フローブルー

とぎクロム

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 高二の頃—。
 俺の世界は、まだいくらでも青く、まったくの未知と可能性に満ちていた。
 いつか自分も家族を持つことがあるのかと、漠然と考えては、まだまったく自分には関係の無いことだと思い、同級生たちとバカ話に興じる。
そんな、ごく普通の輪の中にいた。
 「——紺」
 ぐいっと腕を取られる。
 「ちょ…」
 竜慈に輪から引っ張り出された俺は、慌てて自分のスクールバッグを取る。
 「またなっ」
 友人たちは、やわく手を上げたりして、俺たち二人を見送った。
 廊下を熱風が通る。
 どこかで吹奏楽部が、コンクールに向けて熱心に楽器を吹き鳴らしていた。
 暑い…。
 暑い、夏だった―。
 
   ********

 「…紺さん…入れて?」
 ぐずった子のように首を振る。
 「入れて?…ね?」
うなじを舐める。
 びくりと腰が揺れた。
 ——かわいい。
 ぐずぐずに濡れた足の間に力を入れて、必死に抗う。
 入口は、待ちわびたように口を絡めてくるのに…。
 もう一度…噛んだ。
 「ぅあっ…」
 高い声と一緒に、腰が崩れる。隙をついて身体を入れた。
 濡れた中が気持ちいい。
 「ん…」
 逃がさないように、腰を強く引き寄せた。
 「…ひ…ぁ」
 悲鳴に近い声で、それでもグッと何かに耐えようとしている。
 奥へ奥へと、もっと入りたい。
 「…せぃ、じ…」
 ぐぅっと突き当りに当たる。
 「んぁっ」
 「気持ちいい?」
 耳朶じだに口づける。
 中が甘く鳴く。
 「…っ…」
 気持ちいい…。
 おれの、
 
 ********

 背に覆いかぶさりながら、熱く腰を打つ。
 身体を揺すられ、中をこすり上げられる感覚に、翻弄ほんろうされる。
 身体が馬鹿になったように、ひっきりなしに引くついている。
 腰を打たれる。
 はらをこじ開けられる。
 中に—。
 「やっ、ダメだっ」
 振り仰ぐ。
 熱い。熱い瞳。
 俺の…、
 俺の中で、何かが弾けた。
 それは、青磁のモノだったかもしれないし…、俺の。
 俺の、オメガとしての何か、だったかもしれない。

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