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「……?どうかしましたか?私何かおかしなことでも?」
私は更にすっとぼけてみる。
ミリー様は怪訝な顔をし、トール様は信じられないとばかりに言葉を紡いだ。
「ミリーが分からないのか?」
「……申し訳ございません」
「君は僕との婚約のこと以外は覚えているのではなかったのか?」
「そう言われましても…」
私は困惑したように前に座る二人を交互に見た。
すると私の態度が気に入らないのか、自分が忘れ去れれたことが気に入らないのか、ミリー様が悲痛な顔をして叫んだ。
「酷いわっ!お義兄様、エルーシア様はきっと私に嫌がらせをされていらっしゃるのよ!私がお義兄様と仲が良いことに嫉妬されてっ!酷いっ!」
酷いって二回言ったけど本当に酷いのはどっちよ!!
私は内心でそう言いながらもミリー様の声に驚いて怯えたような顔を作り
「……そんな…」
とだけ言ってトール様に助けを求めるように少し震えてみた。
するとトール様はすぐに私の隣に移動してきてギュッと手を握り
「ミリーっ!エルーシアは記憶喪失なんだぞ!お前には思いやりというものがないのかっ!」
と言って空いている方の手で私の背中をさすった。
ミリー様は何も言わなかったが、落ち込んだように俯いてこっそり私を睨んでいた。
この勝負受けて立ちますわ!!
そう、昨夜散々悩んだ私は何故トール様とミリー様がそういう関係になったのかは分からなかったが、それでもこのまますんなり婚約解消をして傷ものになるのだけはやめようと思い直したのだった。
もう弱く大人しいだけのご令嬢はやめにするのだ。
私は更にすっとぼけてみる。
ミリー様は怪訝な顔をし、トール様は信じられないとばかりに言葉を紡いだ。
「ミリーが分からないのか?」
「……申し訳ございません」
「君は僕との婚約のこと以外は覚えているのではなかったのか?」
「そう言われましても…」
私は困惑したように前に座る二人を交互に見た。
すると私の態度が気に入らないのか、自分が忘れ去れれたことが気に入らないのか、ミリー様が悲痛な顔をして叫んだ。
「酷いわっ!お義兄様、エルーシア様はきっと私に嫌がらせをされていらっしゃるのよ!私がお義兄様と仲が良いことに嫉妬されてっ!酷いっ!」
酷いって二回言ったけど本当に酷いのはどっちよ!!
私は内心でそう言いながらもミリー様の声に驚いて怯えたような顔を作り
「……そんな…」
とだけ言ってトール様に助けを求めるように少し震えてみた。
するとトール様はすぐに私の隣に移動してきてギュッと手を握り
「ミリーっ!エルーシアは記憶喪失なんだぞ!お前には思いやりというものがないのかっ!」
と言って空いている方の手で私の背中をさすった。
ミリー様は何も言わなかったが、落ち込んだように俯いてこっそり私を睨んでいた。
この勝負受けて立ちますわ!!
そう、昨夜散々悩んだ私は何故トール様とミリー様がそういう関係になったのかは分からなかったが、それでもこのまますんなり婚約解消をして傷ものになるのだけはやめようと思い直したのだった。
もう弱く大人しいだけのご令嬢はやめにするのだ。
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