死んだはずがイケメン王子に転生！？だけど僕が選ぶのはヒロインでも悪役令嬢でもありません。

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「恋…でございますか？」

「ああ、恋だ」

「…………」

案の定というか、レイチェル嬢は言葉を失ったように考え込んだ。

（この反応はまだ誰にも恋をしていないのだろうな）

ということはリリアナ嬢も誰にも恋をしていないということだろうか？

私はレイチェル嬢に畳み掛けるように

「恋とまではいかずとも私のことを好ましく思ってくれてはいないのかな？」

と問うた。

すると顔を上げたレイチェル嬢が意を決したように

「貴族とは政略結婚で結ばれ、後に情を育むことだと父と母に教えられております」

と答えた。

なるほど典型的な教えなわけか。

かくいう王妃も同じ考えだけどな。

「だとするともしレイチェル嬢に好いた者が現れたらどうなる？
諦めるのか？
それとも…」

と少し意地悪なことを言ってみると被せるようにレイチェル嬢が慌てて

「私が殿下を裏切ることはありません！」

と必死になったように叫び更に慌てて扇で口元を隠して俯いた。

（うーん、これだと私がレイチェル嬢を裏切るということになるな）

何気にゲームの強制力が見えた気がした。

（どうやってもレイチェル嬢は悪役令嬢になってしまうわけか…）

とりあえずまずはこの状況をひっくり返してからエリーチェ嬢にアタックしないといけないな。

そして同時にリリアナ嬢の方も探る必要がありそうだ。

ただ王子って割と自由が効かないんだよなぁ…はぁ…

こうして今回のレイチェル嬢とのお茶会は終了した。