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36.すごく揺れるけど船酔いは平気だよ
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船はぐらぐらと大きく揺れていた。お日様が沈んだ夕方から、波が荒れてるんだって。そうすると揺れるみたい。小さな丸い窓まで波が飛んできて、何度も濡れていた。傾いてひっくり返るかと思うくらい、船が右へ左へ揺れる。
右はメリクと繋いで、左手はにゃーの毛皮に置いた。足の下が揺れるから、硬い木の床なのに柔らかく感じたんだ。やっと理由がわかったけど、すごく揺れるね。僕は一人だと転んじゃうよ。
「天気が悪いな」
うにゃー。鳴いたにゃーに肩を竦め、メリクが教えてくれた。
「この季節は台風が多いんだそうだ。仕方ないな」
「うん、僕は平気」
すごく揺れるけど、ちゃんと手を握ってもらってる。転ばないし、何ともないよ。さっき、ご飯を食べに食堂へ行ったら、他の人は気持ち悪くなっていた。驚いた僕に「あれは船酔いだ」とメリクの説明が聞こえたの。
船酔いは具合悪くなって、ご飯が食べられなくなるんだって。お薬を飲むと楽になるけど、完全には治らないみたい。可哀想だね。船を降りて地面に立ったら、気持ち悪いのは治る。揺れるから気持ち悪いのかな。
きょとんとした僕とメリクは一緒にご飯を食べて、にゃーの分をもらって帰った。船で働く人は、全然平気そうだったね。地面がある場所は、まだ遠い。僕やメリクと同じ黒い髪の人が、いっぱい住んでるの。すごく楽しみ、きっと酔ってる人も地面があるの楽しみだと思う。
「イルは優しい子だ。早く着くといいな」
「うん。船も好き」
船で働く人は、僕に優しい。にゃーと一緒に扉から顔を出していたら、お菓子をくれた。食べようとしたらにゃーが止めるから、メリクが帰ってきてから食べたの。甘くて美味しかったよ。
しばらくしたら別の人が果物をくれたの。赤くて中が黄色い果物は、食べたことがない味がした。甘いのに酸っぱいところもあって、最後に種が入っていた。種を口から出したら、にゃーがぱくっと食べちゃったんだ。
びっくりしたけど、なぜかメリクが「かんせつきす」だと怒って。にゃーが鳴いて、ケンカみたいになった。でも僕がしょんぼりしたら、二人とも仲良しに戻ったの。よかった。
船の上では、スープは出なかった。揺れたら溢れちゃうからだと思う。そう口にしたら、イルは賢いと褒められた。どろりとした茶色の食べ物が出たよ。パンに付けて食べたら、ピリピリする。これが辛い? 口の中が少し痛い。でも美味しい。いろいろ混じった匂いがした。
匂いが強いご飯が増えて、船酔いの人は大変みたい。でも僕は美味しく食べられた。嫌いなご飯はないよ。船の人とそんな話をしたら、また果物がもらえた。今度は黄色くて、中も同じ色だった。甘い匂いがする。
メリクに切ってもらい、一緒に食べた。にゃーもペロペロ舐めて、また種を飲み込んじゃったけど。硬くて美味しくないと思う。
「イルは種を食べるなよ? おへそから芽が出るぞ」
おへそはお腹の小さい穴、ここから出てくるの? びっくりした僕はご飯の後、寝転がるにゃーのお腹を撫でる。おへそから芽が出たらどうしよう。引っ張ったらいいのかな。
心配でいっぱい探したけど、芽はまだみたい。でも大変なことに気づいたんだ。
「メリク、にゃー、おへそがない」
ぷはっ! 吹き出したあと、メリクはしばらく笑っていた。僕が首を傾げると、猫は生えてこないから平気だと教えてもらう。そっか、毛が生えてるから芽は出てくる場所がないのかも。
右はメリクと繋いで、左手はにゃーの毛皮に置いた。足の下が揺れるから、硬い木の床なのに柔らかく感じたんだ。やっと理由がわかったけど、すごく揺れるね。僕は一人だと転んじゃうよ。
「天気が悪いな」
うにゃー。鳴いたにゃーに肩を竦め、メリクが教えてくれた。
「この季節は台風が多いんだそうだ。仕方ないな」
「うん、僕は平気」
すごく揺れるけど、ちゃんと手を握ってもらってる。転ばないし、何ともないよ。さっき、ご飯を食べに食堂へ行ったら、他の人は気持ち悪くなっていた。驚いた僕に「あれは船酔いだ」とメリクの説明が聞こえたの。
船酔いは具合悪くなって、ご飯が食べられなくなるんだって。お薬を飲むと楽になるけど、完全には治らないみたい。可哀想だね。船を降りて地面に立ったら、気持ち悪いのは治る。揺れるから気持ち悪いのかな。
きょとんとした僕とメリクは一緒にご飯を食べて、にゃーの分をもらって帰った。船で働く人は、全然平気そうだったね。地面がある場所は、まだ遠い。僕やメリクと同じ黒い髪の人が、いっぱい住んでるの。すごく楽しみ、きっと酔ってる人も地面があるの楽しみだと思う。
「イルは優しい子だ。早く着くといいな」
「うん。船も好き」
船で働く人は、僕に優しい。にゃーと一緒に扉から顔を出していたら、お菓子をくれた。食べようとしたらにゃーが止めるから、メリクが帰ってきてから食べたの。甘くて美味しかったよ。
しばらくしたら別の人が果物をくれたの。赤くて中が黄色い果物は、食べたことがない味がした。甘いのに酸っぱいところもあって、最後に種が入っていた。種を口から出したら、にゃーがぱくっと食べちゃったんだ。
びっくりしたけど、なぜかメリクが「かんせつきす」だと怒って。にゃーが鳴いて、ケンカみたいになった。でも僕がしょんぼりしたら、二人とも仲良しに戻ったの。よかった。
船の上では、スープは出なかった。揺れたら溢れちゃうからだと思う。そう口にしたら、イルは賢いと褒められた。どろりとした茶色の食べ物が出たよ。パンに付けて食べたら、ピリピリする。これが辛い? 口の中が少し痛い。でも美味しい。いろいろ混じった匂いがした。
匂いが強いご飯が増えて、船酔いの人は大変みたい。でも僕は美味しく食べられた。嫌いなご飯はないよ。船の人とそんな話をしたら、また果物がもらえた。今度は黄色くて、中も同じ色だった。甘い匂いがする。
メリクに切ってもらい、一緒に食べた。にゃーもペロペロ舐めて、また種を飲み込んじゃったけど。硬くて美味しくないと思う。
「イルは種を食べるなよ? おへそから芽が出るぞ」
おへそはお腹の小さい穴、ここから出てくるの? びっくりした僕はご飯の後、寝転がるにゃーのお腹を撫でる。おへそから芽が出たらどうしよう。引っ張ったらいいのかな。
心配でいっぱい探したけど、芽はまだみたい。でも大変なことに気づいたんだ。
「メリク、にゃー、おへそがない」
ぷはっ! 吹き出したあと、メリクはしばらく笑っていた。僕が首を傾げると、猫は生えてこないから平気だと教えてもらう。そっか、毛が生えてるから芽は出てくる場所がないのかも。
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