
俺は知らぬ顔でエールのお代わりを注文しに立ち、エールと摘まみを受け取りテーブルに戻ると、俺の席に森の熊さんみたいな男が座り笑っている。
残念なのは森の熊さんほど愛嬌が無い顔で、目付きが悪いってことだ。
楽しく旧交を温めて居るのに外野が煩くてイラッとしたので、何も言わず殺気をその男に浴びせてやる。
絵に描いた様な動作で後ろに仰け反り、〈ガタン〉とそのまま倒れてしまった。
殺気を浴びせたまま、顎をしゃくてって其処を退けとしめす。
顔色を変えハイハイして後ろに下がる男に〈椅子を元に戻せ〉と声を掛けると、仲間達が一斉に立ち上がる。
〈おっ、ゴブリンキラーに喧嘩を売ってるぞ〉
〈何だと、帰っていたのか〉
〈ゴブリンキラーを知らない流れ者だろう〉
エールと摘まみをテーブルに置くとき、ヤハンと目が合うが笑って手には革袋が握られている。
見回すとヤハンとハインツの仲間達は期待の籠もった目で俺を見ている。
此奴等楽しんでいやがるが、期待に応える気はないぞ。
〈なかなか洒落た真似をするじゃねえか〉
〈ゴールデンベアと俺達〔ベアハンター〕とどちらが強いか確かめようぜ〉
立ち上がった奴等にも殺気を浴びせていく。
〈おい、ベアハンターが立ち上がったぜ!〉
〈これでベアハンターは引けなくなったな〉
〈可哀想に、熊ちゃん鏖かぁ〉
〈熊ちゃんより強いゴブリンキラーって、何の冗談だよ〉
〈ベアハンター、負けるんじゃねえぞ!〉
「どうした熊ちゃん達、喧嘩を売ったのはお前達だぞ。此処で引いたら笑い者でヘイエルで大きな顔は出来なくなるぞ」
俺の殺気を浴びて硬直したり青い顔で震えている奴等を見回しているとヤジが飛ぶ。。
〈どうした! ビビるな熊ちゃん。相手はゴブリン一匹だぞ!〉
遠くからのヤジに、周囲からどっと笑いが起きる。
「消えろ、二度とこの街ででかい面を晒すな」
静かに言ってやると、俺の椅子に座っていた奴が慌てて食堂から出て行った。
立ち尽くす奴等にギルマスを呼べと言うと、一人が背を向けたとたん残りの者も慌てて後に続く。
谷底の森で何度もドラゴンや他の大型獣の咆哮を浴びているうちに、耐性と殺気で相手の動きを封じるコツが判った気がする。
人を相手に初めて試したがなかなか有効、面倒な模擬戦を減らせる良い方法だ。
〈ゴブリン相手に熊公が逃げ出したぞ〉
〈ゴブリンキラーに喧嘩を売る強者だと期待したのに〉
〈賭け率なら1対10で大儲けだと思ったのにな〉
〈そりゃー無理だ、知らない馬鹿以外はゴブリンキラーに賭けるぞ〉
「残念、儲け損ねたよ。未だハルトの事を知っている奴は多いもんなぁ」
「で、ヤハン達は稼いでいるのか」
「まぁ訓練の成果もあるし、ブラックウルフの群れくらいなら何とかなる様になったよ」
ちょっとしたイベントの翌日、一月分の食料を確保してゴブリンが増えていると報告のあったベイル村に向かった。
・・・・・・
ヘイエルから徒歩で二日のベイル村、村長の家を訪ねゴブリンの活動状況を確認する。
「あんた一人で来たのかね」
俺をジロジロ見ながら聞いて来る猫目の村長、ずる賢い表情が隠せていない。
「まあ、ゴブリン程度なら一人で十分だしな」
「そう言ってアイアンやブロンズの連中は言うが、大怪我をしたり帰って来ない事は良くあるからな」
「討伐依頼も出してないんだろう。俺が死んでもなんの損もないのに説明すら嫌なら帰るぞ」
面倒そうに村の入り口で見張っていた男を呼び、ゴブリンの事を説明しろといって奥に引っ込んでしまった。
「やる気の無い村長だな」
「まあ、あれでも一応村長に任命されていますから。それよりここ最近やたらとゴブリンを目にするんです、気を付けて下さいよ」
ゴブリンは村に来る道の反対側、村の背後の森に沢山住み着き始めていると教えてくれた。
ゴブリンが多いなら、奴等の住まう森の奥にはハイゴブリンが居る可能性が高い。
見張りの男に案内して貰い、ゴブリンが多く見られる場所を目指した。
