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76.遊んでくれるのは友達だよね
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前はお家が見える場所なら、好きにしていた。でも変な人が入ってくるから、ダメなんだって。今日はゼルクが遊んでくれて、高いところからお家を見たよ。びっくりした。
昨日はルミエルで、明日はサフィというお姉さんが来てくれる。その次はシュハザで、皆に真面目なお母さんと呼ばれてた。男の人でもお母さんなのかな。
「面倒見がいいからな」
笑いながらメリクが付け加えた言葉は、やっぱり僕には難しい。でもお母さんと呼んだらいけないのは、教えてもらった。男の人だし、お名前があるからお母さんって呼ばないよ。皆は遊んでくれるから、僕のお友達なの。
メリクも毎日一緒にいる時間を増やしてくれた。ルミエルが言ってた「時間はたくさんある」は、この意味だったのかな。今は遊びに来たコテツとにゃーで、一緒にお昼寝をするところ。
ふわふわの毛皮のにゃーと、ツヤツヤでしっかりした毛皮のコテツ。寄りかかったコテツが丸くなって僕を包み、にゃーがふわっと乗っかった。でも重くないの。
昔、狭い小屋にいたときを思い出した。寒いときはにゃーが温めてくれたし、精霊もそばに居たの。今も精霊がきらきらしながら、僕達の周りを飛んでいる。
「おやすみなさい」
覚えた挨拶をして、目を閉じる。にゃーと追いかけっこして、お家の前をコテツの背中に乗って走った。すごく楽しかったな。夢の中でも一緒に遊ぼうね。
目を覚ました僕は、大きなあくびをする。これは勝手に出ちゃうの。お手手で隠して、顔を上げると空が黒い色をしていた。
「雨が降る、家に入ろう」
迎えに来たメリクに頷いたけど、気になって振り返る。コテツはお外で暮らしてるから、濡れちゃうかも。お家に呼んだらダメかな。
「コテツは森の王様だ。濡れないで休める場所もある。だが、一緒にいたいなら構わないぞ」
「こてちゅ」
一緒にくる? 尋ねる僕の手をぺろっとして、コテツは後ろを向いた。お家があるなら、帰るのかな。誰かが待ってるのかも! 僕もメリクが待ってるから、分かるよ。
「またね」
ゼルクを真似して手を振る。コテツは尻尾を振って駆け出した。その背中が見えなくなったところで、にゃーの背中に乗る。大きいにゃーの上だと、メリクと手を繋ぎやすいの。お家に入ってしばらくしたら、雨の音がした。
窓に近づいて、帰ったコテツを思い出す。濡れる前にお家に入ったらいいな。
「イルが心配してくれたから、きっと間に合ったさ」
「うん」
明日はサフィが来る。抱っこされると、柔らかい胸に顔が埋まるの。いい匂いがするし、僕はサフィが好きだよ。この間は髪を結ってもらった。長くなった髪をいろんな形にしたんだ。
次は何をするのかな。わくわくする僕に、メリクが変なことを言った。
「サフィは男だぞ」
「おとこ……」
お胸が大きくて、細くて、いい匂いがするのに? 僕が知る女の人と同じ服を着ているし、綺麗だよ。綺麗で可愛いのは女の子じゃないのかな。
混乱して、食べていたご飯の手が止まる。困ったような顔をして、メリクが「男だけど女でいい」と言い出した。女でいいの? じゃあ、サフィは女の子。僕は手にしたお肉の串をメリクの前に出した。ぱくっと食べるメリクが、僕のためにお肉を葉っぱで巻く。
真似して僕も巻いたけど、あまり上手に出来なかった。でもメリクは美味しいと食べてくれたから、もっと頑張ろうと思う。
昨日はルミエルで、明日はサフィというお姉さんが来てくれる。その次はシュハザで、皆に真面目なお母さんと呼ばれてた。男の人でもお母さんなのかな。
「面倒見がいいからな」
笑いながらメリクが付け加えた言葉は、やっぱり僕には難しい。でもお母さんと呼んだらいけないのは、教えてもらった。男の人だし、お名前があるからお母さんって呼ばないよ。皆は遊んでくれるから、僕のお友達なの。
メリクも毎日一緒にいる時間を増やしてくれた。ルミエルが言ってた「時間はたくさんある」は、この意味だったのかな。今は遊びに来たコテツとにゃーで、一緒にお昼寝をするところ。
ふわふわの毛皮のにゃーと、ツヤツヤでしっかりした毛皮のコテツ。寄りかかったコテツが丸くなって僕を包み、にゃーがふわっと乗っかった。でも重くないの。
昔、狭い小屋にいたときを思い出した。寒いときはにゃーが温めてくれたし、精霊もそばに居たの。今も精霊がきらきらしながら、僕達の周りを飛んでいる。
「おやすみなさい」
覚えた挨拶をして、目を閉じる。にゃーと追いかけっこして、お家の前をコテツの背中に乗って走った。すごく楽しかったな。夢の中でも一緒に遊ぼうね。
目を覚ました僕は、大きなあくびをする。これは勝手に出ちゃうの。お手手で隠して、顔を上げると空が黒い色をしていた。
「雨が降る、家に入ろう」
迎えに来たメリクに頷いたけど、気になって振り返る。コテツはお外で暮らしてるから、濡れちゃうかも。お家に呼んだらダメかな。
「コテツは森の王様だ。濡れないで休める場所もある。だが、一緒にいたいなら構わないぞ」
「こてちゅ」
一緒にくる? 尋ねる僕の手をぺろっとして、コテツは後ろを向いた。お家があるなら、帰るのかな。誰かが待ってるのかも! 僕もメリクが待ってるから、分かるよ。
「またね」
ゼルクを真似して手を振る。コテツは尻尾を振って駆け出した。その背中が見えなくなったところで、にゃーの背中に乗る。大きいにゃーの上だと、メリクと手を繋ぎやすいの。お家に入ってしばらくしたら、雨の音がした。
窓に近づいて、帰ったコテツを思い出す。濡れる前にお家に入ったらいいな。
「イルが心配してくれたから、きっと間に合ったさ」
「うん」
明日はサフィが来る。抱っこされると、柔らかい胸に顔が埋まるの。いい匂いがするし、僕はサフィが好きだよ。この間は髪を結ってもらった。長くなった髪をいろんな形にしたんだ。
次は何をするのかな。わくわくする僕に、メリクが変なことを言った。
「サフィは男だぞ」
「おとこ……」
お胸が大きくて、細くて、いい匂いがするのに? 僕が知る女の人と同じ服を着ているし、綺麗だよ。綺麗で可愛いのは女の子じゃないのかな。
混乱して、食べていたご飯の手が止まる。困ったような顔をして、メリクが「男だけど女でいい」と言い出した。女でいいの? じゃあ、サフィは女の子。僕は手にしたお肉の串をメリクの前に出した。ぱくっと食べるメリクが、僕のためにお肉を葉っぱで巻く。
真似して僕も巻いたけど、あまり上手に出来なかった。でもメリクは美味しいと食べてくれたから、もっと頑張ろうと思う。
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