白い悪魔と黒い天使【第二章連載中】

百(もも)

文字の大きさ
上 下
35 / 53
第1章

32.パニック

しおりを挟む


朝起きてすっきりなんてことはなく僕は頭を抱えた。
だって、見た夢が現実味があって…なんというか…うんすごく恥ずかしかった。


***

 
気づくと僕はベットのうえで仰向けに寝ていた。何かで視界を塞がれているため真っ暗闇の中にいるようで不安が募る。両手が頭の上にあるが動かせず縛られているとわかった。
ここはどこだろうか、何も見えず聞こえずでわからない。

背中にあたるひんやりとしたシーツの感触で服は全て脱がされている状態みたいだとわかる。
部屋はシンとしていて、何も気配はない。


静かすぎて怖い。
誰かいないのか?誰か…
自分自身から声が出ているのかわからない。少し時空が歪んでいるような不思議な空間だ。


だんだんと部屋が少し冷えて肌寒さを感じてきた頃、ガチャとドアが開く音がして誰かが入ってきた気配がした。


気配は僕の側まで来ると、僕の頬をひと撫でしてベッドに乗り上げてきた。


「ベル…お前は綺麗だ」


溢れるように呟かれたその一言は僕の身体を熱くした。







「あ"っ、あ"あ"ぁぁぁ!」


パンパン

「あ"ッ、やっ、も…ん"んっ!」


僕のお尻と後ろの筋肉がぶつかる。
今まで開かれたことのなかったすぼみの奥の奥まで長くて太い肉棒で貫かれ、あられもない声が止まらない。


ズン

「あ''あ"~~~ッ!!」


今まで叩いていた奥のさらに奥、入っちゃダメなとこまで男の肉棒は容赦なく入り込む。


ジュポジュポ

「も、しんじゃ…あ"ッ、むりぃ…ッ!」


気持ち良すぎて、俺が感じてしまうたびナカがきゅんとうねって肉棒を締め付けてしまう。そうするとナカでビキビキなカタチがしっかり伝わってきてまた感じて締め付けるという悪循環。その間ずっと感じていて身体がツライ。


はやく終わって、助けて、カマエル!
こんな誰かじゃなくて、僕はカマエルじゃなきゃやだ!


「もぅ…たすけて、カマエル…ッ!」


いままで揺さぶられていた身体が止まり、気持ち良さの余韻が身体を走る。
不意に目を覆っていたものが外され、目の前の人物の顔が見えた。


「おまえ、かよ…悪趣味だな…」


ほわほわしてて怒る気も出ないが心からほっとした。
俺を見下ろすエメラルドグリーンの瞳は慈愛に満ちていて俺の身体にかかる見慣れた金髪の髪を少し手に取って口付ける。
たしかに最初から怖かったけど、行為自体は怖くなかった。身体はわかってたのかもな…。


「おい、これはどういう…ッ!ひゅっ…」


だからってこれはどういうことかと問い詰めようとしたら僕の中で萎えずそのままだったカマエルのモノが僕の奥を叩く。


「まだだ、終わってない。」


マジか!えっ、まだなの…
たしかにこいつまだ達してない?
えっと思った時にはもうピストンが開始されていて脳を刺激する気持ち良さで鮮明だった思考がふやふやになっていく

「ベル、愛してる。一緒にイこう」

「まっ、あっ、あッ、あ"あ"ぁぁぁッ!」
「クッ…」


僕のナカで熱いものがカマエルのモノから放たれる。じんわりと下腹部を温める熱量に少しホッとしてしまうのは何故だろう。思わずそっと肌の上から撫でる。


「はぁ、はぁ、はぁ……….」


でももう指一本も動かない。
しっとりと湿った僕の髪を優しく撫でるこいつの少し冷たい指が気持ちよくてそのまま意識を手放した。



***

……………ら、どうも朝でした。
ちゃんと確認したけど、お尻は無事っぽい。
腰も痛くないし…
ただ、パンツの中がな。
これが初の夢精とか思いたくない。
最近俺のハジメテはカマエルが何かしら絡んでる気がするのは気のせいか。


それにしても、
あれはなんだったんだ?
僕の妄想が具現化したもの…?
いやいやいや、だったら欲求不満?
それになぜあいつが出てくるんだ
もう、僕のそばからいなくなっただろ!



考えてもわからないので
のそのそと起きて支度をする。

やっぱりシンとした部屋はどこか寂しかった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

青少年病棟

BL
性に関する診察・治療を行う病院。 小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。 ※性的描写あり。 ※患者・医師ともに全員男性です。 ※主人公の患者は中学一年生設定。 ※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。

ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい

パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け ★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion 更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl

風紀委員長様は今日もお仕事

白光猫(しろみつにゃん)
BL
無自覚で男前受け気質な風紀委員長が、俺様生徒会長や先生などに度々ちょっかいをかけられる話。 ※「ムーンライトノベルズ」サイトにも転載。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

BL短編まとめ(甘い話多め)

白井由貴
BL
BLの短編詰め合わせです。 主に10000文字前後のお話が多いです。 性的描写がないものもあればがっつりあるものもあります。 性的描写のある話につきましては、各話「あらすじ」をご覧ください。 (※性的描写のないものは各話上部に書いています) もしかすると続きを書くお話もあるかもしれません。 その場合、あまりにも長くなってしまいそうな時は別作品として分離する可能性がありますので、その点ご留意いただければと思います。 【不定期更新】 ※性的描写を含む話には「※」がついています。 ※投稿日時が前後する場合もあります。 ※一部の話のみムーンライトノベルズ様にも掲載しています。 ■追記 R6.02.22 話が多くなってきたので、タイトル別にしました。タイトル横に「※」があるものは性的描写が含まれるお話です。(性的描写が含まれる話にもこれまで通り「※」がつきます) 誤字脱字がありましたらご報告頂けると助かります。

【完結】冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさないっ

北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。 ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。 四歳である今はまだ従者ではない。 死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった?? 十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。 こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう! そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!? クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

処理中です...