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282.木や草を植えるお手伝い
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ルードルフお兄さんとお父さんは、崩れた山を直している。崩れた山の土を元通りにして、上に木や草が生えてくるように植えていく。種を蒔いたり、他所から木を持ってくることもあるんだって。
「どうして持ってくるの?」
大きな木を担いで運んだお兄さんに尋ねる。足元で種を蒔くお手伝いをする僕とボリスを見ながら、ルードルフお兄さんは優しい顔をした。お父さんやお母さん、セティもみんな同じ。僕やボリスが何かを知りたくて聞くと、優しいお顔になる。僕はこのお顔が大好きだから、いろいろ聞くのかも。
「山の土に雨が降ると、下へ流れてしまうんだ。それを防ぐ為に木を植えて草を生やす。草や木の根が、土をしっかり捕まえてくれるように、ね」
他所から持ってきた木の根っこを指差す。勢いよく引き抜いたんじゃなく、周りを掘ったのかな。たくさん土がついたまま運ばれていた。それに根っこもいっぱいで元気そう。
お兄さんが穴を掘り始めると、ボリスが手伝いに飛び込んだ。穴の底でがりがりと爪を使って穴を深くしていく。僕が落ちたら出られない深さになったところで、ボリスは飛ぼうとして転んだ。
「ボリス、痛くない?」
ぐあぁあ! 大丈夫みたい。でもルードルフお兄さんが変な顔をした。ボリスは飛ぼうとして走ったら転んだんだけど、泥だらけのボリスを爪で掴んで引っ張り出した。
「狭い場所で走ったら転ぶだろう?」
「ルードルフお兄さん、ボリスは走ってから飛ぶの」
こうやって! 少し走ってぴょんと飛び上がる。ボリスの真似をした僕に目を丸くして、お兄さんは笑い出した。我慢できないといった感じで、大笑いする。それからボリスの頭を撫でた。
「緑竜はみんな似てるのかな? 実はエルランドも幼い頃、同じように飛んでたよ」
全力で走ってから飛び上がり、羽をばたばた動かす。エルランドお兄さんと同じ方法だったんだね。でも今は違うみたい。
「後で飛び方を直してやるけど、先に木を植えるぞ」
横にしていた木を魔法で持ち上げて、ゆっくりと穴に下ろす。僕とボリスはお兄さんの横で、ぽかんと口を開けて見ていた。空飛ぶ木が着地して、お兄さんはお母さんを呼ぶ。すぐにお母さんが水を作り出して、穴の中にたっぷりと注いだ。
「よし、ボリスもイシスも手伝え。土を中に入れるぞ」
興奮したボリスが勢いよく土を中に放り込み、水飛沫が上がると吠える。真似して、僕も両手で土を押した。でも土の中に腕が入っちゃう。きょろきょろしたら、セティが板を貸してくれた。これで土を押すと、腕が中に入らない。たくさん運べるのも気に入って、夢中で土を押した。
「おっと危ない」
押した板がふっと軽くなり、僕は空中にいた。目を見開いた僕の後ろで、セティが腕を伸ばして抱き締める。セティの足の下に何もないのに、浮いてるんだよ。僕も後ろから抱っこされて浮いていた。下には泥水がたくさんで、土を入れたから溢れ始めている。
「だいぶ手伝ったし、お昼ご飯を食べて休憩するぞ」
ご飯を食べたらまた手伝うつもりだったのに、僕は疲れてお昼寝をしてしまった。起きたらもう夕暮れで、ボリスも隣で寝てたけど。起こしてくれたら良かったのに。
「どうして持ってくるの?」
大きな木を担いで運んだお兄さんに尋ねる。足元で種を蒔くお手伝いをする僕とボリスを見ながら、ルードルフお兄さんは優しい顔をした。お父さんやお母さん、セティもみんな同じ。僕やボリスが何かを知りたくて聞くと、優しいお顔になる。僕はこのお顔が大好きだから、いろいろ聞くのかも。
「山の土に雨が降ると、下へ流れてしまうんだ。それを防ぐ為に木を植えて草を生やす。草や木の根が、土をしっかり捕まえてくれるように、ね」
他所から持ってきた木の根っこを指差す。勢いよく引き抜いたんじゃなく、周りを掘ったのかな。たくさん土がついたまま運ばれていた。それに根っこもいっぱいで元気そう。
お兄さんが穴を掘り始めると、ボリスが手伝いに飛び込んだ。穴の底でがりがりと爪を使って穴を深くしていく。僕が落ちたら出られない深さになったところで、ボリスは飛ぼうとして転んだ。
「ボリス、痛くない?」
ぐあぁあ! 大丈夫みたい。でもルードルフお兄さんが変な顔をした。ボリスは飛ぼうとして走ったら転んだんだけど、泥だらけのボリスを爪で掴んで引っ張り出した。
「狭い場所で走ったら転ぶだろう?」
「ルードルフお兄さん、ボリスは走ってから飛ぶの」
こうやって! 少し走ってぴょんと飛び上がる。ボリスの真似をした僕に目を丸くして、お兄さんは笑い出した。我慢できないといった感じで、大笑いする。それからボリスの頭を撫でた。
「緑竜はみんな似てるのかな? 実はエルランドも幼い頃、同じように飛んでたよ」
全力で走ってから飛び上がり、羽をばたばた動かす。エルランドお兄さんと同じ方法だったんだね。でも今は違うみたい。
「後で飛び方を直してやるけど、先に木を植えるぞ」
横にしていた木を魔法で持ち上げて、ゆっくりと穴に下ろす。僕とボリスはお兄さんの横で、ぽかんと口を開けて見ていた。空飛ぶ木が着地して、お兄さんはお母さんを呼ぶ。すぐにお母さんが水を作り出して、穴の中にたっぷりと注いだ。
「よし、ボリスもイシスも手伝え。土を中に入れるぞ」
興奮したボリスが勢いよく土を中に放り込み、水飛沫が上がると吠える。真似して、僕も両手で土を押した。でも土の中に腕が入っちゃう。きょろきょろしたら、セティが板を貸してくれた。これで土を押すと、腕が中に入らない。たくさん運べるのも気に入って、夢中で土を押した。
「おっと危ない」
押した板がふっと軽くなり、僕は空中にいた。目を見開いた僕の後ろで、セティが腕を伸ばして抱き締める。セティの足の下に何もないのに、浮いてるんだよ。僕も後ろから抱っこされて浮いていた。下には泥水がたくさんで、土を入れたから溢れ始めている。
「だいぶ手伝ったし、お昼ご飯を食べて休憩するぞ」
ご飯を食べたらまた手伝うつもりだったのに、僕は疲れてお昼寝をしてしまった。起きたらもう夕暮れで、ボリスも隣で寝てたけど。起こしてくれたら良かったのに。
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