男と別れ畑の向こうに見える森を目指す、初めてゴブリン討伐に参加したエミナ村を思わせる風景だ。
初日は様子見のつもりだったが三つの群れ、15頭のゴブリンを討伐した。
翌日からは平均六つの群れを討伐し、一日平均33~37頭の討伐が続き心臓の収集は50個で打ち止め。
後はひたすら討伐と魔石集めに没頭した、と言っても脳味噌を凍らせて魔石を取り出すだけの簡単なお仕事。
単調なお仕事の合間には、ゴブリンの死骸を喰いにやって来るブラックウルフやプレイリーウルフ等を、気分転換にアイスアローやアイスランスで射ち取りマジックポーチに入れる。
余りに数が多いのでゴブリン討伐に10日以上費やしてしまい、ハイゴブリンの心臓集めが遅れたが、40近い数が集まったので満足してヘイエルに帰る事にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
家が完成しているのか気になるが、取り敢えずマジックポーチの中の物を処分する為に冒険者ギルドに向かう。
「ハルト、お帰りー。何処まで行ってたの」
後ろからヤハンに声を掛けられた。
「ベイル村だ、ゴブリンが増えているって聞いてな」
「へえー、未だゴブリン狩りをしてるんだ。戦果はどうよ」
「まっ、満足のいく結果になったな」
「ゴブリンキラーの本領発揮か、ハルトが満足いくって言うのなら相当居たんだな」
「ああ、ヤハン達だって、増えている所に行けば稼げるぞ。ゴブリンだって馬鹿に出来ないからな」
ギルドに到着し買い取りの親爺に、解体場で出したいと告げると頷くので中に入る。
ヤハン達も俺がゴブリンの魔石だけで無いのを知っているので、何を取り出すのか興味津々でゾロゾロついてくる。
今日はどれくらいだと聞かれるが、沢山としか言いようがない。
ブラックウルフ、15頭
プレイリーウルフ、19頭
オーク、7頭
ハイオーク、4頭
エルク、2頭
ビッグボア、1頭
ホーンボア、1頭
ホーンラビット、42頭
ヘッジホッグ、19頭
興味津々で見ていたヤハン達真紅の剣のメンバーも〈エッ〉〈エッエエエ〉〈ウッソー〉等段々声が変化していって面白い。
「相変わらず大量に持ち込む奴だな。時間が掛かるからエールでも飲んでろ」
そう言われて解体場を後に買い取りの親爺の前に立つ、ゴブリンの魔石の袋とハイゴブリンの魔石をドンと置き〈宜しく〉と声を掛けて食堂に向かう。
後ろをヤハン達が黙ってついてくる。
「あの魔石の量からいったら300以上は討伐しているな」
「まぁな、一日30頭以上は確実に仕留めていたからな。其れが二週間以上続いたから、多分400くらいは有る筈だ。それとハイゴブリンが40頭くらいかな」
〈ゴブリンだけで800000ダーラは有るぞ〉
〈ハイゴブリンが40頭で480000ダーラ・・・〉
〈リーダー、俺達もベイル村に行こうぜ〉
「間違えるなよ、一月近く掛かっての討伐数だからな。ゴブリン狩りをするなら、増えているって情報を仕入れてから行くべきだな。多分直ぐに知れ渡って、皆がベイル村に殺到するぞ」
「だよなー、遠征して稼げる保証がないからなぁ」
受け取った査定用紙には
ブラックウルフ、15頭×7500=112,500ダーラ
プレイリーウルフ、19頭×5000=95,000ダーラ
オーク、7頭×18,000=126,000ダーラ
ハイオーク、4頭×28,000=112,000ダーラ
エルク、2頭×26,000=52,000ダーラ
ビッグボア、1頭、32,000ダーラ
ホーンボア、1頭、14,500ダーラ
ホーンラビット、42頭×3,000=126,000ダーラ
ヘッジホッグ、19頭×7,000=133,000ダーラ
合計 803,000ダーラ
ゴブリン魔石、429個×2,000=858,000ダーラ
ハイゴブリン魔石、38個×12,000=456,000ダーラ
合計 1,314,000ダーラ+803,000ダーラ=総合計 2,117,000ダーラ
