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172.赤いお兄さんはお嫁さんいないの?
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赤いお兄さんは、お名前がフェリクスだった。お母さんが言うには、他の人に容赦しない強くて怖い性格なんだって。でも僕には優しいよ。ずっと背中に乗せて運んでくれて、下ろす時も両手で抱っこしてくれた。ドラゴンはセティと違って手が短いの。足は猫みたいにくるんとしてる。
きらきらと赤い鱗は、ドラゴンの中で一番熱に強いと説明された。首を傾げたら、熱いのが平気だと言い直してくれる。やっぱりフェリクスお兄さんは優しい。抱き着くとお母さん達の鱗より温かかった。これも赤いドラゴンの特徴みたい。
「久しぶり、フェリクス」
『タイフォン殿もお元気そうだ。此度は我が弟となったイシスの伴侶になられたとか』
「順番が逆だ。オレの伴侶がヴルムの息子になった」
がははと口を開けて笑ったフェリクスお兄さんは、セティの背中を尻尾で叩いた。
『それは何より。我が一族は繁栄を約束されたようなものだ。イシス、タイフォン殿と仲良くな』
「うん! たくさんお呪いしてるから平気」
『呪い、とな?』
お兄さんは独特な話し方をする。となって何。きょとんとした僕に、セティが言い直してくれた。お呪いとは何かと聞いたんだって。
「キスして、ちゅってして、気持ちよくなって、どろっとなるの」
具体的に指折り数えて説明した途端、お父さんとお母さんが慌ててボリスの耳を塞いだ。お兄さんは元から赤い顔がさらに真っ赤になる。
『そ……それは情熱的なことよ』
手で顔を隠しちゃった。お兄さんの洞窟には別のドラゴンがいない。まだお嫁さんもらってないのかな。緑のエルランドお兄さんはお嫁さんいたのに。
「お嫁さんいないの?」
『ふむ、そうさな。そろそろ嫁を探すか』
お嫁さん探ししなかったの?
「エルランドお兄さんは、もうすぐ卵生まれるよ」
『なんと! それは祝いの品を用意せねばなるまい。父上殿、早く教えてくだされ』
『すまん。知らないと思わなかったのだ』
お父さんもお兄さんも、ちゃんと話しないとダメじゃない。今日はお兄さんがご飯を捕まえてくれる約束で、外に飛び出していった。ボリスも行きたいと騒いで、一緒に出掛けた。久しぶりに静かなので、今夜の分のお呪いを先にするんだよ。
テントを用意して、一緒に中に入った。隣でゲリュオンがテントを用意しながら唸っている。よく分からないけど、お嫁さんになるシェリアとお呪いした方がいいと思う。そう伝えたらさらに唸って蹲っちゃった。
「イシス、よそのことに口を挟まない」
言っちゃいけなかったのかな。シェリアはゲリュオンにしがみ付いて、機嫌よさそうだけど。お嫁さんになるんだよね? 確認したら、笑顔で頷いていた。
ほらね。得意げにセティに言ったら、テントの中に引っ張り込まれちゃった。今日のお呪いは明るい時間だから恥ずかしくて、でもたくさんキスを貰う。僕もいっぱいお返しして、最後におちんちんに触られた。びっくりしたけど、たくさん触ると何か出て来るの……怖い。お漏らししちゃったかも。
きらきらと赤い鱗は、ドラゴンの中で一番熱に強いと説明された。首を傾げたら、熱いのが平気だと言い直してくれる。やっぱりフェリクスお兄さんは優しい。抱き着くとお母さん達の鱗より温かかった。これも赤いドラゴンの特徴みたい。
「久しぶり、フェリクス」
『タイフォン殿もお元気そうだ。此度は我が弟となったイシスの伴侶になられたとか』
「順番が逆だ。オレの伴侶がヴルムの息子になった」
がははと口を開けて笑ったフェリクスお兄さんは、セティの背中を尻尾で叩いた。
『それは何より。我が一族は繁栄を約束されたようなものだ。イシス、タイフォン殿と仲良くな』
「うん! たくさんお呪いしてるから平気」
『呪い、とな?』
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「キスして、ちゅってして、気持ちよくなって、どろっとなるの」
具体的に指折り数えて説明した途端、お父さんとお母さんが慌ててボリスの耳を塞いだ。お兄さんは元から赤い顔がさらに真っ赤になる。
『そ……それは情熱的なことよ』
手で顔を隠しちゃった。お兄さんの洞窟には別のドラゴンがいない。まだお嫁さんもらってないのかな。緑のエルランドお兄さんはお嫁さんいたのに。
「お嫁さんいないの?」
『ふむ、そうさな。そろそろ嫁を探すか』
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『なんと! それは祝いの品を用意せねばなるまい。父上殿、早く教えてくだされ』
『すまん。知らないと思わなかったのだ』
お父さんもお兄さんも、ちゃんと話しないとダメじゃない。今日はお兄さんがご飯を捕まえてくれる約束で、外に飛び出していった。ボリスも行きたいと騒いで、一緒に出掛けた。久しぶりに静かなので、今夜の分のお呪いを先にするんだよ。
テントを用意して、一緒に中に入った。隣でゲリュオンがテントを用意しながら唸っている。よく分からないけど、お嫁さんになるシェリアとお呪いした方がいいと思う。そう伝えたらさらに唸って蹲っちゃった。
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ほらね。得意げにセティに言ったら、テントの中に引っ張り込まれちゃった。今日のお呪いは明るい時間だから恥ずかしくて、でもたくさんキスを貰う。僕もいっぱいお返しして、最後におちんちんに触られた。びっくりしたけど、たくさん触ると何か出て来るの……怖い。お漏らししちゃったかも。
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