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第2章
5.ちょっと待てと言ってるだろ!
しおりを挟む魔力を練る練習を始めて1週間。
やっとコツを掴んだのと、慣れてきたのもあってカマエルから第二段階に行こうと言われた。
「第二段階は練った魔力を身体から放出することだ。その為には魔力栓と呼ばれるものを開くことが必要になってくる。ベルお前の魔力栓は閉じたままだからこのままでは放出はできない。だからまずはそれを開くことから始めよう」
「開くって言ってもどうするんだ、あいにく僕にはさっぱりわからない」
「ふっ、そんなこと分かっている。自分でやれなんて言ってないだろう?だからー」
「あっ、ちょ、おい!何するんだ!」
カマエルが不自然に言葉を切ったかと思えば、ベルゼビュートは急に手を取られ勢いよく腕の中に抱き込まれてしまった。
抗議の声を上げるが、聞き入れるどころかベルゼビュートを抱き込む腕の力はますます強くなり抜け出せない。
ジタバタするベルゼビュートの耳元でカマエルが囁く。
「俺が手とり足とり教えてやるよ」
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「んっ、はぁ、、、あっ………ッ」
身体を巡る熱いモノを感じる度に声が漏れる。抑えたくても抑えられない。
こんなみっともない姿、カマエルには見せたくない…
だけど、元凶はこの状況を楽しんでる。
後ろから抱き込まれてるせいで顔は見えないが、元凶…もといカマエルは絶対笑ってる。
「どうしたベル?可愛らしい声が聞こえてくるが…」
何が可愛らしい声なんだよ。
誰のせいで、こうなってると思ってるんだ!
カマエルの腕の中に抱き込まれたベルゼビュートは両手のひらを下から支えるようにカマエルの両手のひらに乗せられる。
それだけでもなんだかこそばゆい気持ちになってくるのに、背中から伝わる大きな存在とその熱はベルゼビュートの羞恥心を一気に煽ってくる。
なんだかイケナイことをしている気分になる…
恋人になってはや数ヶ月。
恋愛に不慣れもいいところ、経験値0のベルゼビュートに合わせてカマエルはまずはキスからと触れ合いは始まった
それはそれは昔のカマエルからは考えられないほど、甘く、丁寧。でもその先を急かすようなことはしない
だからまだキス。
ベルゼビュートからすれば、されどキスであり、それだけでいっぱいいっぱいになってしまう。
そんなところに突然の抱き込まれからの密着はとても簡単に処理できることではなかった。
そんな上の空~なベルゼビュートをよそにカマエルは魔力栓の解放について説明していく。
「魔力栓の解放には自然に開くのを待つ方法と、無理矢理開ける方法がある」
「……………うん」
「今回は時間がないから、無理矢理開ける方法で行く、それはいいか?」
「……………うん」
「無理矢理開けるためには内側か外側から魔力を流して開放を促す。だから俺が魔力をベルに流していく」
「……………うん」
「特に体に害などはないが、少し不調などはあるやもしれんが初めても大丈夫か?」
「……………うん」
「ふふっ、わかった始めよう」
この時のベルゼビュートはいっぱいいっぱいでちゃんと話を聞いてなかった。
カマエルが意味深に言った身体の不調とは魔力栓の開放を促すとともに感度も上がってしまい、快楽も促されてしまうこと。
ベルゼビュートがそれに気づいたのははじまって身体にカマエルの魔力が流れてきてからだった。
「…………えっ、ちょっ、んっ…」
「どうした?何かあったか」
「一旦止まって、何か…………変だ」
「悪いが安全に終わらせるためにも止まれない。……がどう変なんだ?」
「なんっ、ひゃッ、んんっ……身体がぞわぞわしておかしい」
「あぁ、もしかして気持ちよくなってきたか?それははじめに説明した不調だな。人によってどんなものかは異なるが、ベルは感度が上がってしまうみたいだ」
そんな説明は聞いてない!と言いたいけど、さっき何か言ってたような気がするが上の空で何も覚えてない。その時に説明していたのだろうか……
そうだったらベルゼビュート自身が悪いということになる。
でも、僕が不調を訴えてるのになんだか楽しそうにしているカマエルにムカつく反面、やっぱりちゃんと話を聞いておくべきだったと少し後悔した。
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