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41 燻る思い3★
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*背後注意
騎士達にいいようにやられてしまった時のように、がむしゃらに抵抗すればいい。力も強く体格のいいガベルトゥスに敵うわけもないが、本当に嫌ならば拒めばいいのだ。
しかし春輝はこの行為を未だ拒めないでいる。確かに最初は悪夢から解放されたいがための、代償のような物だったはずだ。
だがそれは回数を重ねるごとに、それ以上のなにかを春輝に齎していた。
春輝が拒まないことに笑みを深めたガベルトゥスは、更に指を増やし中を広げていく。段々と引きずり出される快楽は、春輝の思考を鈍らせようとしてくるが、春輝はそれに抗っていた。
「溺れた方が楽だぞハルキ?」
必死に鈍る思考を手放すまいとする春輝に、ガベルトゥスは見透かしたように言う。
まるで悪魔の囁きのように紡がれる言葉と共に、一層肌を密着させられた。自身よりも高い体温と、慣れてしまった香りに逆立つ心が和らいだ。
嫌いではない、そう嫌いではないのだ。寧ろ今では好ましいとすら思ってしまう時もある。思考がそこまで行き着けば、先程まで感じていた恐怖は既になかった。
悪夢から助け出され、いちかを殺した犯人を捜し、勝手に引き入れたトビアスを使えるようにしてくれる。それに対して褒美が欲しいというのなら、それがこの行為だと言うならば、与えてやってもいいではないか。
なによりも、春輝はガベルトゥスがあの騎士達のように無理矢理に押さえつけ、痛みと苦痛だけを与えるようなことをしないと言うことを知っている。
協力者だと言う理由があるからだろうか。欲の発散だけならば、騎士達のようにすればいいと言うのに。戯れの時も、今ですらも、行為は春輝の反応を見つつ進められる。
魔王であるにも関わらず、存外春輝には優しいのだ。
褒美を望まれそれを与えるならば、ガベルトゥスが言うように自身も欲に溺れてしまえば楽ではないか。
それに対しての恐怖は既になく、寧ろどこか楽しむような感情が春輝の中で燻り、うさぎのぬいぐるみに顔を埋めていた春輝は、その事実にふはっと笑いを零した。
手を止め、怪訝そうに春輝の様子を伺ってくるガベルトゥスに、春輝は体を捻り後ろを向くとガベルトゥスの服を掴み引き寄せた。
「楽しもうぜガイル」
意外だったのだろうガベルトゥスは、目を見開いたあと肉食獣のような獰猛な笑みを作る。
既に溶かされ緩んだ後孔に香油が足され、宛がわれたガベルトゥスの物がゆっくりと動かされながら、奥へ奥へと入り込む。
「余裕そうだなぁ?」
春輝の余裕を感じ取ったガベルトゥスは、半分ほどまで埋まっていた物を一気に押し込める。
息が詰まり、逃げそうになる春輝の腰は背後からしっかりとガベルトゥスに抑え付けられてはいるが苦痛ではなかった。
「くっぁっいきなり、全部突っ込むなっ」
「これぐらい余裕だろう?」
振り返り抗議すれば、ガベルトゥスに興奮の色を隠しもしなしていない。そのまま肉壁を嬲るように突き上げ、春輝を揺さぶり始めた。
「ふぁっんんっ」
知らずに漏れる甘ったるい吐息に春輝自身驚きながらも、前を触れられてもいないのに広がる快楽は、どんどんと春輝を快楽の海に沈めていく。
力強く中を穿たれ、揺さぶられ、熱い吐息が背面から聞こえてくる。ちらりと見れば、汗が滲み、感じるように眉を潜めていたガベルトゥスを捉えた。
「気持ちよさそうだな?」
「アンタもな、そんなにいいかよ」
「いい気分だ、あぁだが……味をしめて他とやろうなんて考えるなよ? 俺が与える物だけに溺れればいい」
覆いかぶされ更に深くまで押し込められれば、全身が震える。それと同時にガベルトゥスの言葉に春輝はどこか懐かしさを覚え、それがなんであったか快楽の隙間で考えた。
「お前は俺だけの勇者だからな」
その言葉に、かつていちかが似たようなことを言っていたことを思い出す。唯一の信頼できる人間であった春輝を逃がすまいと、私だけのお兄ちゃんと言っていた妹と、年のいった魔王が重なるなどどうかしている。自嘲気味に春輝は小さく笑みを漏らした。
いちかとは違った求められ方だが、嫌ではない。寧ろ奥底から湧き上がってくるような感覚に、快楽とは違った悦楽すら湧き上がる。この感情は一体何だろうか。
騎士達にいいようにやられてしまった時のように、がむしゃらに抵抗すればいい。力も強く体格のいいガベルトゥスに敵うわけもないが、本当に嫌ならば拒めばいいのだ。
しかし春輝はこの行為を未だ拒めないでいる。確かに最初は悪夢から解放されたいがための、代償のような物だったはずだ。
だがそれは回数を重ねるごとに、それ以上のなにかを春輝に齎していた。
春輝が拒まないことに笑みを深めたガベルトゥスは、更に指を増やし中を広げていく。段々と引きずり出される快楽は、春輝の思考を鈍らせようとしてくるが、春輝はそれに抗っていた。
「溺れた方が楽だぞハルキ?」
必死に鈍る思考を手放すまいとする春輝に、ガベルトゥスは見透かしたように言う。
まるで悪魔の囁きのように紡がれる言葉と共に、一層肌を密着させられた。自身よりも高い体温と、慣れてしまった香りに逆立つ心が和らいだ。
嫌いではない、そう嫌いではないのだ。寧ろ今では好ましいとすら思ってしまう時もある。思考がそこまで行き着けば、先程まで感じていた恐怖は既になかった。
悪夢から助け出され、いちかを殺した犯人を捜し、勝手に引き入れたトビアスを使えるようにしてくれる。それに対して褒美が欲しいというのなら、それがこの行為だと言うならば、与えてやってもいいではないか。
なによりも、春輝はガベルトゥスがあの騎士達のように無理矢理に押さえつけ、痛みと苦痛だけを与えるようなことをしないと言うことを知っている。
協力者だと言う理由があるからだろうか。欲の発散だけならば、騎士達のようにすればいいと言うのに。戯れの時も、今ですらも、行為は春輝の反応を見つつ進められる。
魔王であるにも関わらず、存外春輝には優しいのだ。
褒美を望まれそれを与えるならば、ガベルトゥスが言うように自身も欲に溺れてしまえば楽ではないか。
それに対しての恐怖は既になく、寧ろどこか楽しむような感情が春輝の中で燻り、うさぎのぬいぐるみに顔を埋めていた春輝は、その事実にふはっと笑いを零した。
手を止め、怪訝そうに春輝の様子を伺ってくるガベルトゥスに、春輝は体を捻り後ろを向くとガベルトゥスの服を掴み引き寄せた。
「楽しもうぜガイル」
意外だったのだろうガベルトゥスは、目を見開いたあと肉食獣のような獰猛な笑みを作る。
既に溶かされ緩んだ後孔に香油が足され、宛がわれたガベルトゥスの物がゆっくりと動かされながら、奥へ奥へと入り込む。
「余裕そうだなぁ?」
春輝の余裕を感じ取ったガベルトゥスは、半分ほどまで埋まっていた物を一気に押し込める。
息が詰まり、逃げそうになる春輝の腰は背後からしっかりとガベルトゥスに抑え付けられてはいるが苦痛ではなかった。
「くっぁっいきなり、全部突っ込むなっ」
「これぐらい余裕だろう?」
振り返り抗議すれば、ガベルトゥスに興奮の色を隠しもしなしていない。そのまま肉壁を嬲るように突き上げ、春輝を揺さぶり始めた。
「ふぁっんんっ」
知らずに漏れる甘ったるい吐息に春輝自身驚きながらも、前を触れられてもいないのに広がる快楽は、どんどんと春輝を快楽の海に沈めていく。
力強く中を穿たれ、揺さぶられ、熱い吐息が背面から聞こえてくる。ちらりと見れば、汗が滲み、感じるように眉を潜めていたガベルトゥスを捉えた。
「気持ちよさそうだな?」
「アンタもな、そんなにいいかよ」
「いい気分だ、あぁだが……味をしめて他とやろうなんて考えるなよ? 俺が与える物だけに溺れればいい」
覆いかぶされ更に深くまで押し込められれば、全身が震える。それと同時にガベルトゥスの言葉に春輝はどこか懐かしさを覚え、それがなんであったか快楽の隙間で考えた。
「お前は俺だけの勇者だからな」
その言葉に、かつていちかが似たようなことを言っていたことを思い出す。唯一の信頼できる人間であった春輝を逃がすまいと、私だけのお兄ちゃんと言っていた妹と、年のいった魔王が重なるなどどうかしている。自嘲気味に春輝は小さく笑みを漏らした。
いちかとは違った求められ方だが、嫌ではない。寧ろ奥底から湧き上がってくるような感覚に、快楽とは違った悦楽すら湧き上がる。この感情は一体何だろうか。
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