ゴブリンの魔石の数が多すぎて数えるのが大変だから、もっと早く持って来いと怒られた。
査定用紙をカウンターに持って行き、全額ギルドに預けると告げる。
ヤハン達は俺の稼ぎを見て落ち込んでいたので、俺の驕りで飲み放題にして慰める事になり、ハインツ達も合流して宴会になってしまった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
二日酔い気味で目覚めた朝、月夜の亭で遅い朝食を食べているとブルースがやってきた。
家は完成しているが、俺が帰らないので引き渡しが出来ずに困っているぞと言われた。
慌てて商業ギルドに出向き受け取りの手続きを済ませると共に、ブルースに2階の部屋を売るからと手続きをして貰う。
俺は左の部屋ブルースは右の部屋に決め、残りの部屋は金貨120枚で売る事を商業ギルドに伝える。
手続きを済ませたら家具の購入だ、商業ギルドで聞いた家具屋に向かう。
ダイニングテーブルにソファーと布団、後は食器や調理器具を買ってお終い。
部屋に置きっぱなしにする物だから、気軽に買って帰ろうとするとブルースが呆れている。
まあ、男の独り身と、母親とは言え二人暮らしでは必要な物も数も違うからな。
後はカーテンだけだが、これは寸法を測って注文するしかない。
初めてのマイホームだし、のんびりしながら魔力増強に励む事にした。
俺は知らぬ顔でエールのお代わりを注文しに立ち、エールと摘まみを受け取りテーブルに戻ると、俺の席に森の熊さんみたいな男が座り笑っている。
残念なのは森の熊さんほど愛嬌が無い顔で、目付きが悪いってことだ。
楽しく旧交を温めて居るのに外野が煩くてイラッとしたので、何も言わず殺気をその男に浴びせてやる。
絵に描いた様な動作で後ろに仰け反り、〈ガタン〉とそのまま倒れてしまった。
殺気を浴びせたまま、顎をしゃくてって其処を退けとしめす。
顔色を変えハイハイして後ろに下がる男に〈椅子を元に戻せ〉と声を掛けると、仲間達が一斉に立ち上がる。
〈おっ、ゴブリンキラーに喧嘩を売ってるぞ〉
〈何だと、帰っていたのか〉
〈ゴブリンキラーを知らない流れ者だろう〉
エールと摘まみをテーブルに置くとき、ヤハンと目が合うが笑って手には革袋が握られている。
見回すとヤハンとハインツの仲間達は期待の籠もった目で俺を見ている。
此奴等楽しんでいやがるが、期待に応える気はないぞ。
〈なかなか洒落た真似をするじゃねえか〉
〈ゴールデンベアと俺達〔ベアハンター〕とどちらが強いか確かめようぜ〉
立ち上がった奴等にも殺気を浴びせていく。
〈おい、ベアハンターが立ち上がったぜ!〉
〈これでベアハンターは引けなくなったな〉
〈可哀想に、熊ちゃん鏖かぁ〉
〈熊ちゃんより強いゴブリンキラーって、何の冗談だよ〉
〈ベアハンター、負けるんじゃねえぞ!〉
「どうした熊ちゃん達、喧嘩を売ったのはお前達だぞ。此処で引いたら笑い者でヘイエルで大きな顔は出来なくなるぞ」
俺の殺気を浴びて硬直したり青い顔で震えている奴等を見回しているとヤジが飛ぶ。。
〈どうした! ビビるな熊ちゃん。相手はゴブリン一匹だぞ!〉
遠くからのヤジに、周囲からどっと笑いが起きる。
「消えろ、二度とこの街ででかい面を晒すな」
静かに言ってやると、俺の椅子に座っていた奴が慌てて食堂から出て行った。
立ち尽くす奴等にギルマスを呼べと言うと、一人が背を向けたとたん残りの者も慌てて後に続く。
谷底の森で何度もドラゴンや他の大型獣の咆哮を浴びているうちに、耐性と殺気で相手の動きを封じるコツが判った気がする。
人を相手に初めて試したがなかなか有効、面倒な模擬戦を減らせる良い方法だ。
〈ゴブリン相手に熊公が逃げ出したぞ〉
〈ゴブリンキラーに喧嘩を売る強者だと期待したのに〉
〈賭け率なら1対10で大儲けだと思ったのにな〉
〈そりゃー無理だ、知らない馬鹿以外はゴブリンキラーに賭けるぞ〉
