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第33章 断罪劇、いっちゃう?

266.根回しと策略に溺れる(3)

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 可愛いリアムが見たくて、つい化粧品とか大量にプレゼントしたけど……女性らしくなることって、今のリアムにとって危険でしかないんだ。オレが婚約者の地位を確定するまで、リアムは狙われる。下手したら婚約者になってからも……結婚式が終わるまで。

 見た目年齢的に18歳で結婚したとして、あと12年あまり。長すぎる。

「結婚式が可能な年齢は最短でいつ?」

「……32歳前後ですね」

 それより早いと、体が未成熟の状態らしい。つまり子作りができる年齢が結婚可能年齢……子を作る? ぶはっ……勢いよく鼻血が噴き出した。やばい、死ねる。軽く桃源郷が見えたぞ。なにこれ、婚約したらオレ生きていられる? 幸せ過ぎて死ぬんじゃね?

「それでも7年前後か」

 レイルが眉を寄せる。長いと考えるか、短いと取るか。この世界に来てまだ1年弱。濃密すぎる時間を過ごしたので、ちょっと時間感覚がおかしいが……。

「ん? あのさ。すぐに結婚だけしちゃって寝室別はダメなの?」

「それは夫婦と呼べない」

 シンがすぱっと切り捨てた。ああ、っと。この世界の常識だとそう考えるのか。しかしシフェルは何か思うところがあるようで、オレに先を促した。

「どういうことですか」

「参考程度だけど。オレのいた世界にも、戦ばかりの時期があったんだよ。その頃に地方大名……えっと、こっちの小国の王かな。それが政略結婚で領地を広げたり同盟を結ぶんだけど、その際は結婚年齢が10歳とか珍しくなかった。輿入れって呼ぶんだけどね。要は子作りは後回しで、同盟を使って地盤だけ固めるわけ。あとは輿入れした嫁が、人質って考え方もあったし」

 裏切った時に殺されちゃうやつ。そこは多少ぼかして説明したが、王族や高位貴族である彼らは理解したらしい。シンが青ざめてオレを後ろから抱きしめた。

「ダメだ。そんなの、キヨが殺されてしまう」

「いやいやいや。同盟破棄しなきゃ問題ないから」

「……結婚してれば危険は半減するか」

 うーんと唸るレイルが呟いた。これは良い方向へ向かってる気がするぞ。ひとまず結婚して、それから体が成長したら跡取り問題。つまり誰かにリアムを取られる確率が激減だ!

「すごく不本意ですが、貴族の政略結婚の婚約期間を結婚に置き換える考え方は合理的です。婚約より陛下の危険が少ない」

 婚約はすぐに解消可能なのが欠点だ。だが結婚してしまえば、そう簡単に離婚は出来ない。皇族ならばなおさらだった。リアムの安全と、皇族の体面のどちらを優先するか。シフェルが迷う余地はなかった。

「乗せられたようで癪ですが、一考する価値はあります。ウルスラ達と相談しましょう」

 根回しは苦手だけど、頑張った甲斐があった!! 大喜びでヒジリの上に飛び乗ったオレは、引き倒されて聖獣に押しつぶされた。
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