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ストーキング
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プロポーズの次の日、とてつもなく上機嫌でいつも以上にキラキラしいリュオン殿下を尻目に私は早速ストーカー活動に勤しんだ。
ーー結果。
ヒロインちゃん…じゃなくて、エルリナ…いや、様を付けなきゃ。
慣れとは恐ろしいものでつい口が滑ったらまずいからね。
前世では皆ゲームのキャラだったから当然普通に呼び捨てだったし。
まあ、それはいいとして。
そのエルリナ様の行いによって焦ったリュオン殿下に詰め寄られていた。
そして私はそのエルリナ様の今日の行動を振り返っていた。
朝、登校後すぐに鍛錬後のリオネル様と中庭で遭遇し仲良くご歓談。
騎士科の生徒は朝と放課後に必ず男女合同で鍛錬があり、その時は中庭近くにある鍛錬場を使っているらしく、たまにエリス様も差し入れを持って見学に行っていたそうだ。
あくまで過去形らしいが。
お昼、今度はお弁当を片手に中庭の奥の人目に着きにくい茂みの奥でクロード様と仲良く昼食兼ご歓談。
クロード様は人付き合いがあまり好きじゃなく昼休みはいつもそこで魔導書を読んでいるからエルリナ様は偶然ではなく突撃していると思われる。
クロード様のことはゲーム情報で知ってはいたが、以前ミレニア様にも聞いたことがあるので多分間違いない。
放課後、要するについ先程だが、図書館に併設されている自習室でシオン様とシリウス様の三人で仲良くお勉強という名目のご歓談をされており、そこに私とリュオン殿下が通りかかるとこっそり机の下辺りでリュオン殿下に手を振っていた。
そしてそれに気付いた私をリュオン殿下が苦々しい顔をして、何故か私を中央棟にある生徒会室に連れ込み現在に至る。
ちなみに途中、シルビア様とユリエル様とすれ違ったのが多少気がかりだが、今の私はそれどころではないのでとりあえず放置する。
しかしエルリナ様のこの行動…
ゲームと同じじゃないか!!
そう、これらは、ゲームでのヒロインちゃんのルーティーン的な行動である。
とはいってもゲームはルート別だからこんな風に一日で全員と仲良くすることはまずないけど。
とにかく各ルート攻略の際にリオネル様は朝の鍛錬後、クロード様は昼休み、シオン様とシリウス様は放課後の図書館で、リュオン殿下は生徒会室に行った時が一番好感度を上げられてより親密な関係になりやすいというわけだ。
しかし、今は私が悪役令嬢の役割を果たしてないからか、バージョンアップ以降リュオン殿下がいつも私を生徒会室に連れて行くからか、リュオン殿下はそのルーティーン枠からは外れている。
しかし、あの机の下でこっそり手を振るやつ…なんかあざといよなぁ…可愛い人にしか許されない芸当というかなんというか…自分が可愛いもしくは好かれてるという自信がないとできないよなぁ…
さすがヒロインだわ。
私には絶対無理なやつだ。
そもそも美人系悪役令嬢があざとい仕草とかあり得ないし。
とそんなことを考えていると、リュオン殿下が悲壮感を漂わせながら叫んできた。
「オフィ!さっきから私の話を聞いてくれているのか?!」
……あ、忘れてた。
ーー結果。
ヒロインちゃん…じゃなくて、エルリナ…いや、様を付けなきゃ。
慣れとは恐ろしいものでつい口が滑ったらまずいからね。
前世では皆ゲームのキャラだったから当然普通に呼び捨てだったし。
まあ、それはいいとして。
そのエルリナ様の行いによって焦ったリュオン殿下に詰め寄られていた。
そして私はそのエルリナ様の今日の行動を振り返っていた。
朝、登校後すぐに鍛錬後のリオネル様と中庭で遭遇し仲良くご歓談。
騎士科の生徒は朝と放課後に必ず男女合同で鍛錬があり、その時は中庭近くにある鍛錬場を使っているらしく、たまにエリス様も差し入れを持って見学に行っていたそうだ。
あくまで過去形らしいが。
お昼、今度はお弁当を片手に中庭の奥の人目に着きにくい茂みの奥でクロード様と仲良く昼食兼ご歓談。
クロード様は人付き合いがあまり好きじゃなく昼休みはいつもそこで魔導書を読んでいるからエルリナ様は偶然ではなく突撃していると思われる。
クロード様のことはゲーム情報で知ってはいたが、以前ミレニア様にも聞いたことがあるので多分間違いない。
放課後、要するについ先程だが、図書館に併設されている自習室でシオン様とシリウス様の三人で仲良くお勉強という名目のご歓談をされており、そこに私とリュオン殿下が通りかかるとこっそり机の下辺りでリュオン殿下に手を振っていた。
そしてそれに気付いた私をリュオン殿下が苦々しい顔をして、何故か私を中央棟にある生徒会室に連れ込み現在に至る。
ちなみに途中、シルビア様とユリエル様とすれ違ったのが多少気がかりだが、今の私はそれどころではないのでとりあえず放置する。
しかしエルリナ様のこの行動…
ゲームと同じじゃないか!!
そう、これらは、ゲームでのヒロインちゃんのルーティーン的な行動である。
とはいってもゲームはルート別だからこんな風に一日で全員と仲良くすることはまずないけど。
とにかく各ルート攻略の際にリオネル様は朝の鍛錬後、クロード様は昼休み、シオン様とシリウス様は放課後の図書館で、リュオン殿下は生徒会室に行った時が一番好感度を上げられてより親密な関係になりやすいというわけだ。
しかし、今は私が悪役令嬢の役割を果たしてないからか、バージョンアップ以降リュオン殿下がいつも私を生徒会室に連れて行くからか、リュオン殿下はそのルーティーン枠からは外れている。
しかし、あの机の下でこっそり手を振るやつ…なんかあざといよなぁ…可愛い人にしか許されない芸当というかなんというか…自分が可愛いもしくは好かれてるという自信がないとできないよなぁ…
さすがヒロインだわ。
私には絶対無理なやつだ。
そもそも美人系悪役令嬢があざとい仕草とかあり得ないし。
とそんなことを考えていると、リュオン殿下が悲壮感を漂わせながら叫んできた。
「オフィ!さっきから私の話を聞いてくれているのか?!」
……あ、忘れてた。
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