「残念、儲け損ねたよ。未だハルトの事を知っている奴は多いもんなぁ」
「で、ヤハン達は稼いでいるのか」
「まぁ訓練の成果もあるし、ブラックウルフの群れくらいなら何とかなる様になったよ」
ちょっとしたイベントの翌日、一月分の食料を確保してゴブリンが増えていると報告のあったベイル村に向かった。
・・・・・・
ヘイエルから徒歩で二日のベイル村、村長の家を訪ねゴブリンの活動状況を確認する。
「あんた一人で来たのかね」
俺をジロジロ見ながら聞いて来る猫目の村長、ずる賢い表情が隠せていない。
「まあ、ゴブリン程度なら一人で十分だしな」
「そう言ってアイアンやブロンズの連中は言うが、大怪我をしたり帰って来ない事は良くあるからな」
「討伐依頼も出してないんだろう。俺が死んでもなんの損もないのに説明すら嫌なら帰るぞ」
面倒そうに村の入り口で見張っていた男を呼び、ゴブリンの事を説明しろといって奥に引っ込んでしまった。
「やる気の無い村長だな」
「まあ、あれでも一応村長に任命されていますから。それよりここ最近やたらとゴブリンを目にするんです、気を付けて下さいよ」
ゴブリンは村に来る道の反対側、村の背後の森に沢山住み着き始めていると教えてくれた。
ゴブリンが多いなら、奴等の住まう森の奥にはハイゴブリンが居る可能性が高い。
見張りの男に案内して貰い、ゴブリンが多く見られる場所を目指した。
男と別れ畑の向こうに見える森を目指す、初めてゴブリン討伐に参加したエミナ村を思わせる風景だ。
初日は様子見のつもりだったが三つの群れ、15頭のゴブリンを討伐した。
翌日からは平均六つの群れを討伐し、一日平均33~37頭の討伐が続き心臓の収集は50個で打ち止め。
後はひたすら討伐と魔石集めに没頭した、と言っても脳味噌を凍らせて魔石を取り出すだけの簡単なお仕事。
単調なお仕事の合間には、ゴブリンの死骸を喰いにやって来るブラックウルフやプレイリーウルフ等を、気分転換にアイスアローやアイスランスで射ち取りマジックポーチに入れる。
余りに数が多いのでゴブリン討伐に10日以上費やしてしまい、ハイゴブリンの心臓集めが遅れたが、40近い数が集まったので満足してヘイエルに帰る事にした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
家が完成しているのか気になるが、取り敢えずマジックポーチの中の物を処分する為に冒険者ギルドに向かう。
「ハルト、お帰りー。何処まで行ってたの」
後ろからヤハンに声を掛けられた。
「ベイル村だ、ゴブリンが増えているって聞いてな」
「へえー、未だゴブリン狩りをしてるんだ。戦果はどうよ」
「まっ、満足のいく結果になったな」
「ゴブリンキラーの本領発揮か、ハルトが満足いくって言うのなら相当居たんだな」
「ああ、ヤハン達だって、増えている所に行けば稼げるぞ。ゴブリンだって馬鹿に出来ないからな」
ギルドに到着し買い取りの親爺に、解体場で出したいと告げると頷くので中に入る。
ヤハン達も俺がゴブリンの魔石だけで無いのを知っているので、何を取り出すのか興味津々でゾロゾロついてくる。
今日はどれくらいだと聞かれるが、沢山としか言いようがない。
ブラックウルフ、15頭
プレイリーウルフ、19頭
オーク、7頭
ハイオーク、4頭
エルク、2頭
ビッグボア、1頭
ホーンボア、1頭
ホーンラビット、42頭
ヘッジホッグ、19頭
興味津々で見ていたヤハン達真紅の剣のメンバーも〈エッ〉〈エッエエエ〉〈ウッソー〉等段々声が変化していって面白い。
「相変わらず大量に持ち込む奴だな。時間が掛かるからエールでも飲んでろ」
そう言われて解体場を後に買い取りの親爺の前に立つ、ゴブリンの魔石の袋とハイゴブリンの魔石をドンと置き〈宜しく〉と声を掛けて食堂に向かう。
後ろをヤハン達が黙ってついてくる。
「あの魔石の量からいったら300以上は討伐しているな」
