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255.お揃いの模様が僕に出た
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金色の毛玉を抱いたガイアに「ただいま」と挨拶をして、トムを抱かせてもらった。ガイアは黒っぽく日に焼けた肌の色をしてて、光る銀の髪がきらきらしている。最初に出会った時の神様の姿だ。顔や手足にいくつも模様が入って綺麗、セティと同じ模様かも。
「お前にもあるぞ、ほら」
言われて指さされたのは、左の手の甲だった。草の絵みたいな模様、セティのに似てる。辿ると肩のところまで続いていた。その先は背中に向かってて見えない。
お揃いだ! 嬉しくなって笑う僕に、セティがキスをいっぱいくれた。鼻の頭、額、頬、黒髪、最後に首や唇にも。触れるのが嬉しくて、両手を広げて頬を寄せる。神様の模様が僕にもでた。いつもセティが言う通り、僕も神様の端っこにいるみたい。
ぐっと大きくなったセティが、神様の模様を僕に見せてくれた。神様の姿になると少し肌が黒っぽくなるセティは、太くなった腕で僕を抱き上げ続ける。簡単そうにするのが、凄い。僕も大きくなったのに。重くないのかな。
頬にある模様をよく見て、僕の模様を隣に並べる。でも少し違うかな?
「紋様は神によって違うから、まったく同じじゃないが……これは見事だな」
セティの指が僕の左手の模様を撫でる。本当は紋様っていうんだって。模様とどう違うのかな。覗き込んだガイアも、うーんと唸った。
「神格が高いね。これだと全能神と並ぶ、将来的に凌ぐよ」
「ああ、そうだった。アイツから伝言を預かったぞ。大陸で慈善事業をするから手伝え、とさ」
「……あの大陸で慈善事業?」
いきなり奇妙なことを聞いた。顔を顰めるガイアに、僕はこないだの慈善事業について話した。
「あのね、ご飯が食べられない子がいっぱいいたの。昔の僕みたいに臭くて、それでセティがえいって綺麗にしたんだよ。お母さんがくれたお金でご飯をあげて、飴も買ったから配ったの」
順序立てて話したつもりだったけど、にこにこ聞いたガイアが「順番が混乱してるみたいだね」と呟く。みゃーと鳴いたトムをガイアに返しながら、順番? と首を傾げる。
「記憶から判断して、先にご飯をあげたんじゃない?」
「記憶、見える?」
「ああ、ごめんね。セティと一緒で聞こえるし読めるよ」
「双子の神様だからだね」
じゃあ、僕が話さなくてもわかる。よかった。安心した僕の様子に、ガイアが額を押さえて唸り、隣でセティも肩を竦める。だから、きょろきょろと二人を交互に見た。何か変なこと言った?
「この危機感のなさと純粋さで、神格が高いとか……襲われる要素しかないんだけど」
「あげくにこの見た目の良さだ。ドラゴンの加護があるくらいでちょうどいいかも知れない」
これは覚えちゃいけない会話かも。そう思ったので、ガイアに抱っこされたトムを撫でた。ずっとセティの腕の中にいるから、僕とトムは赤ちゃんみたい。
「食われる前にお披露目しておきなよ」
「オレが連れ歩いてるだけで、誰も寄ってこねえだろ」
「それもそうだね」
ガイアが納得した後、僕の頭を撫でてくれた。神様の姿になるとガイアも背が高い。僕だけ小さいままで、神様は大人の大きさじゃないの? 黒髪がさらさらと風に揺れて、僕はトムを撫でる手を止めた。
甘い果物の匂いがする。あれは桃だ! 前に食べたピンクで中が白いの。飴みたいに甘かった。目を輝かせる僕に、ガイアが後ろの机を指さした。
「イシスが好きだから用意しておいたよ、たくさんお食べ」
僕を抱っこしたセティを見上げると、額にキスをして運んでくれた。椅子に降ろされたけど、お尻が痛くて、セティのお膝に座ることになったの。次はお尻から食べるのやめてもらえないか、お願いしてみよう。
「お前にもあるぞ、ほら」
言われて指さされたのは、左の手の甲だった。草の絵みたいな模様、セティのに似てる。辿ると肩のところまで続いていた。その先は背中に向かってて見えない。
お揃いだ! 嬉しくなって笑う僕に、セティがキスをいっぱいくれた。鼻の頭、額、頬、黒髪、最後に首や唇にも。触れるのが嬉しくて、両手を広げて頬を寄せる。神様の模様が僕にもでた。いつもセティが言う通り、僕も神様の端っこにいるみたい。
ぐっと大きくなったセティが、神様の模様を僕に見せてくれた。神様の姿になると少し肌が黒っぽくなるセティは、太くなった腕で僕を抱き上げ続ける。簡単そうにするのが、凄い。僕も大きくなったのに。重くないのかな。
頬にある模様をよく見て、僕の模様を隣に並べる。でも少し違うかな?
「紋様は神によって違うから、まったく同じじゃないが……これは見事だな」
セティの指が僕の左手の模様を撫でる。本当は紋様っていうんだって。模様とどう違うのかな。覗き込んだガイアも、うーんと唸った。
「神格が高いね。これだと全能神と並ぶ、将来的に凌ぐよ」
「ああ、そうだった。アイツから伝言を預かったぞ。大陸で慈善事業をするから手伝え、とさ」
「……あの大陸で慈善事業?」
いきなり奇妙なことを聞いた。顔を顰めるガイアに、僕はこないだの慈善事業について話した。
「あのね、ご飯が食べられない子がいっぱいいたの。昔の僕みたいに臭くて、それでセティがえいって綺麗にしたんだよ。お母さんがくれたお金でご飯をあげて、飴も買ったから配ったの」
順序立てて話したつもりだったけど、にこにこ聞いたガイアが「順番が混乱してるみたいだね」と呟く。みゃーと鳴いたトムをガイアに返しながら、順番? と首を傾げる。
「記憶から判断して、先にご飯をあげたんじゃない?」
「記憶、見える?」
「ああ、ごめんね。セティと一緒で聞こえるし読めるよ」
「双子の神様だからだね」
じゃあ、僕が話さなくてもわかる。よかった。安心した僕の様子に、ガイアが額を押さえて唸り、隣でセティも肩を竦める。だから、きょろきょろと二人を交互に見た。何か変なこと言った?
「この危機感のなさと純粋さで、神格が高いとか……襲われる要素しかないんだけど」
「あげくにこの見た目の良さだ。ドラゴンの加護があるくらいでちょうどいいかも知れない」
これは覚えちゃいけない会話かも。そう思ったので、ガイアに抱っこされたトムを撫でた。ずっとセティの腕の中にいるから、僕とトムは赤ちゃんみたい。
「食われる前にお披露目しておきなよ」
「オレが連れ歩いてるだけで、誰も寄ってこねえだろ」
「それもそうだね」
ガイアが納得した後、僕の頭を撫でてくれた。神様の姿になるとガイアも背が高い。僕だけ小さいままで、神様は大人の大きさじゃないの? 黒髪がさらさらと風に揺れて、僕はトムを撫でる手を止めた。
甘い果物の匂いがする。あれは桃だ! 前に食べたピンクで中が白いの。飴みたいに甘かった。目を輝かせる僕に、ガイアが後ろの机を指さした。
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僕を抱っこしたセティを見上げると、額にキスをして運んでくれた。椅子に降ろされたけど、お尻が痛くて、セティのお膝に座ることになったの。次はお尻から食べるのやめてもらえないか、お願いしてみよう。
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