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132.本当にその名前にするのですか?
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パパとプルソンがお話をして、今日は仔犬の名前を考えて、お礼の絵を描くことになった。絵に書くお名前を用意してもらって、明日書くの。だから今日は絵を描くところまでだよ。
忙しいのが少し減ったね。アガレスが忙しいと言った書類を何枚か片付けて、パパは僕の横に座った。一緒に本を見るの、中にお名前やその意味が書いてあるんだよ。ここからお名前を選んだり、自分で好きな名前を付けるんだって。
「僕、いいお名前にしてあげたいの」
プルソンに希望を伝える。あれこれ迷ったけど、パパと一緒に選んだのは古いお名前だった。古くからあるけど、皆が使わないお名前だよ。強そうだし、可愛いと思う。
「カリス様、そのお名前はちょっと……」
「いや。カリスが決めたなら最高の名だ。そうだな?」
パパが尋ねたら、アガレスやマルバス、プルソンも頷いた。いい名前だよね! 僕すごく気に入ったんだ。
パパの隣から滑り降りて、足元で寝てる仔犬に声を掛けた。
「おいで、ベロ。今日からケルベロスというお名前だよ。可愛いね」
きゃん! 甲高い声で鳴いた仔犬ベロが僕に抱きつく。顔を舐めて嬉しそう。名前が嬉しいのかな。僕の口や鼻を舐めて、大きく尻尾を振った。
「本当にその名前にするのですか?」
「問題ない。あの化け物は封印したし、普段はベロと呼べばいい」
「……まあ、僕はいいですけど」
上でひそひそ話しているけど、大人のお話は邪魔しないの。ベロと床に転がって遊び、僕は慌てて起き上がった。
「アガレス、お願いがあるの! 大きい紙を頂戴。お礼の絵を描くんだ」
「ご用意します」
綺麗な白い紙をもらう。厚くて立派な紙、ありがとう。お礼を言って、絵の具を用意したらベロは横に座った。大人しく見てるから、僕はそのまま鉛筆を手にする。色を塗るときは絵の具とクレヨンも使うけど、今は色がついた鉛筆だよ。
金色は後で粉を使うから、今は黄色で描くの。それから青い目と……緑の色も。隣で大人しく見ているベロをちらっと見て、顔が緩んじゃう。僕がママで、ベロは僕の子どもなんだ。可愛い。無事でよかった。あんな痛い目に遭うことはもうないからね。
ミカエルが治してくれてよかった。にこにこしながら絵を描いて、色鉛筆を置く。あとは色を塗って、乾かせばいいね。
「お昼だ。ベロを連れておいで」
「はい! おいで、ベロ」
僕が立ち上がると、一緒にベロも付いてくる。尻尾が大きく揺れて、わんっ! と勢いよく鳴いた。お腹空いたんだね。美味しいご飯があるよ。餌は臭くて痛くて美味しくないけど、ベロのご飯は美味しいと思う。確かめてみようかな。
牛乳とパンと今日は肉も少し入ってた。ベロがお座りして「いいよ」を待ってる。そっと屈んで指を入れ、舐めようとしたらパパが慌てて僕を止めた。
「こら! 生肉が入ってるのに腹を壊すぞ」
「ベロも?」
「犬は平気だ」
パパはいろいろ知ってる。お膝に乗せられ、牛乳がついた指を拭いてもらった。ベロはまだ待ってる。遅くなってごめんね。
「食べていいよ、ベロ」
嬉しそうに顔を突っ込んで食べるベロは、お肉もそのまま食べた。本当にお腹を壊さないのかな。心配になった僕は、ご飯を食べながらベロの様子を見ていたけど……本当に平気みたい。仔犬のお腹は丈夫なんだね。
忙しいのが少し減ったね。アガレスが忙しいと言った書類を何枚か片付けて、パパは僕の横に座った。一緒に本を見るの、中にお名前やその意味が書いてあるんだよ。ここからお名前を選んだり、自分で好きな名前を付けるんだって。
「僕、いいお名前にしてあげたいの」
プルソンに希望を伝える。あれこれ迷ったけど、パパと一緒に選んだのは古いお名前だった。古くからあるけど、皆が使わないお名前だよ。強そうだし、可愛いと思う。
「カリス様、そのお名前はちょっと……」
「いや。カリスが決めたなら最高の名だ。そうだな?」
パパが尋ねたら、アガレスやマルバス、プルソンも頷いた。いい名前だよね! 僕すごく気に入ったんだ。
パパの隣から滑り降りて、足元で寝てる仔犬に声を掛けた。
「おいで、ベロ。今日からケルベロスというお名前だよ。可愛いね」
きゃん! 甲高い声で鳴いた仔犬ベロが僕に抱きつく。顔を舐めて嬉しそう。名前が嬉しいのかな。僕の口や鼻を舐めて、大きく尻尾を振った。
「本当にその名前にするのですか?」
「問題ない。あの化け物は封印したし、普段はベロと呼べばいい」
「……まあ、僕はいいですけど」
上でひそひそ話しているけど、大人のお話は邪魔しないの。ベロと床に転がって遊び、僕は慌てて起き上がった。
「アガレス、お願いがあるの! 大きい紙を頂戴。お礼の絵を描くんだ」
「ご用意します」
綺麗な白い紙をもらう。厚くて立派な紙、ありがとう。お礼を言って、絵の具を用意したらベロは横に座った。大人しく見てるから、僕はそのまま鉛筆を手にする。色を塗るときは絵の具とクレヨンも使うけど、今は色がついた鉛筆だよ。
金色は後で粉を使うから、今は黄色で描くの。それから青い目と……緑の色も。隣で大人しく見ているベロをちらっと見て、顔が緩んじゃう。僕がママで、ベロは僕の子どもなんだ。可愛い。無事でよかった。あんな痛い目に遭うことはもうないからね。
ミカエルが治してくれてよかった。にこにこしながら絵を描いて、色鉛筆を置く。あとは色を塗って、乾かせばいいね。
「お昼だ。ベロを連れておいで」
「はい! おいで、ベロ」
僕が立ち上がると、一緒にベロも付いてくる。尻尾が大きく揺れて、わんっ! と勢いよく鳴いた。お腹空いたんだね。美味しいご飯があるよ。餌は臭くて痛くて美味しくないけど、ベロのご飯は美味しいと思う。確かめてみようかな。
牛乳とパンと今日は肉も少し入ってた。ベロがお座りして「いいよ」を待ってる。そっと屈んで指を入れ、舐めようとしたらパパが慌てて僕を止めた。
「こら! 生肉が入ってるのに腹を壊すぞ」
「ベロも?」
「犬は平気だ」
パパはいろいろ知ってる。お膝に乗せられ、牛乳がついた指を拭いてもらった。ベロはまだ待ってる。遅くなってごめんね。
「食べていいよ、ベロ」
嬉しそうに顔を突っ込んで食べるベロは、お肉もそのまま食べた。本当にお腹を壊さないのかな。心配になった僕は、ご飯を食べながらベロの様子を見ていたけど……本当に平気みたい。仔犬のお腹は丈夫なんだね。
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