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第33章 断罪劇、いっちゃう?
279.結婚報告は波乱万丈(6)
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「キヨ、こちらのご令嬢と親しいのか?」
皇帝陛下リアムに烏龍茶を注いだカップを勧めるシンが、驚いた顔をする。オレが常にリアムの名しか口にしなかったから、別の女性が出てきたことに驚いたんだろう。
「うん。中央の国のクロヴァーラ伯爵家のパウラ嬢、リアムのお友達だよ」
ここにいても不自然じゃない理由を与えておく。お嫁さんの親友だから、心配で付いてきちゃった、てへ。を狙ってみた。なるほどとシンは納得する。いいのか? オレが言うのもなんだが……それで。
「父上がお待ちかねだ。気を引き締めて行け」
「わかってる。もし国王陛下がオレの結婚を反対したら……」
シンの忠告に、オレはにやりと笑う。反対したら、国主交代、かな。
「キヨの幸せを奪うなら、私がこの手で討ち取ろう」
「いやいやいや、そこまでは望んでない」
慌てて手を横に振る。あっぶね、ちょっと前までリアムに嫉妬してたくせに。振り切れると危ない兄だ。
「早いか遅いかだけだろ、いいんじゃないか」
無責任な発言をするレイル。お前、一応王位継承権5番目っくらいだろ。妙な発言するな。そして足元で首を出した赤龍が頷く。この国の聖獣まで了承済みって、怖いわ。ドン引きだよ。
「穏便に頼むね、お兄ちゃん」
この魔法の単語は今回もいい働きをした。目を輝かせるシンは大きく頷く。ちなみにオレが民族衣装を着ていないのは、ちくりと文句を言われた。でも譲らないと知った途端、可愛いと褒め始める。なんだろう、キャラが定まらないシンに不安しか感じないんだけど。
「謁見の広間へお越しください」
案内の侍従が現れ、大量の警護を引き連れて廊下を移動する。王宮や宮殿の廊下が異常に広い理由がわかった。こういう場面で、護衛が左右前後に広がって歩くせいだ。向かいから来た人が壁に張り付いて頭を下げるのに、どうしてこの広さが必要なのか不思議だったんだよな。
剣を抜いて振り回しても当たらない距離に警護対象を置くと、道路三車線くらいの道幅が必要らしい。中央の宮殿も似たようなものだった。今までの国で王宮が一番狭かったの、東だっけ?
右に曲がって左に、と思ったら通り過ぎる。もうすでに道がわからない。オレの後ろにじいやとベルナルド。リアムと手を繋いでいるが、その斜め後ろにシフェル。離れて先導するシン、レイルが前に見た扉の前で足を止めた。
「国王陛下がお待ちです」
あ、待たせちゃった? 音もなく開いた扉の向こうは……前回と同じ畳廊下だった。中央の毛氈の脇に、多くの貴族が集まっている。なんか、嫌な感じがした。
知ってる、こういうのをフラグって言うんだ。
皇帝陛下リアムに烏龍茶を注いだカップを勧めるシンが、驚いた顔をする。オレが常にリアムの名しか口にしなかったから、別の女性が出てきたことに驚いたんだろう。
「うん。中央の国のクロヴァーラ伯爵家のパウラ嬢、リアムのお友達だよ」
ここにいても不自然じゃない理由を与えておく。お嫁さんの親友だから、心配で付いてきちゃった、てへ。を狙ってみた。なるほどとシンは納得する。いいのか? オレが言うのもなんだが……それで。
「父上がお待ちかねだ。気を引き締めて行け」
「わかってる。もし国王陛下がオレの結婚を反対したら……」
シンの忠告に、オレはにやりと笑う。反対したら、国主交代、かな。
「キヨの幸せを奪うなら、私がこの手で討ち取ろう」
「いやいやいや、そこまでは望んでない」
慌てて手を横に振る。あっぶね、ちょっと前までリアムに嫉妬してたくせに。振り切れると危ない兄だ。
「早いか遅いかだけだろ、いいんじゃないか」
無責任な発言をするレイル。お前、一応王位継承権5番目っくらいだろ。妙な発言するな。そして足元で首を出した赤龍が頷く。この国の聖獣まで了承済みって、怖いわ。ドン引きだよ。
「穏便に頼むね、お兄ちゃん」
この魔法の単語は今回もいい働きをした。目を輝かせるシンは大きく頷く。ちなみにオレが民族衣装を着ていないのは、ちくりと文句を言われた。でも譲らないと知った途端、可愛いと褒め始める。なんだろう、キャラが定まらないシンに不安しか感じないんだけど。
「謁見の広間へお越しください」
案内の侍従が現れ、大量の警護を引き連れて廊下を移動する。王宮や宮殿の廊下が異常に広い理由がわかった。こういう場面で、護衛が左右前後に広がって歩くせいだ。向かいから来た人が壁に張り付いて頭を下げるのに、どうしてこの広さが必要なのか不思議だったんだよな。
剣を抜いて振り回しても当たらない距離に警護対象を置くと、道路三車線くらいの道幅が必要らしい。中央の宮殿も似たようなものだった。今までの国で王宮が一番狭かったの、東だっけ?
右に曲がって左に、と思ったら通り過ぎる。もうすでに道がわからない。オレの後ろにじいやとベルナルド。リアムと手を繋いでいるが、その斜め後ろにシフェル。離れて先導するシン、レイルが前に見た扉の前で足を止めた。
「国王陛下がお待ちです」
あ、待たせちゃった? 音もなく開いた扉の向こうは……前回と同じ畳廊下だった。中央の毛氈の脇に、多くの貴族が集まっている。なんか、嫌な感じがした。
知ってる、こういうのをフラグって言うんだ。
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