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俺らの出会い
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~ある都会の交差点~
ある日、ある時。車にはねられて怪我をしてる赤い犬(?)が交差点にいた。
人々は犬に気付かず盛んに街の交差点を行き来する。
犬は道行く人混みの中、人々に蹴られて苦しんでいた。
早朝通勤する人や、学校を通学する人がどんどん増えていく。
人混みのせいか、人々は犬に気付かずに通り過ぎていく。
・・・・・・ある青年が、違う道から歩いてく。
遠くから交差点を見て、青年は目を見開いて走っていった。
(犬?)「く、クゥーン・・・キャンッ」
ゲシッ、ドサッ
(青年)「大丈夫か、わんこ!クソッ、人混みのせいで動けない・・・!」
(犬?)「ギャウッ、ギャンッ!」
ドサッ、ゴロゴロッ
(青年)「よしっ、人の少ない所に出た!・・・喜んでいいか分かんないけど、
早めに助けなきゃ!」
ゴソゴソッ
青年は人混みを抜け出し、犬の側に駆け寄った。
(青年視点)
(青年)「わんこ、大丈夫か⁉︎ おい、しっかりしろ!」
(犬?)「クゥ・・・?う、ゔゔぅ~、グルルルル・・・」
(青年)「落ち着け、俺はお前を蹴ったりしない。助けるだけだ」
犬は青年の言葉を理解したようで、威嚇しなくなり、ぐったりした。
そして、俺は人の少ない道路の傍に寄った。
(青年)「お前、後ろ足の片方とお腹、酷い傷に酷い出血じゃん!
ちょっと待ってろ、手当てしてやるから!えっと、包帯包帯・・・」
ガサゴソ・・・
俺は背負ってるリュックの中を手探り回し、包帯を探した。
俺は、すぐ転んだり痣を作ったりする為、色々な手当て道具を持っている。
(青年)「あった!よし、少し足を上げるからな。
ちょっと痛いかもだが、我慢してくれよ~・・・・・・よし。
次、お腹な。少しばかり我慢してくれ・・・」
くるくる・・・
俺は、チラッと犬を見た。俺は、目を見開いて驚いた。
・・・なんと、涙を流して泣いていたのだ。
(そんな、犬が人間みたいに涙をを流すわけ・・・)
そう思って目をこすって、瞬きをしてみた。
だが、犬は泣いたままだった。
俺は手当てを済ませ、とりあえず犬を抱き上げた。
(青年)「お前・・・本当に犬なのか・・・⁉︎」
(犬?)「ち、違う・・・僕は、犬じゃない・・・」
(青年)「ギャァァァァアァァアア‼︎‼︎ 喋ったぁぁぁぁぁあ‼︎‼︎
って、犬じゃないのか⁉︎と、とにかく他の人に知られたら大変な事になる。
とりあえず、俺のリュックの中に入って。安全な所に連れてってやるから」
(犬?)「で、でも・・・」
(青年)「つべこべ言わず、リュックに入って‼︎ 悪い人に捕まりたくないだろ?」
(犬?)「うん・・・わかった」
ゴソ・・・
俺は、とにかく人の少ない場所を探して走った。中々見つからず、そして
どんどん人が増えてくる。買い物する為に人々がやって来る。
運悪くも、今日は日曜だ。そしてここは都会の為、ゴチャゴチャしたビルと
ぶっ飛んだ可笑しなパリピの店がいっぱいで、どの方向に何があるか、さっぱりだ。
ふと、人のいない暗い路地裏に出た。どうも、空き家だらけの暗い道らしい。
~暗い路地裏~
(青年)「ハァ、ハァ・・・ここら辺は誰もいないな・・・
・・・んで、お前って本当に犬じゃないのか?」
ゆっくりリュックのチャックをおろし、犬っぽい何かを出してやった。
(犬?)「うん・・・僕は犬じゃない。そもそも、僕はこの世界の動物じゃないんだ。
この世界でいうと・・・《幻獣》っていうのかな?そういう存在だよ」
(青年)「《幻獣》って・・・ユニコーンとか、鵺とか、四神獣とか?」
(犬?)「僕はユニコーン様ほど上級の幻獣じゃないけど、そんな感じ。
フェンリルって、知ってる?」
(青年)「あぁ、天地も喰らう大顎の狼だっけ。んで、そのフェンリルが
どうしたんだ?」
(犬?)「僕は、そのフェンリルの子孫なんだ。力も弱くて、体も小さいけどね。
・・・あ、そういえば、人間のお兄さん。お兄さんは、なんていう名前?」
(青年)「俺?俺は、狼牙。朧目 狼牙(オボロメ ロウガ)だ。
好きに呼んだらいいよ。お前は?」
(犬?)「僕は喰緋(クウヒ)。ほら、僕って毛皮が赤いでしょ?
