便箋小町

藤 光一

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河童編

14 交渉はおまかせを

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 チップを置き去りにした僕らは、目的地の大学病院へと車を走らせる。
辺りは黒雲のようにどんよりと暗く沈み、影すらも飲み込む。
雨のせいで時刻を把握出来なかったが、曇天の向こうにある太陽は沈みきっているのか。
バトンを受け取るように代わり受けた月が今、空を登って泳ごうとしているのだろう。
分厚い雲と豪雨で星は見えない。元々、然程星空が見える街では無いのだが。
いざ、見えないとなると物寂しさすら感じてしまいそうになる。

 辺りは街中ではあるにも関わらず、今は何故か行き交う車も歩行者も居ない。
まるで皆、この道を避けて通っているのか。はたまた真夜中の田舎道を走っている程、静かな道だ。
大通りも面しているこの大学病院は、決して人通りが少ないわけではない。
ここまで異常な程、人が居ないのはかえって不気味だ。その不自然が感情を硬直させる。
恐らくこの現象を作り出しているのは、河童たちか社長のどちらかだ。
被害を最小限に抑える為に、人の領域では届かない力の何かでも作用しているのだろう。
まぁ、こちらとしてはとても都合が良いのは違いない。
さっきまでの戦いによりフロントガラスが砕け、車体全体もボコボコの状態で爆走しているのだ。
仮に僕が警察官だったら、真っ先に呼び止め応援を呼ぶところだ。
平日の夕方にも関わらず、僕達の周りには警察どころか人っ子一人居ないのだ。
だからこそ社長は、躊躇する事なくアクセルを踏むのだろう。
ふと、そういえば気付いた事が脳裏に浮かび、脈絡無く僕は社長に尋ねた。

「そういえば、チップの事は良いんですか?」

 一頻り進んでから言うのも何だが、相変わらず僕はシートベルトを握りしめながら聞いた。
爆走する車に沿うように突拍子も無く襲い来る重圧に耐える必要があるからだ。
それよりも、青看板にぶつかり道路のド真ん中にくたばっているアイツが少しだけ心配になった。

「む?あいつか。それなら心配無いぞ。」

 そう社長が安堵を誘うように言葉を返す。
そして、指揮棒を振るうようにクイッと親指を立てながら後ろへと視線を誘導させる。
僕は誘われるがままに、社長が指し示した方へ視線を向けるところで一言添える。

「あの阿呆なら、しっかり着いて来てるではないか。」

 と、よく見るとキッチンカーのバンパーには黒い影みたいな物がガッチリと結びつけられていた。
その影の尾を目で追ってみると、ボロ雑巾のように成すがままに引っ張られているチップが居た。
居たと云うよりは、転がされているというか。車の運転に合わせて俯せと仰向けを繰り返している。
まるで西部劇で見るような人の足を縛って、馬に引き摺られている光景のようだ。
時折、「あぅ、ぶふぅ。」などと鈍い呼吸を潰したような声を漏らしながら引き摺られている。

「って、おぉぉぉおぉおおおいい⁉︎何やってるんですか、社長⁉︎」

「何って、道路のド真ん中で阿呆が寝てたら邪魔であろう?」

 一体何に怒っているのだと言わんばかりに、社長は不服そうな顔で覗き込む。
運転が落ち着いてきているのか、頬杖をつきながら「ちっ」と舌打ちを交えながら運転をする程だ。

「あれ、引き摺ってるだけですって!引き上げてあげましょうよ!」

「私の使い魔として役目を終えたのだ。しっかりと後処理として回収し、他人にも迷惑も掛けていない。
むしろ、君に怒られるどころか感謝されるべきとこだと思うがな。」

 深めの溜め息は、怪訝そうな態度と苛立ちがブレンドされており社長の顔はご機嫌斜めだった。
ブライダルカーに繋がれた空き缶のように、転げ回るチップの扱いはモノ同然だ。
光景を見る限り、そんな華やかでもハネムーンをイメージするような状況では無いが。
怒りとはまたベクトルが違った力が指の先まで伝わり、思わず荒げてしまう。

