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「は?」
私の発言にトール様は完全に固まった。
その反応が当たり前なのは分かる。
だけど延々と呆けられても事は先に進まない。
この記憶喪失を利用して婚約解消できればお互い都合が良いはずだ。
なので私は改めてトール様に話しかけた。
できるだけ困ったような顔を作って。
「どうされました?婚約者でもない男性とこのような状態で部屋に二人きりというのはお互いの為によろしくないかと思ったのですが?」
「え?あ?や?え?いや…その、エルーシア、君は今日何があったか覚えているか?どうやってここに帰った?いつから体調が悪かったのだ?」
トール様…慌てているのは分かりますが、記憶喪失の人間相手に一度にそんなに聞かれても…
慌てるトール様に私は内心でそう思いつつ首を傾げながら答える。
「ええ、ちゃんと覚えてますわ。トール様がおかしなことを聞かれる程に心配させてしまい本当に申し訳ごさいません。でも先程も申しました通り大丈夫ですので…」
そしてそこまで言ったところでトール様が私の言葉を遮るように勢いよく椅子から立ち上がった。
「本当か?それなら僕と君のことを何故ただの幼馴染みなどと言う?冗談ならたちが悪いにも程があるぞ!!」
先程あんなことをしていたのに随分必死になってそう言うトール様に私は更に首を傾げた。
このままこれを理由に婚約解消した方が都合が良いはずなのに何故かしら?
「え?一体どういうことですか?」
なので本気で分からないというようにキョトンとして見せた。
すると今度は焦ったように
「忘れてしまったのか?僕と君が婚約していることを?僕が君を愛していることを?」
などと言い出した。
いやいや、そんなこと言われてももう信用できませんから。
私は心の中で白々しいと思いながら首を傾げてみせたのだった。
私の発言にトール様は完全に固まった。
その反応が当たり前なのは分かる。
だけど延々と呆けられても事は先に進まない。
この記憶喪失を利用して婚約解消できればお互い都合が良いはずだ。
なので私は改めてトール様に話しかけた。
できるだけ困ったような顔を作って。
「どうされました?婚約者でもない男性とこのような状態で部屋に二人きりというのはお互いの為によろしくないかと思ったのですが?」
「え?あ?や?え?いや…その、エルーシア、君は今日何があったか覚えているか?どうやってここに帰った?いつから体調が悪かったのだ?」
トール様…慌てているのは分かりますが、記憶喪失の人間相手に一度にそんなに聞かれても…
慌てるトール様に私は内心でそう思いつつ首を傾げながら答える。
「ええ、ちゃんと覚えてますわ。トール様がおかしなことを聞かれる程に心配させてしまい本当に申し訳ごさいません。でも先程も申しました通り大丈夫ですので…」
そしてそこまで言ったところでトール様が私の言葉を遮るように勢いよく椅子から立ち上がった。
「本当か?それなら僕と君のことを何故ただの幼馴染みなどと言う?冗談ならたちが悪いにも程があるぞ!!」
先程あんなことをしていたのに随分必死になってそう言うトール様に私は更に首を傾げた。
このままこれを理由に婚約解消した方が都合が良いはずなのに何故かしら?
「え?一体どういうことですか?」
なので本気で分からないというようにキョトンとして見せた。
すると今度は焦ったように
「忘れてしまったのか?僕と君が婚約していることを?僕が君を愛していることを?」
などと言い出した。
いやいや、そんなこと言われてももう信用できませんから。
私は心の中で白々しいと思いながら首を傾げてみせたのだった。
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