4 / 53
第1章
3.出会い
しおりを挟むはじめて、あいつ…カマエルに出会ったのは僕がまだ小さい頃。
その頃にはもうすでに僕は1人で、お花を眺めるのが日課になっていた。
そんな日課を邪魔する冬が魔界にはある。
冬がやってくると僕の日課はできない。
なぜかと言うと冬は花たちがなりをひそめてしまうのだ。
魔界の冬はとても厳しい。
魔界は一年のうち半分は冬になる。
日射時間がグッと減り、気温も人間だと活動できないほどまで下がる。
魔族は熱や寒さに耐性があるため動けないこともないがそれでも好き好んで外に出る奴はいない。
だんだん夜の時間が短くなり朝が来るようになると春の訪れといわれる。
冬の間は花を閉じ彼等は身をひそめる。
僕自身も外に出られなかったため、春の訪れと同時に僕は逸る気持ちのまま彼等の元へ駆けていった。
彼等は今年も厳しい冬を乗り越え凛として花を咲かせていた。
そんな彼等を眺めていたある日、
僕以外のいない花畑に誰かが来る気配がして振り返ると、
肩まで伸ばした金の髪をなびかせ、大きな白い羽根をたたみながら空から着地した天使だった。
あまりにも魔界に不釣り合いで神秘的であったため、
不覚にも僕はその姿に見惚れてしまった。
それが僕とカマエルの出会い。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる