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80.女神様は明日迎えに来るそうです
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巨大生物というか怪獣大戦争の直後に、眩しい光に包まれると……エンディング感が凄いね。絶対に女神様降臨の後光でしょ。
『よく分かったわね、偉いわ』
「褒めなくていいので、解決してください」
『あらあら、怒らせちゃったわ』
ドライと言われようが、早く解決して欲しい。あの女性、絶対に日本人だと思う。外見が茶髪黒瞳なんだけど、染めてるし。顔が平たい系だから間違いない。
「平たいって」
「合ってるけどね」
神妙そうな顔で我慢してるけど、聖獣達は笑いそう。でもね、ウケ狙いじゃなくて他に表現のしようがないのよ。日本人は欧米人と違って、顔がペタンコだもの。私も昔はそうだったわ。懐かしく思い出す。
『日本人ではないのよ、別の世界だけど……とても似ているだけ。サラちゃんがいた世界と双子のようなところ。でもね、私が呼んだわけじゃないし、誰かが召喚もしてないわ』
「ん? それって」
『簡単に言うと、落人なの。世界の狭間に吸い込まれて、別の世界に来ちゃうバグ。もちろん彼女はまだ前の世界に繋がってるから、戻しちゃうわ』
私は召喚された際に死んじゃったから、前の世界と繋がりが切れてる。でもイレギュラーの女性は、まだ繋がっていた。戻れるなら戻った方がいいよ。この世界ですでにやらかしてるもん。残ってもミンチの未来しか見えない。
「お待ちください。不敬罪並びに聖女への侮辱罪、私とサラの仲を引き裂こうとした大罪を償わせてからにしましょう」
女神相手にいい笑顔でアランが切り出す。多少内容に不服があると言いながらも、残る3人も賛成した。そんなにやっつけたいの?
そりゃ……不快な人だったよ? アランに大きい胸をこれみよがしに押し付けたり、何か囁いて親しげにするのも腹立たしかった。大好きなもふもふ聖獣を化け物呼ばわりしたのも気に入らない。あれ? これって、罰を受けさせた方がいいんじゃないかな。流されてる自覚あるけど。
『最終的に死ぬと困るから、死なない程度でお願いね。殺しちゃうと別世界の管理人に怒られちゃうのよ。まあ、死んだらそれはそれで考えるけど』
殺すなと言いながら、死んだら対策すると言い残す。女神様はひらひらと手を振って、『明日迎えにくるわね』と帰っていった。眩しいほどの光の中、女神と聖女と聖獣が集まって話した内容としては、中身が薄っぺらい。世界の秘密っぽいのが紛れてた気がした。そこは見ないフリしよう。
「サラちゃんは知らない方がいいわ」
「アランの本性は黒いぞ」
リディとアゼスがぼそっと注意する。いい笑顔を崩さないアランが「まずミンチ、その前に拷問を入れて」と物騒な呟きをしてて怖い。エルはさほど実害を受けてないのに「殴る」と熊の太い腕を振り回した。
「ねえ、私が知らないところでして」
「「「「もちろんだよ(わ)」」」」
ぴったりのタイミングで返され、しかも全員嬉しそう。うん、私は何も知らなかった。聞かなかった。それでいい。
「今日は誰と一緒に寝ようかなぁ……血の匂いがする人は嫌なんだけど」
アランは無理でしょ、絶対に。あの女性に復讐してから来るだろうし。そう思ったのに、アランはそっと私を抱き上げた。
「ならば私が立候補しますよ。復讐より、サラの気持ちを癒すほうが優先です」
やだ、イケメンに限るのセリフが似合いすぎ! ぽっと赤くなった私は、そのままアランに抱っこされて移動となった。
『よく分かったわね、偉いわ』
「褒めなくていいので、解決してください」
『あらあら、怒らせちゃったわ』
ドライと言われようが、早く解決して欲しい。あの女性、絶対に日本人だと思う。外見が茶髪黒瞳なんだけど、染めてるし。顔が平たい系だから間違いない。
「平たいって」
「合ってるけどね」
神妙そうな顔で我慢してるけど、聖獣達は笑いそう。でもね、ウケ狙いじゃなくて他に表現のしようがないのよ。日本人は欧米人と違って、顔がペタンコだもの。私も昔はそうだったわ。懐かしく思い出す。
『日本人ではないのよ、別の世界だけど……とても似ているだけ。サラちゃんがいた世界と双子のようなところ。でもね、私が呼んだわけじゃないし、誰かが召喚もしてないわ』
「ん? それって」
『簡単に言うと、落人なの。世界の狭間に吸い込まれて、別の世界に来ちゃうバグ。もちろん彼女はまだ前の世界に繋がってるから、戻しちゃうわ』
私は召喚された際に死んじゃったから、前の世界と繋がりが切れてる。でもイレギュラーの女性は、まだ繋がっていた。戻れるなら戻った方がいいよ。この世界ですでにやらかしてるもん。残ってもミンチの未来しか見えない。
「お待ちください。不敬罪並びに聖女への侮辱罪、私とサラの仲を引き裂こうとした大罪を償わせてからにしましょう」
女神相手にいい笑顔でアランが切り出す。多少内容に不服があると言いながらも、残る3人も賛成した。そんなにやっつけたいの?
そりゃ……不快な人だったよ? アランに大きい胸をこれみよがしに押し付けたり、何か囁いて親しげにするのも腹立たしかった。大好きなもふもふ聖獣を化け物呼ばわりしたのも気に入らない。あれ? これって、罰を受けさせた方がいいんじゃないかな。流されてる自覚あるけど。
『最終的に死ぬと困るから、死なない程度でお願いね。殺しちゃうと別世界の管理人に怒られちゃうのよ。まあ、死んだらそれはそれで考えるけど』
殺すなと言いながら、死んだら対策すると言い残す。女神様はひらひらと手を振って、『明日迎えにくるわね』と帰っていった。眩しいほどの光の中、女神と聖女と聖獣が集まって話した内容としては、中身が薄っぺらい。世界の秘密っぽいのが紛れてた気がした。そこは見ないフリしよう。
「サラちゃんは知らない方がいいわ」
「アランの本性は黒いぞ」
リディとアゼスがぼそっと注意する。いい笑顔を崩さないアランが「まずミンチ、その前に拷問を入れて」と物騒な呟きをしてて怖い。エルはさほど実害を受けてないのに「殴る」と熊の太い腕を振り回した。
「ねえ、私が知らないところでして」
「「「「もちろんだよ(わ)」」」」
ぴったりのタイミングで返され、しかも全員嬉しそう。うん、私は何も知らなかった。聞かなかった。それでいい。
「今日は誰と一緒に寝ようかなぁ……血の匂いがする人は嫌なんだけど」
アランは無理でしょ、絶対に。あの女性に復讐してから来るだろうし。そう思ったのに、アランはそっと私を抱き上げた。
「ならば私が立候補しますよ。復讐より、サラの気持ちを癒すほうが優先です」
やだ、イケメンに限るのセリフが似合いすぎ! ぽっと赤くなった私は、そのままアランに抱っこされて移動となった。
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