「まぁな、一日30頭以上は確実に仕留めていたからな。其れが二週間以上続いたから、多分400くらいは有る筈だ。それとハイゴブリンが40頭くらいかな」
〈ゴブリンだけで800000ダーラは有るぞ〉
〈ハイゴブリンが40頭で480000ダーラ・・・〉
〈リーダー、俺達もベイル村に行こうぜ〉
「間違えるなよ、一月近く掛かっての討伐数だからな。ゴブリン狩りをするなら、増えているって情報を仕入れてから行くべきだな。多分直ぐに知れ渡って、皆がベイル村に殺到するぞ」
「だよなー、遠征して稼げる保証がないからなぁ」
受け取った査定用紙には
ブラックウルフ、15頭×7500=112,500ダーラ
プレイリーウルフ、19頭×5000=95,000ダーラ
オーク、7頭×18,000=126,000ダーラ
ハイオーク、4頭×28,000=112,000ダーラ
エルク、2頭×26,000=52,000ダーラ
ビッグボア、1頭、32,000ダーラ
ホーンボア、1頭、14,500ダーラ
ホーンラビット、42頭×3,000=126,000ダーラ
ヘッジホッグ、19頭×7,000=133,000ダーラ
合計 803,000ダーラ
ゴブリン魔石、429個×2,000=858,000ダーラ
ハイゴブリン魔石、38個×12,000=456,000ダーラ
合計 1,314,000ダーラ+803,000ダーラ=総合計 2,117,000ダーラ
ゴブリンの魔石の数が多すぎて数えるのが大変だから、もっと早く持って来いと怒られた。
査定用紙をカウンターに持って行き、全額ギルドに預けると告げる。
ヤハン達は俺の稼ぎを見て落ち込んでいたので、俺の驕りで飲み放題にして慰める事になり、ハインツ達も合流して宴会になってしまった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
二日酔い気味で目覚めた朝、月夜の亭で遅い朝食を食べているとブルースがやってきた。
家は完成しているが、俺が帰らないので引き渡しが出来ずに困っているぞと言われた。
慌てて商業ギルドに出向き受け取りの手続きを済ませると共に、ブルースに2階の部屋を売るからと手続きをして貰う。
俺は左の部屋ブルースは右の部屋に決め、残りの部屋は金貨120枚で売る事を商業ギルドに伝える。
手続きを済ませたら家具の購入だ、商業ギルドで聞いた家具屋に向かう。
ダイニングテーブルにソファーと布団、後は食器や調理器具を買ってお終い。
部屋に置きっぱなしにする物だから、気軽に買って帰ろうとするとブルースが呆れている。
まあ、男の独り身と、母親とは言え二人暮らしでは必要な物も数も違うからな。
後はカーテンだけだが、これは寸法を測って注文するしかない。
初めてのマイホームだし、のんびりしながら魔力増強に励む事にした。
114
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します
すもも太郎
ファンタジー
伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。
その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。
出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。
そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。
大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。
今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。
※ハッピーエンドです

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる