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次のお茶会の日。
私はお茶菓子にと街でマドレーヌを買った。
ローゼリアの記憶にユーリ様はこのお店のマドレーヌが好きだとあったからだ。
実際それは事実らしくマドレーヌを渡したらとても嬉しそうな顔をした。
なんだそういう顔もできるじゃないか。
と思ったがやはりお茶会では通常運転。
何故だろう?
どうしても分からない私はユーリ様に尋ねた。
「ユーリ様はどうしてそんなに無愛想なのですか?」
と。
するとユーリ様が一瞬目を見開きすぐに下を向いて
「別にそんなつもりはない」
と言った。
聞き方を間違えたのだろう。
この日は前回以上に会話もなくお茶会が終わってしまった。
溺愛どこ?
溺愛プリーズ!!
帰宅後再び私は難しい顔をしていた。
やはりどんなに考えてもこの世界が舞台の小説が思い当たらないからだ。
一度はまあいいやと開き直ったがユーリ様攻略の為にはやはり思い出すべきだろうと思い直したのだ。
だけどいくら考えても分からない。
まるでユーリ様の塩対応のようだ。
いや、塩ではなく単なる無愛想か。
さてどうしたものか?
ふとマドレーヌを渡した時のユーリ様の顔が頭をよぎる。
嬉しい時はちゃんと嬉しい顔はするんだよなぁ…
あの顔は素敵だったな…
気付けば私の顔が熱くなっていた。
私は両手で顔を扇いで熱を逃す。
これは一体?
ふとローゼリアの記憶が流れてきた。
幼いユーリ様の笑顔だ。
とても可愛い。
ユーリ様は本当はこんな風に笑うのか。
私は今のユーリ様の笑顔を想像する。
こ、これは…
それは想像でしかないのにとても素敵な笑顔だった。
心臓の鼓動が速くなりユーリ様の生の笑顔が見たいと思った。
そしたら急にいてもたってもいられなくなる。
よし、ユーリ様を笑顔にしよう!
こうして私は自分の気持ちには気付かないまま小説のことも忘れてそう心に決めたのだった。
私はお茶菓子にと街でマドレーヌを買った。
ローゼリアの記憶にユーリ様はこのお店のマドレーヌが好きだとあったからだ。
実際それは事実らしくマドレーヌを渡したらとても嬉しそうな顔をした。
なんだそういう顔もできるじゃないか。
と思ったがやはりお茶会では通常運転。
何故だろう?
どうしても分からない私はユーリ様に尋ねた。
「ユーリ様はどうしてそんなに無愛想なのですか?」
と。
するとユーリ様が一瞬目を見開きすぐに下を向いて
「別にそんなつもりはない」
と言った。
聞き方を間違えたのだろう。
この日は前回以上に会話もなくお茶会が終わってしまった。
溺愛どこ?
溺愛プリーズ!!
帰宅後再び私は難しい顔をしていた。
やはりどんなに考えてもこの世界が舞台の小説が思い当たらないからだ。
一度はまあいいやと開き直ったがユーリ様攻略の為にはやはり思い出すべきだろうと思い直したのだ。
だけどいくら考えても分からない。
まるでユーリ様の塩対応のようだ。
いや、塩ではなく単なる無愛想か。
さてどうしたものか?
ふとマドレーヌを渡した時のユーリ様の顔が頭をよぎる。
嬉しい時はちゃんと嬉しい顔はするんだよなぁ…
あの顔は素敵だったな…
気付けば私の顔が熱くなっていた。
私は両手で顔を扇いで熱を逃す。
これは一体?
ふとローゼリアの記憶が流れてきた。
幼いユーリ様の笑顔だ。
とても可愛い。
ユーリ様は本当はこんな風に笑うのか。
私は今のユーリ様の笑顔を想像する。
こ、これは…
それは想像でしかないのにとても素敵な笑顔だった。
心臓の鼓動が速くなりユーリ様の生の笑顔が見たいと思った。
そしたら急にいてもたってもいられなくなる。
よし、ユーリ様を笑顔にしよう!
こうして私は自分の気持ちには気付かないまま小説のことも忘れてそう心に決めたのだった。
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