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第1章
30.反省と闇(カマエル)
しおりを挟む「あー、クソ…」
天界にある屋敷に帰った俺はドカッといくらするかわからないソファーに沈みながら思わずついた悪態に苦い笑いが出る。
一目惚れだった。
今まで愛だの恋だの馬鹿馬鹿しいとしか思っていなかったあの時の俺はベルに逢ってからその想いは己ではどうしようもできないものだと知った。
離れていると会いたいと思い、つい用もないのに足を運んでいる。
帰れと何度言われてもベルの瞳に俺が映っていたら満足だった。
満たされているのは幸せだと知った。
それも俺が成長していくごとに足りなくなり、触れたいと男の欲望が顔を出すようになった。
初めて触れたベルの肌はきめ細かく白く、すべすべしていて吸い付くような陶磁器のようで我を忘れそうになった。めちゃくちゃにしてやりたいという欲望を抑えるのに必死だった。ベルの肌はずっと触っていられる。
好きだ。
この気持ちはずっと変わらない。
それなのに…だ………
はぁ…ベルの泣きそうな何かを堪えているような顔が頭から離れない。
ベルは誰かと一緒にいることが安心するみたいで俺がそばにいるとふと嬉しそうに笑う顔がとても可愛い。
そんなベルにあんな顔させた己が腹ただしい。
元はと言えば俺自身が蒔いた種だ。
ここ最近、ベルが俺の好きにさせてくれるからつい調子に乗って踏み込んでみたらこのザマだ。
ベルは元来警戒心が薄い。
だからこそ精一杯の虚勢で自分が自分でいられるラインのギリギリを保っている。
それは見ていて酷く危うくて、でもそこが可愛くて、ついつい不必要に構ってしまう。
その警戒心の薄さは俺だけにすればいいと。
少しずつ距離を詰めて、そして触れて……優しさなんてものはどこかに置き忘れてきてしまった。
優しくしようと思ったが、一度触れると歯止めが効かずもっともっとと求めてしまう。優しくなんてしてやれなくて酷く、激しくして気づけばベルがぐったりなんでこともよくある。
触れた唇は熱く、冷たい俺の唇にじんわり熱を与えてくれる。舌を絡ませればうぶで顔を真っ赤にしながら、精一杯で答えてくれる。いじらしい姿に俺の血が沸き立つ。お陰でいつも下は元気だ。
うまく息継ぎができなくてはふはふとキスの合間にしてるはとてもかわいい。
いっぱいいっぱいになって目に涙を浮かべている姿は俺の性癖にズンと刺さる。
下が、張り詰めすぎて痛い。
ベルは何度やっても息継ぎは上達しない。でもそれはそのままでいいとすら思う。そんな彼が愛おしい。
まだキスとナニのお世話しかしてないがいずれはベルの全てを貰うつもりだ。心も身体も俺なしでは生きていけなくなればいい。
壊れたらちゃんと最後まで俺がお世話してあげるから。
早く、早く、…俺の元に堕ちてくるがいい。
次は優しくするから逃げないでくれ。
どんなに泣いて嫌がってももう逃してやれない。
だからはやくお前から俺を求めてくれ。
そうすれば俺はお前に酷くしないで済むから。
愛している。ベル…
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更新がなかなか出来ずすみません。
思うように執筆できておらず…
更新が止まらないように執筆していきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。
ここでやっとカマエルのもう一つの本性が出てきました。
ヤンデレですね…
ベル、がんばれ!
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