それにフェンリルの子孫だから、《喰らう》と《緋》で喰緋。
僕も、好きに呼んでね。じゃあ、お兄さんは狼ちゃん(ろうちゃん)って
呼んでいい?」
(狼牙)「いいよ。じゃあ、お前はクーな」
(喰緋)「うん!・・・ところで、これからどうするの?」
クーは首をコテンと傾げ、フェンリルらしからぬ可愛い顔で聞く。
あ~・・・癒しだ~・・・って、危ない危ない。
(狼牙)「そうだな・・・クーは、寝泊まりする場所はあるのか?」
(喰緋)「んー・・・僕はどこでも寝れるからね・・・
フェンリル(狼)だし。最低でも、ゴミが少なくて人目につかない所だったら
どこでも良いんだ」
(狼牙)「そんな所で寝たらダメ!折角の綺麗な赤い毛皮が汚くなっちゃうし、
それに、なんというか・・・怪我してるし・・・心配になるから・・・
・・・だから、良ければ俺の家においでよ。それなりに広いし、汚れてないからさ」
(視点変更→喰緋)
狼ちゃんは本当のお兄さんみたいに微笑みかけてくれる。
僕、狼ちゃんにお世話になってもいいのかな・・・?
(喰緋)「僕、邪魔にならないかな・・・?」
(狼牙)「邪魔になんかならないよ。むしろ俺の癒しになってくれたらなって
思ってるよ」
(喰緋)「そっか・・・・・・うん、決めた。狼ちゃん、これからよろしくね!」
(狼牙)「つまり、来てくれるんだな?よろしくな、クー!」
ナデナデ
狼ちゃんが僕の頭を優しく撫でてくれた。とっても心地よくて、僕の頰が緩んだ。
(喰緋)「えへへ」
ある日、ある時。車にはねられて怪我をしてる赤い犬(?)が交差点にいた。
人々は犬に気付かず盛んに街の交差点を行き来する。
犬は道行く人混みの中、人々に蹴られて苦しんでいた。
早朝通勤する人や、学校を通学する人がどんどん増えていく。
人混みのせいか、人々は犬に気付かずに通り過ぎていく。
・・・・・・ある青年が、違う道から歩いてく。
遠くから交差点を見て、青年は目を見開いて走っていった。
(犬?)「く、クゥーン・・・キャンッ」
ゲシッ、ドサッ
(青年)「大丈夫か、わんこ!クソッ、人混みのせいで動けない・・・!」
(犬?)「ギャウッ、ギャンッ!」
ドサッ、ゴロゴロッ
(青年)「よしっ、人の少ない所に出た!・・・喜んでいいか分かんないけど、
早めに助けなきゃ!」
ゴソゴソッ
青年は人混みを抜け出し、犬の側に駆け寄った。
(青年視点)
(青年)「わんこ、大丈夫か⁉︎ おい、しっかりしろ!」
(犬?)「クゥ・・・?う、ゔゔぅ~、グルルルル・・・」
(青年)「落ち着け、俺はお前を蹴ったりしない。助けるだけだ」
犬は青年の言葉を理解したようで、威嚇しなくなり、ぐったりした。
そして、俺は人の少ない道路の傍に寄った。
(青年)「お前、後ろ足の片方とお腹、酷い傷に酷い出血じゃん!
ちょっと待ってろ、手当てしてやるから!えっと、包帯包帯・・・」
ガサゴソ・・・
俺は背負ってるリュックの中を手探り回し、包帯を探した。
俺は、すぐ転んだり痣を作ったりする為、色々な手当て道具を持っている。
(青年)「あった!よし、少し足を上げるからな。
ちょっと痛いかもだが、我慢してくれよ~・・・・・・よし。
次、お腹な。少しばかり我慢してくれ・・・」
くるくる・・・
俺は、チラッと犬を見た。俺は、目を見開いて驚いた。
・・・なんと、涙を流して泣いていたのだ。
(そんな、犬が人間みたいに涙をを流すわけ・・・)
そう思って目をこすって、瞬きをしてみた。
だが、犬は泣いたままだった。
俺は手当てを済ませ、とりあえず犬を抱き上げた。
(青年)「お前・・・本当に犬なのか・・・⁉︎」
(犬?)「ち、違う・・・僕は、犬じゃない・・・」
(青年)「ギャァァァァアァァアア‼︎‼︎ 喋ったぁぁぁぁぁあ‼︎‼︎
って、犬じゃないのか⁉︎と、とにかく他の人に知られたら大変な事になる。
とりあえず、俺のリュックの中に入って。安全な所に連れてってやるから」
(犬?)「で、でも・・・」
(青年)「つべこべ言わず、リュックに入って‼︎ 悪い人に捕まりたくないだろ?」
(犬?)「うん・・・わかった」
ゴソ・・・
俺は、とにかく人の少ない場所を探して走った。中々見つからず、そして
どんどん人が増えてくる。買い物する為に人々がやって来る。
運悪くも、今日は日曜だ。そしてここは都会の為、ゴチャゴチャしたビルと
ぶっ飛んだ可笑しなパリピの店がいっぱいで、どの方向に何があるか、さっぱりだ。
ふと、人のいない暗い路地裏に出た。どうも、空き家だらけの暗い道らしい。
~暗い路地裏~
(青年)「ハァ、ハァ・・・ここら辺は誰もいないな・・・
・・・んで、お前って本当に犬じゃないのか?」
ゆっくりリュックのチャックをおろし、犬っぽい何かを出してやった。
(犬?)「うん・・・僕は犬じゃない。そもそも、僕はこの世界の動物じゃないんだ。
この世界でいうと・・・《幻獣》っていうのかな?そういう存在だよ」
(青年)「《幻獣》って・・・ユニコーンとか、鵺とか、四神獣とか?」
(犬?)「僕はユニコーン様ほど上級の幻獣じゃないけど、そんな感じ。
フェンリルって、知ってる?」
(青年)「あぁ、天地も喰らう大顎の狼だっけ。んで、そのフェンリルが
どうしたんだ?」
(犬?)「僕は、そのフェンリルの子孫なんだ。力も弱くて、体も小さいけどね。
・・・あ、そういえば、人間のお兄さん。お兄さんは、なんていう名前?」
(青年)「俺?俺は、狼牙。朧目 狼牙(オボロメ ロウガ)だ。
好きに呼んだらいいよ。お前は?」
(犬?)「僕は喰緋(クウヒ)。ほら、僕って毛皮が赤いでしょ?
それにフェンリルの子孫だから、《喰らう》と《緋》で喰緋。
僕も、好きに呼んでね。じゃあ、お兄さんは狼ちゃん(ろうちゃん)って
呼んでいい?」
(狼牙)「いいよ。じゃあ、お前はクーな」
(喰緋)「うん!・・・ところで、これからどうするの?」
クーは首をコテンと傾げ、フェンリルらしからぬ可愛い顔で聞く。
あ~・・・癒しだ~・・・って、危ない危ない。
(狼牙)「そうだな・・・クーは、寝泊まりする場所はあるのか?」
(喰緋)「んー・・・僕はどこでも寝れるからね・・・
フェンリル(狼)だし。最低でも、ゴミが少なくて人目につかない所だったら
どこでも良いんだ」
(狼牙)「そんな所で寝たらダメ!折角の綺麗な赤い毛皮が汚くなっちゃうし、
それに、なんというか・・・怪我してるし・・・心配になるから・・・
・・・だから、良ければ俺の家においでよ。それなりに広いし、汚れてないからさ」
(視点変更→喰緋)
狼ちゃんは本当のお兄さんみたいに微笑みかけてくれる。
僕、狼ちゃんにお世話になってもいいのかな・・・?
(喰緋)「僕、邪魔にならないかな・・・?」
(狼牙)「邪魔になんかならないよ。むしろ俺の癒しになってくれたらなって
思ってるよ」
(喰緋)「そっか・・・・・・うん、決めた。狼ちゃん、これからよろしくね!」
(狼牙)「つまり、来てくれるんだな?よろしくな、クー!」
ナデナデ
狼ちゃんが僕の頭を優しく撫でてくれた。とっても心地よくて、僕の頰が緩んだ。
(喰緋)「えへへ」
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