「だったら、言って下さいよ!引き上げますから!」

 そうして僕は、幼女の文字通りである命綱となって結ばれた影を引っ張り上げる。
引っ張り上げる度に、チップは転がり回っているが今は気にしない事にしよう。
僕はそっと眼前に映る現実を背けるように目を逸らしながら、黒い尾を徐々に手繰り寄せる。
ゆっくりと少しずつチップの傷付く身体を車へと引き寄せていった。

「ふむ、凸凹コンビかと思ってはいたが案外噛み合うじゃないか。」

「冗談じゃ無いですよ。この悪魔と一緒に居たら、頭が悪く、なりそーーう、ですッ!」

「はっはっはー!そいつは良いじゃないか!頭を柔らかくするのも悪くない運動だぞ、垂くん。」

 漸く引き摺り上げたチップは、魂が抜け落ちたようにぐったりとした状態だった。
普通の人間なら即入院レベルの瀕死だったろうが、どうやら気絶してるだけのようだ。
そんな中、社長はハンドルを強く握り締めながら、瞳を閉じ大きく高笑いをしていた。
彼女としては、僕とチップの化学反応に驚きと併せて見繕っていた自分のロジックに噛み合ってきたのだろう。
その歯車はいびつだ。素人目でもガタガタで摩耗される事もなく、研磨なんてままならない。
謂わば、まだ荒削り。一週間程度で息の合ったバッテリーなんて出来たもんじゃ無い。
僕も寄り添う気も無いし、あいつだって我が物顔の感情がなければ苦労しない。
ただ、この馬鹿だって仲間だ。馬鹿だけど河童の襲撃を守り、身体を張ってくれたんだ。
骨くらい拾ってやるのが礼儀だろう。

「そうですね、それなら、うんと砂糖の効いたカフェオレが飲みたいです。」

「コーヒーならメルに頼むと良い。あいつの方が淹れ方は上手い。・・・それにだ。」

 そう言うと叩きつけるようにブレーキペダルを強く踏み込み、高速回転していたタイヤを急激に抑制させる。
雨で濡れた路面のせいでタイヤは摩耗を許す事なく、スリップしてしてしまう。
それでも社長は動じずに忙しなくもハンドルを回しながら、スピードを緩めさせていた。
当然、車体は何度も大きくスピンを繰り返しながら、回転を止める独楽のように車を停める事が出来た。
その光景はアクション映画宛らのワンシーンのようでもある。僕は思った。
二度とこの人にハンドルを握らせてはならないのだ、と。強く十字を切りながら、そう思った。

「目的地は、ここのようだな。」

 辺りは、すっかり陽が落ちたのだろう。真っ暗となった街には街路灯がチラチラと照らさせていた。
目の前に見えるのは、大きく佇む大学病院。白を基調としたこの付近では一番大きな病院だ。
それ故に、利用者も多い事から駐車場には常に警備員が居るくらいだ。
なのに今日は警備員どころか、通院の為に訪れている者も通行人すらやはりここでも見当たらない。
抜け殻のように放置された車だけが残されており、この一帯だけまるでゴーストタウンのように静まっている。
雨さえ無ければ、しんと無音に作られた空間は擦れる砂利すら反響してしまいそうだ。
これは一体どう言う事なんだ・・・。なぜこれだけ大きな病院がここまで静まり返っているんだ。

「社長・・・、これは一体・・・?」

「どうやら舞台は用意してくれたらしいな。見たまえ、周りの状況を。」

 社長にそう言われ、周りを見渡す事でようやく気付く。
人が倒れている。一人や二人では無い。恐らく通院や入院などで訪れた利用者たちだ。
壁にもたれ掛かるように眠る者、床や地べたに倒れ込むように眠る者。
“舞台を用意した“と云うのは、これは河童たちの仕業なのか。所謂“妖術“とでもいえば良いのだろうか。
漫画でも良くあるご都合主義は、ここでも活躍しているみたいだ。
そして、人々の代わりに病院の正面に立ち並ぶのは、行手を阻むようにずらりと一列に並ぶ河童たち。
威勢良く敵意剥き出しで構える軍勢は、三十体程度では収まらない。五十、いや七十体程は数えられる。
軍勢の中央には、杖を突く年老いた河童が見える。身体を包み込むようにローブを羽織り一際目立つ。
包み込んだローブを括るように植物等で加工された首飾りを身に着けていた。
形容するならば、それはシャーマンのような身形であり、何かを奉るような佇まいにも見える。
その者を守るように他の河童たちよりも装飾が豪華な矛を携え、神官を守るガードマンのような者も居る。

「河童の・・・、軍勢・・・。」

 目の前に映る光景は、一種の恐怖。以前のトリビュートのような強大な個による恐怖とはまた違う。
数を率いれた恐怖。僕は、思わず息を呑んだ。不利な状況はその数だけではない。
奴らが戦闘する環境としても最適に作られている。逆に、こちらは戦える者がゼロに等しい。
社長は、力の源でもあるいんを作る事が出来ない。
チップたちのように誰かに分け与える、もしくは解放するような印は作れても自分の印を作れない。
足元を囲うように印を作らなければならないのだが、この大雨のせいで安定して作り出せないのだ。
圧倒的な戦力差。戦える人数も力もいかに乏しいかは、素人の僕でも明白である。
ここで抵抗しようものなら、海に砂糖を混ぜ込むような浅はかな無駄な抵抗だろう。
それでも社長は、立ちはだかる軍勢を前にしても表情は歪ませる事なく、じっと奴らを睨んでいた。
腕を組み、肩にかけていたスーツジャケットを靡かせながら。
それはまるで、獰猛な野生動物と対峙する時の威嚇。虚勢とも捉えられる防衛本能。
社長にはまだ策があるのだろうか。この戦況を打破する突破口が彼女の頭の中には構図出来ているというのか。

「新人・・・。」

 肩に居座っていたメルが重い腰を下ろすように呟く。
メルもすっかり疲れ切っている。少し休んでいたとはいえ、疲弊したその身体はとても本調子とはいえない。
少なくとも、先のような変身して戦うパフォーマンスは残っていないだろう。
唯一まともに戦えるのは、印が作れない社長のみ。
メルは、すっかり雨で濡れてしまったトップスの長い髪がつつくように合図を送り、視線を誘導させる。
彼が仕向けた視線の先には、年老いた河童のすぐ傍に居る側近の河童だった。
その河童は、少年を抱き抱えていた。魔法でも掛かったかのように深い眠りについているように見える。

「あの子は・・・、もしかして。」

「そうだな、垂くん。彼がおそらくトリヤマミズキくんであろう。まさかここまで準備が早いとはな。
田舎風情が、やってくれる・・・。」 

「けど、なんだってまた奴らは、トリヤマくんを?」

 彼らが抱えているのは、おそらく僕らが探していたトリヤマミズキだ。
今回の目的であるコツメの依頼された届け先でもある。
そう、気になるのは奴らの行動だ。尻子玉を取り戻すだけなら、こちら側に居るコツメを捕まえればいい。
けれど奴らは僕達より先周りをし、その尻子玉の持ち主であるトリヤマくんを何故、手中に収めた?
社長は、一層睨んでいた瞳を更に鋭利にさせながら、立てた親指を少し噛む。

「知れた事・・・。奴らはミズキくんを交渉材料にする気だ。」

 雨に紛れて、社長の舌を切る音が微かに響く。
どうやら奴らは、ただの武闘派で田舎者という訳では無いようだ。それなりに頭も切れる。
何よりも身柄を使った交渉手段は、こちら側として手が出しにくくなる。
歪ませるのは、判断能力。仮に尻子玉を手渡したとして、彼らは潔く引き下がるだろうか?
トリヤマくんの身柄もそう。無事に返してくれるという保証は無い。
社長の尖らせた唇には苛立ちが塗られていた。勝機があったのはトリヤマくんと合流している事。
尻子玉を戻し、トリヤマくんを河童たちから退けるのが得策だった。しかし、奴らは一枚上手だった。
いや、奴らは僕らよりも二手早く進行し行く手を阻む作りに策を講じていたんだ。

「社長・・・。どうしますか?」

「ふぅ・・・。」

 そう聞いた僕は、眉間を寄せた社長へと声をかける。浅く深呼吸をし、少しの間だけ俯く。
刹那の間だけ閉じた目を開き、腕を組んだ姿勢は変える事なく顔を上げた。

「随分と準備が良ろしいようで、ご長老。わざわざ探す手間が省けて助かる。」

 降り注ぐ雨を貫くように大きな声で、ゆっくりと河童の群れへと社長は前進する。
中央に佇む年老いた河童は、社長の声が届いたのか片眉を上げた後にか寂れた嘴を開く。

「キツネ風情め、よう暴れよるわい。」

「前菜のようなウォーミングアップと考えれば、丁度良い運動さ。」

「相変わらずの減らず口だな、キツネよ。まぁ、良い。我らがここにおる理由は察しておるのだろう。
我らの目的は、ただ一つ。コツメ・・・、尻子玉をこちらに。」

 彼はこの河童の軍勢のおさなのだろう。社長も「ご長老」とも呼んでいた。
そして、ここでも社長とは顔触れがあるようだった。けれど決して仲慎ましくとは言い難い。
お互いに距離を取り、干渉はしない。特に面倒事を好まない社長の事だ。触らぬ神に、というスタンスだ。

「ご長老、残念だがその要望は半分しか叶える事が出来ないだろう。」

「・・・どういう意味だ?」

 掠れ交じりの重い声色を発する河童の長老は、素人目でも殺気の篭った刃物をチラつかせるようだった。
彼の一言で全てが始まる。正に鶴の一声で、河童の群れが押し寄せてくるか退いてくれるか。
事を荒立てたくないのが僕の心境ではあるのだが、社長やあの長老はどうか。
それでも彼女は覇気を緩める事無く、堂々と言葉を発する。

「尻子玉は返すさ。貴様らでは無く、その大事そうに抱えている少年にな。」

「馬鹿が。人の街に住み着いてからに、ぬるま湯を浴び過ぎたようの。
この人の子が大事なのはお主かて、そうであろう?」

「生憎、仕事なんでね。私の名は、便箋小町の飛川コマチ。
チャチなプライドや私用は持ち合わせないようにしている。」

「・・・して、コマチ。この状況、どうすると?ブツはこちらにある。
手渡せば、我らも退くと言っているのだ。抵抗すれば、などと考えずともわかるだろう。」

 河童の長老は、冷静だった。明らかにこちらが不利である。
並大抵の者なら奴らに従うのが筋だろう。けれど、彼女も彼女で眉一つ歪んでいなかった。
ただ淡々と、組んだ腕を指で叩きながら何かを数えるように。いや、何かを待つように。

