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6.抵抗虚しく齧られた ※
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すぐに指は増えて、鋭い爪がついたあの指が中を掻き回す。その度に吐き気がした。痛みより異物感がすごい。えずく俺の髪を撫でて優しく触れてくるが、尻を暴く指は容赦がなかった。
「うっ……やだ……」
「大丈夫だ。すぐに慣れる」
「慣れ、たく……ぃって、の」
ふざけるな、慣れるほど好き勝手される予定はない。後ろ向きで蹴飛ばそうと力めば、よく締まると喜ばれる。力を抜いて異物感を和らげようとすると、指を増やされた。もう何をしても全部裏目に出る。突いた肘も痛くて、崩れるようにベッドに沈んだ。黒いが柔らかくて肌触りの良いシーツに顔を埋める。
抱えらえた腰はそのままで、まるで尻を突き出したような恰好になった。
「扇情的な姿だな、もう良いか。ここまで誘われて断る理由もあるまい」
そりゃそうだろうよ、拒む理由があるのはこっちだっての! 文句を言おうとした俺の顎に手をかけ、無理やり上を向かされる。首も腰も足も……全身が痛い。
「やっ……ふ、ぅん……ぐっ」
唇を貪られ、ぼんやりしてくる。酸欠だと思うが、手足からも力が抜けた。再びシーツに崩れた俺は、尻を撫で回すアザゼルの意図が読めなかった。普段なら気づいて尻を守ったが、脳は酸素が足りずに動かない。指令がなければ手足も弛緩したまま。くちゅりと濡れた音がして、指が引き抜かれた。
圧迫感が消えて大きく息を吐く。そのタイミングで、指の比ではない熱が押し当てられた。
「ひっ! ぐあ、あぅ……ってぇ、なに……ああぁ!」
ぐいと押し込まれた先端が窄まりを抜けると、驚くほど奥まで入ってきた。痛みより圧迫感と衝撃がすごい。勝手に涙が溢れて視界を滲ませた。がんがんと頭の中で警鐘が鳴る。これはまずいやつだ。異世界で尻が裂けた死体になるのは嫌だぞ。
なんとか吐き出そうと力を入れるが、より痛みが増しただけだった。
「ずいぶんと良さそうだな」
どこをどう見たら、そんな感想が出てくる! 絶対に殴ってやる。ぎりりと歯を食い縛り堪える俺の肩を掴み、さらに押し込まれた。まだあるのか、これ以上奥なんて無理だ。必死で体が拒もうとする。腹筋はかつてないほど動き、力を込めて侵入者を吐き出そうとした。だがこの動きが気持ちいいと囁かれ、奥へと誘い込むようだと褒められる。嬉しくねえ。
尻に何かが触れた。ぞっとする。あの暴力的なサイズを全部埋めたのか? 俺の尻に? そこ、出口だぞ。恐ろしくて確認も出来ない。ぐっと握ったシーツを乱しながら、ただ痛みを堪えた。腹が中から裂かれそうだ。
「ハヤト、声を聞かせよ」
噛み締めた歯の間から漏れるのは、乱れた息とうめき声だけ。獣のような声が漏れる唇をシーツに押し付けた。腰を持ち上げた姿勢で、奥まで突き刺された俺の姿は、さぞ滑稽だろう。そんなことを考えたのは、現実逃避だった。
「強情な奴よ、だがそこがいい」
耳元で囁くために体を倒すアザゼルの動きで、腹の中に咥えた肉が動く。痛みの中に、何か違う感覚があった。嫌だ、絶対に違う。必死で否定するため首を横に振った。俺の様子にアザゼルはくすりと笑う。
「感じておるのだろう? 構わぬ、この部屋には私とそなただけだ」
お前に聞かれるのも嫌だし、感じてるのは痛みだけだ。自分自身に言い聞かせるが、零れる吐息が甘い色を滲ませたのは事実だった。
「うっ……やだ……」
「大丈夫だ。すぐに慣れる」
「慣れ、たく……ぃって、の」
ふざけるな、慣れるほど好き勝手される予定はない。後ろ向きで蹴飛ばそうと力めば、よく締まると喜ばれる。力を抜いて異物感を和らげようとすると、指を増やされた。もう何をしても全部裏目に出る。突いた肘も痛くて、崩れるようにベッドに沈んだ。黒いが柔らかくて肌触りの良いシーツに顔を埋める。
抱えらえた腰はそのままで、まるで尻を突き出したような恰好になった。
「扇情的な姿だな、もう良いか。ここまで誘われて断る理由もあるまい」
そりゃそうだろうよ、拒む理由があるのはこっちだっての! 文句を言おうとした俺の顎に手をかけ、無理やり上を向かされる。首も腰も足も……全身が痛い。
「やっ……ふ、ぅん……ぐっ」
唇を貪られ、ぼんやりしてくる。酸欠だと思うが、手足からも力が抜けた。再びシーツに崩れた俺は、尻を撫で回すアザゼルの意図が読めなかった。普段なら気づいて尻を守ったが、脳は酸素が足りずに動かない。指令がなければ手足も弛緩したまま。くちゅりと濡れた音がして、指が引き抜かれた。
圧迫感が消えて大きく息を吐く。そのタイミングで、指の比ではない熱が押し当てられた。
「ひっ! ぐあ、あぅ……ってぇ、なに……ああぁ!」
ぐいと押し込まれた先端が窄まりを抜けると、驚くほど奥まで入ってきた。痛みより圧迫感と衝撃がすごい。勝手に涙が溢れて視界を滲ませた。がんがんと頭の中で警鐘が鳴る。これはまずいやつだ。異世界で尻が裂けた死体になるのは嫌だぞ。
なんとか吐き出そうと力を入れるが、より痛みが増しただけだった。
「ずいぶんと良さそうだな」
どこをどう見たら、そんな感想が出てくる! 絶対に殴ってやる。ぎりりと歯を食い縛り堪える俺の肩を掴み、さらに押し込まれた。まだあるのか、これ以上奥なんて無理だ。必死で体が拒もうとする。腹筋はかつてないほど動き、力を込めて侵入者を吐き出そうとした。だがこの動きが気持ちいいと囁かれ、奥へと誘い込むようだと褒められる。嬉しくねえ。
尻に何かが触れた。ぞっとする。あの暴力的なサイズを全部埋めたのか? 俺の尻に? そこ、出口だぞ。恐ろしくて確認も出来ない。ぐっと握ったシーツを乱しながら、ただ痛みを堪えた。腹が中から裂かれそうだ。
「ハヤト、声を聞かせよ」
噛み締めた歯の間から漏れるのは、乱れた息とうめき声だけ。獣のような声が漏れる唇をシーツに押し付けた。腰を持ち上げた姿勢で、奥まで突き刺された俺の姿は、さぞ滑稽だろう。そんなことを考えたのは、現実逃避だった。
「強情な奴よ、だがそこがいい」
耳元で囁くために体を倒すアザゼルの動きで、腹の中に咥えた肉が動く。痛みの中に、何か違う感覚があった。嫌だ、絶対に違う。必死で否定するため首を横に振った。俺の様子にアザゼルはくすりと笑う。
「感じておるのだろう? 構わぬ、この部屋には私とそなただけだ」
お前に聞かれるのも嫌だし、感じてるのは痛みだけだ。自分自身に言い聞かせるが、零れる吐息が甘い色を滲ませたのは事実だった。
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