【完結】召喚された勇者は贄として、魔王に美味しく頂かれました

綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)

文字の大きさ
上 下
24 / 38

24.ダメだ、欲しい ※

しおりを挟む
「ふっ……ぅ」

 怠い手を言われるままに動かす。耳に囁かれる言葉は毒のように広がった。思考能力は落ちていき、代わりにアザゼルが俺の体を動かしている支配者となる。

「もっとしっかり握れ、その動きで果てるのか? 足りぬであろう」

 言われるままに強く刺激すると、全身が痺れる。見られている興奮も手伝い、徐々に濡れた音が響き始めた。ぐちゅ、ぬちゃ……恥ずかしいはずの水音が、さらに羞恥と快楽を高める。

「やっ、アザ、ゼぇ……ル。お、ねが」

 俺の手じゃイケない。無理だ。強請る俺に微笑んだアザゼルの細い指が、俺の先端をぐりっと嬲る。乱暴に感じるほどの動きに、腰がじんと痺れた。ああ、やっぱりコイツの手は気持ちいい。

「アザゼ……も、イく……っ」

「うまく出来たら、奥まで満たしてやる」

 傲慢な口調なのに、与えてくれるのはこの男しかいない。体は先に理解していた事実を、突きつけられた。滲んで涙が幕を張る瞳は、瞬きで雫を落とした。それを吸い上げるアザゼルの唇に駄目押しされ、俺は高い声を上げて果てた。

「やぁあ! イくぅ……んあぁああっ、あ、はぁ」

 虚脱感にシーツへ沈んだ俺を、アザゼルの両手が抱き締める。服の金具が触れて冷たい。引き寄せる腕に逆らわず、前を寛げたアザゼルの上に座った。寄りかかるように腕を背に回し、首筋に顔を埋める。疼く後ろの穴を撫ぜる指がもどかしかった。

「は、やくぅ」

「よいのか?」

 こくんと頷く。多少痛くたっていい。どうせ最後は分からないくらい気持ちよくなれるんだから、早く欲しかった。何かが俺の思考を鈍らせている。従ってはいけないと警告する声を無視して、俺は楽な餌に食いついた。

 怠い腰を揺らすと、くつりと喉を震わせて笑う振動が直接頬に伝わる。背筋が痺れた。ダメだ、欲しい。

「ハヤトの望みだ、しっかり食らえ」

 ずんっ! 軽く持ち上げられた腰が下ろされ、腹の奥深くまで一気に貫かれた。

「はっ……ひぃ、うぅ……んぁ」

 呼吸が乱れて苦しい。涙が伝う頬を舐める温かな舌は、ざらついていた。その感触すら気持ちいい。ぐっと引き寄せるアザゼルの腕が腰を落とさせ、自重で咥えたアザゼルの雄をあらぬ場所まで導いた。圧迫感が腹の奥にある窄まりを貫く。

「ぐっ、ああああぁ……あっ、やぁ、ああ、うン、ふっ」

 咥え込んでしまえば、今度は引き抜かれまいと食いつく。意地汚くアザゼルの先端を喰らう貪欲さに、脳も快楽で溶ける。気づいたら自分で腰を揺らし、アザゼルを積極的に味わっていた。

「奥へ出す、ぞ」

 アザゼルの声に滲んだ情欲を感じ取り、なぜか嬉しくなった。俺だけじゃない。欲しがったのはアザゼルも同じだ。だったら……いい。

 きゅっと輪を締めるようにアザゼルを絞った内壁に、熱が叩きつけられた。自分でも何を言ったのか覚えていない。甲高い声と、獣のように貪られたことだけ……ぼんやりと記憶に残った。

 ……アイツ、最後まで服着たまましやがったな。そんな文句も口の中で消えた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる

風見鶏ーKazamidoriー
BL
 秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。  ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。 ※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜 ・話の流れが遅い ・作者が話の進行悩み過ぎてる

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。

柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。 そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。 すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。 「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」 そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。 魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。 甘々ハピエン。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談? 本気? 二人の結末は? 美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

処理中です...