「ご長老も相変わらず硬いな。世は変化して、進歩するものだ。人は世という言葉があるだろう?
貴様らは、仕来りと云うで自分達を縛っているのだよ。」

「若者の御託など、後でいくらでも聞くさ。重ねて聞く。コマチよ、返答を聞こうじゃないか。」

 長老は手を差し伸べるように、問いただす。
しかし、その質問に二択は無い。孤立を促された答えしかないのだ。
「尻子玉を差し出す事」しか選択肢は無いに等しい。断れば、目の前の軍勢が押し寄せる。
僕から見てもたちが悪い。こちらとしては、下手に刺激を与える事ができないからだ。
暫くの無言の中、静寂では無いのはこの雨のせい。社長も腕を組んだまま、ただ瞳を閉じるのみ。
雨は降り止むことは無い。ただ無慈悲に無数の雨粒が大地を穿つ。
すっかり濡れて冷えた身体は、つい反射的に身震いを起こしていた。
雨で濡れた服はじっとりと重くなり、額から溢れる冷や汗すら隠してしまう。
それでも、戦の火蓋を開けるか否かは社長の返答にかかっている。

「どうした、コマチよ。黙っていては、話は動かんぞ?」

 痺れを切らした長老は、追い討ちを積み立てる。
ゆっくりと音もなく手を上げた長老は、周りの兵たちに何かの合図を送るような仕草をした。
傍の河童の兵は、携えていた矛を抱き抱えていた少年の首元へとその切先を向け始める。

「・・・三つ、数えてやろう。すまないの、田舎者は気が短くてな。」

 掠れ交じりの声を加えた後、長老は三本の指を立てカウントを刻む。
つまりそのままの沈黙もノーと下され、彼らに対するノーを答えても少年の首は切り捨てられてしまう。
それでも尚、体勢を変えない社長は沈黙を刻み続ける。

「社長、これはいよいよですよ。ここはやっぱり・・・。」

 僕も焦りからか、社長の沈黙に痺れを切りそうになっていた。
社長は一体、何を考えているのだろうか。この状況下を一変させるような手が残っている?
それでも社長は、泥舟に乗った気分で等と云ってはいたが果たして。

「一つ・・・。」

 長老は軋むように嘴から、鈍い声を吐いた。
立てていた三本の指の内、見せびらかすように中指をゆっくりと折り曲げていた。
無情にもカウントは進む。決断のカウント。僕も含めて、ここに居る者全てが社長に掛かっている。

「ふん・・・。」

 一つ、呼吸が漏れる。
それは、長い沈黙を刻んでいた張本人である社長の口から溢れた吐息だった。
まるで何かを思い出し笑うかのように、思っていた以上にその一言は軽く弾んでいた。

「漸くか。私を待たせるとは、田舎妖怪を見習うべきじゃないか?」

 と、雲を見上げるように社長は誰かに言葉を投げかける。
ここに見える者に話しかけてるとは思えない。第三者?新手?これが社長が残した秘策か。
社長の視線を追うと、漸く僕はその存在に気付く。
僕達を、いや病院全体を取り囲うように人影がそこにはあった。あれは全て人なのか。
全員揃えるように黒いスーツで身を包み、腕を後ろに組んだまま傘も差さずにいる。

ババババババババババババババッ

 頭上に見えたのは、プロペラを爆音で回転しながら鳴らすヘリコプター。
煌々と大きなサーチライトを僕達に向けて、突如として現れた。
一体何が起きたのだろうか。自衛隊でも警察と云うわけではないのは確か。
となると、この状況を引き起こしたのはまさか・・・。

「レディーーーーーーース、アーーーーンッ、ジェトルメーーーーン!」

 汽笛のようなハウリングを交えながら、高らかにその声は鳴り響いた。
雨も風にも負けず、やけにテンションの高いその声は男性のものだった。
けれど姿は見えない。河童たちも動揺しているのか雲を掴むようにキョロキョロと慌てている。

「どうやら、三つも刻む必要は無かったようだな。済まないが話し合いは以上だ。
さて、役に立ってもらうぞ・・・。なぁ、テンジョウよ!」

 これは咄嗟に引き起こしたものではない。おそらくこれは、社長が仕込んだもの。
形勢逆転を狙った策。降り注ぐ雨すらも払い除ける奇策。謀った目つきで社長は、天上を見上げていた。 
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