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プロローグ

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僕は悪魔。
でも出来損ないの悪魔。


他の悪魔達と違って争い事は嫌い。
みんな仲良くしてほしいと思うけど、血の気の多い種族なのか、人間と争いが絶えない。
同種間でもどっちが強いか、上か下かで常に争ってる。


正直誰が誰より強いだなんて僕はさっぱり興味が無い。


そんな僕は悪魔達にバカにされてばかり。
悔しいと思うことはあるけど、だからといってどうかしようなんて思わない。


だから僕の友達は道端に咲く花たち。
どんな環境でも力強く上を向いて生きる花達が好きだ。


いつから好きだったのかはっきりと覚えていない。
僕には幼い頃の記憶がない。
すっぽりと抜けていて、本当になにも覚えてない。
家族のことですら。


僕はいつから1人だったのだろうか。


家族は…両親は兄弟はいたのだろうか。


全ての答えは記憶とともにある。
僕が知る術は全てを思い出すこと。

でも思い出そうとすると途端に怖くなる
動悸が激しくなってどうしようも無い不安に押しつぶされそうになる

だから知りたいような知りたくないような…
どっちつかずな感情を僕はずっと持て余してる。


だから、そのまま…
代わり映えのない日常を過ごしていた。



そう、
アイツが現れるまでは





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