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38.精霊のお家がある森に住むみたい
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朝のご飯を食べたら、すぐににゃーを袋に隠した。僕は今日は黄色のお洋服を着る。すぽんと被せてもらい、お腹で赤い紐を結んだ。幅が広い紐はリボンと呼ぶみたい。同じ赤のリボンを首にも巻いた。
メリクが「可愛い」と褒めてくれる。嬉しくて顔がへにゃっとした。にゃーの入った袋を抱っこして、僕はメリクと宿を出た。荷物のフリをした大きな袋は、何も入ってないの。途中でご飯をいくつか買った。
あと、小石くらいの粒や砂みたいな粉も。いろいろ買ったら、そのまま街を出る。海が遠ざかると、匂いが変わった。森は緑の匂いがする。草や土の匂いだよ。
街を出たところで、にゃーを袋から出した。すぐに大きくなって、僕を背中に乗せてくれる。ふかふかの背中に抱きついた僕は、目の前を飛ぶ小さな人に驚いた。
「メリク、なぁに? これ」
「ん? 精霊達だな。もしかして、今までと違う姿に見えるのか」
精霊は僕と一緒に移動する光だ。いつも痛いのや苦しいのを消して、僕を助けてくれた。その精霊が人の形になっちゃうの? でも小さいままだし、空を飛んでるから精霊なのかな。
にゃーが声を上げた。じっと聞いたメリクが笑う。
「この地は精霊の力が強いらしい。つまり……そうだな、精霊がたくさんいるんだ」
不思議そうな顔をした僕に、メリクは丁寧に話す。嫌そうな顔はしてないし、伝わってくる気持ちも優しい。ふわふわと柔らかく、温かい感じだった。だから頷く。僕が知っている言葉で、きちんと考えないと。
精霊は弱いと光になって、強いと人の形になる。ここは精霊が強くなれるから……大好きな場所なのかな。お家なのかも。
「そうだな、お家に帰ってきたら元気になる。イルのお家も作ろうか」
「つくるの?」
僕だけで住むなら、前の小屋と同じだけど。作ったことはない。
「イルと俺、それからにゃーも一緒に住もう。もちろん精霊もだ」
精霊が元気に飛び回った。どんどん増えていくよ。仲間がいっぱいだから、やっぱり森がお家なんだね。話をする間も、にゃーは森を歩く。隣をメリクが歩いて、どんどん奥へ入っていった。
木がいっぱいで道がないの。葉っぱや緑の紐みたいなのが、いっぱいだった。塞がってるのに、メリクやにゃーが進む。すると緑の紐は勝手に解けていなくなり、葉っぱも避けてくれた。僕達が通った後は、また塞がっている。
不思議がいっぱいで、きょろきょろした。僕は小屋以外ほとんど知らないから、何でも驚いちゃう。メリクに教えてもらっても、まだ新しいことがいっぱいあった。
木の隙間が狭くなった森で、突然木が生えていない場所に出る。大きな水たまりと、青い空が見えた。
「海?」
「いや、湖だ。匂いも味も違うぞ」
にゃーの背中から、メリクの腕に移動する。抱っこで近づいた水は、透明だった。あまり揺れていなくて、匂いも魚っぽくない。手を入れたら、すごく冷たかった。
「うっ」
「雪解け水が湧いているんだろう。冷たいな」
この湖の近くにお家を作る、メリクはそう言った。僕もお手伝いできるといいな。
メリクが「可愛い」と褒めてくれる。嬉しくて顔がへにゃっとした。にゃーの入った袋を抱っこして、僕はメリクと宿を出た。荷物のフリをした大きな袋は、何も入ってないの。途中でご飯をいくつか買った。
あと、小石くらいの粒や砂みたいな粉も。いろいろ買ったら、そのまま街を出る。海が遠ざかると、匂いが変わった。森は緑の匂いがする。草や土の匂いだよ。
街を出たところで、にゃーを袋から出した。すぐに大きくなって、僕を背中に乗せてくれる。ふかふかの背中に抱きついた僕は、目の前を飛ぶ小さな人に驚いた。
「メリク、なぁに? これ」
「ん? 精霊達だな。もしかして、今までと違う姿に見えるのか」
精霊は僕と一緒に移動する光だ。いつも痛いのや苦しいのを消して、僕を助けてくれた。その精霊が人の形になっちゃうの? でも小さいままだし、空を飛んでるから精霊なのかな。
にゃーが声を上げた。じっと聞いたメリクが笑う。
「この地は精霊の力が強いらしい。つまり……そうだな、精霊がたくさんいるんだ」
不思議そうな顔をした僕に、メリクは丁寧に話す。嫌そうな顔はしてないし、伝わってくる気持ちも優しい。ふわふわと柔らかく、温かい感じだった。だから頷く。僕が知っている言葉で、きちんと考えないと。
精霊は弱いと光になって、強いと人の形になる。ここは精霊が強くなれるから……大好きな場所なのかな。お家なのかも。
「そうだな、お家に帰ってきたら元気になる。イルのお家も作ろうか」
「つくるの?」
僕だけで住むなら、前の小屋と同じだけど。作ったことはない。
「イルと俺、それからにゃーも一緒に住もう。もちろん精霊もだ」
精霊が元気に飛び回った。どんどん増えていくよ。仲間がいっぱいだから、やっぱり森がお家なんだね。話をする間も、にゃーは森を歩く。隣をメリクが歩いて、どんどん奥へ入っていった。
木がいっぱいで道がないの。葉っぱや緑の紐みたいなのが、いっぱいだった。塞がってるのに、メリクやにゃーが進む。すると緑の紐は勝手に解けていなくなり、葉っぱも避けてくれた。僕達が通った後は、また塞がっている。
不思議がいっぱいで、きょろきょろした。僕は小屋以外ほとんど知らないから、何でも驚いちゃう。メリクに教えてもらっても、まだ新しいことがいっぱいあった。
木の隙間が狭くなった森で、突然木が生えていない場所に出る。大きな水たまりと、青い空が見えた。
「海?」
「いや、湖だ。匂いも味も違うぞ」
にゃーの背中から、メリクの腕に移動する。抱っこで近づいた水は、透明だった。あまり揺れていなくて、匂いも魚っぽくない。手を入れたら、すごく冷たかった。
「うっ」
「雪解け水が湧いているんだろう。冷たいな」
この湖の近くにお家を作る、メリクはそう言った。僕もお手伝いできるといいな。
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