2 / 39
もしかして攻略済み?
しおりを挟む
「ーー様!ーーリア様っ!」
何処か遠くからこの世界での自分の名前を呼ぶ声が聞こえるような聞こえないような…?
そろそろと目を開けると我が家の侍女服を着た18~19才くらいのお団子ヘアの女の人が半泣きで私にすがりついていた。
誰だっけ?
記憶を呼び起こす為に一旦自分の脳みそと向き合う。
すると私の記憶が彼女のことをオフィーリアの専属侍女のサラだと教えてくれた。
どうやらこの世界の記憶はきちんと思い出せるようだ。
後で脳内の記憶を整理しなければ。
そんなことを思いながら私はサラに笑顔を向けた。
すると、突然サラが抱きついてきて
「オフィーリア様っ!気がつかれたのですねっ!良かったです!本当に良かった!」
と大声を上げ、
「今すぐ旦那様と奥様をお呼びして参りますっ」
と言って足早に部屋を出て行った。
それからすぐに医師を連れた両親と共にサラが戻り、心配する三人を他所に「何処にも異常はありません」と告げて医師は帰って行った。
それはそうだろう。
ショッキングな現実に失神しただけなのだから。
しかし、過保護で心配症で娘を甘やかす天才である両親はそれでも心配らしく、私は数日の間ベッドでの生活を余儀なくされたのだった。
そしてその間、かなりの勢いの至れり尽くせりで、我ことながら思わず、こうして我儘令嬢ができるわけかとしみじみしてしまったのはいうまでもない。
さて、私はこのベッド生活の数日間、自分の現状を把握すべく、まず自分の記憶を書き出し、調べられる限りのことを調べ、また、それとなく周りに探りを入れてみたりした。
その結果、分かったことは、やはりここが例のスマホゲームの世界だということだった。
しかも驚くことに、今をスマホゲームの時系列に置き換えると、既にオフィーリアの婚約者である第二王子のリュオン殿下はヒロインに陥落された後となっている。
要するにこのままいくと、後一年と少し後の卒業パーティーでオフィーリアは断罪され、女囚の牢獄といわれる離島の修道院に島流しになる予定だ。
桜…もとい、新生オフィーリアは更なるショックで再びブラックアウトしそうになり、現実逃避をするべく、前世でいうところの最高級ベッドの中で急ぎ夢の世界に旅立つことにした。
何処か遠くからこの世界での自分の名前を呼ぶ声が聞こえるような聞こえないような…?
そろそろと目を開けると我が家の侍女服を着た18~19才くらいのお団子ヘアの女の人が半泣きで私にすがりついていた。
誰だっけ?
記憶を呼び起こす為に一旦自分の脳みそと向き合う。
すると私の記憶が彼女のことをオフィーリアの専属侍女のサラだと教えてくれた。
どうやらこの世界の記憶はきちんと思い出せるようだ。
後で脳内の記憶を整理しなければ。
そんなことを思いながら私はサラに笑顔を向けた。
すると、突然サラが抱きついてきて
「オフィーリア様っ!気がつかれたのですねっ!良かったです!本当に良かった!」
と大声を上げ、
「今すぐ旦那様と奥様をお呼びして参りますっ」
と言って足早に部屋を出て行った。
それからすぐに医師を連れた両親と共にサラが戻り、心配する三人を他所に「何処にも異常はありません」と告げて医師は帰って行った。
それはそうだろう。
ショッキングな現実に失神しただけなのだから。
しかし、過保護で心配症で娘を甘やかす天才である両親はそれでも心配らしく、私は数日の間ベッドでの生活を余儀なくされたのだった。
そしてその間、かなりの勢いの至れり尽くせりで、我ことながら思わず、こうして我儘令嬢ができるわけかとしみじみしてしまったのはいうまでもない。
さて、私はこのベッド生活の数日間、自分の現状を把握すべく、まず自分の記憶を書き出し、調べられる限りのことを調べ、また、それとなく周りに探りを入れてみたりした。
その結果、分かったことは、やはりここが例のスマホゲームの世界だということだった。
しかも驚くことに、今をスマホゲームの時系列に置き換えると、既にオフィーリアの婚約者である第二王子のリュオン殿下はヒロインに陥落された後となっている。
要するにこのままいくと、後一年と少し後の卒業パーティーでオフィーリアは断罪され、女囚の牢獄といわれる離島の修道院に島流しになる予定だ。
桜…もとい、新生オフィーリアは更なるショックで再びブラックアウトしそうになり、現実逃避をするべく、前世でいうところの最高級ベッドの中で急ぎ夢の世界に旅立つことにした。
28
お気に入りに追加
478
あなたにおすすめの小説
ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります
奏音 美都
恋愛
ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。
そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。
それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。
悪役令嬢になる前に、王子と婚約解消するはずが!
餡子
恋愛
恋愛小説の世界に悪役令嬢として転生してしまい、ヒーローである第五王子の婚約者になってしまった。
なんとかして円満に婚約解消するはずが、解消出来ないまま明日から物語が始まってしまいそう!
このままじゃ悪役令嬢まっしぐら!?
農地スローライフ、始めました~婚約破棄された悪役令嬢は、第二王子から溺愛される~
可児 うさこ
恋愛
前世でプレイしていたゲームの悪役令嬢に転生した。公爵に婚約破棄された悪役令嬢は、実家に戻ったら、第二王子と遭遇した。彼は王位継承より農業に夢中で、農地を所有する実家へ見学に来たらしい。悪役令嬢は彼に一目惚れされて、郊外の城で一緒に暮らすことになった。欲しいものを何でも与えてくれて、溺愛してくれる。そんな彼とまったり農業を楽しみながら、快適なスローライフを送ります。
悪役令嬢に転生したのですが、フラグが見えるのでとりま折らせていただきます
水無瀬流那
恋愛
転生先は、未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢だった。それもステータスによれば、死ぬ確率は100%というDEATHエンド確定令嬢らしい。
このままでは死んでしまう、と焦る私に与えられていたスキルは、『フラグ破壊レベル∞』…………?
使い方も詳細も何もわからないのですが、DEATHエンド回避を目指して、とりまフラグを折っていこうと思います!
※小説家になろうでも掲載しています
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
アイアイ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
【完結】強制力なんて怖くない!
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のエラリアは、十歳の時に唐突に前世の記憶を取り戻した。
どうやら自分は以前読んだ小説の、第三王子と結婚するも浮気され、妻の座を奪われた挙句、幽閉される「エラリア」に転生してしまったらしい。
そんな人生は真っ平だと、なんとか未来を変えようとするエラリアだが、物語の強制力が邪魔をして思うように行かず……?
強制力がエグい……と思っていたら、実は強制力では無かったお話。
短編です。
完結しました。
なんだか最後が長くなりましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる