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第6章 狙われた同胞を救え
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※流血表現があります。
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視線を流した先で、リスキアが数名のハンターを切り裂いていた。残るハンターは2名、アーロンが王侯貴族を庇いながら必死の抵抗を繰り出す。体重を感じさせない動きで宙を舞ったリスキアの体術の方が上で、アーロンは刃に切り裂かれた肩を庇いながら床に崩れ落ちた。
悲鳴を上げて逃げ惑う王侯貴族を一薙ぎに片付け、真っ赤に染まった服に舌打ちしたリスキアが戻ってくる。右手の青龍刀を消し、シリルが抱き起こしているアイザックが広げた腕に、素直に身を任せた。
感じられる温もりが、普段より少し低い。それでも間違いなく、番に選んだ相手の体温を感じられる今に、リスキアの唇が震えた。
「卑怯者ッ!」
罵ったシャルルの首に、ナイフの刃を突きつける。あと数mmで突き刺さる位置で止めたライアンへ悪態をつくシャルルの喉から、薄皮一枚切った為に血が流れた。
「……へぇ、それを言えるほど、おまえはオレの何を知ってるって?」
ごくりと喉を鳴らした動きに、再び皮膚は裂けて鮮血を溢れさせる。
「不死の民はな、オレの一族だ。特に人間を殺すわけでもなく、害を加えるわけでもない。そんな連中を捕まえて血を絞り取ったくせに、同胞を取り返そうとしたオレを罵る権利が……おまえら人間側にあるってのか」
冷えた声に、喉もとのナイフより鋭さを感じた。目を見開いたのは、今の言葉に含まれる厭味や棘ではなく、響きに込められた怒りの感情故だ。
弟子として扱われた僅かな期間、彼はよく笑い、楽しそうに人に接していた。ただ……肌が触れる行為を厭い、どこか浮世離れした不思議な感じを纏っていたのを覚えている。誰より感情豊かに見せながら、冷めていたのを知っている。
だからこそ、今の発言とあらわにされた感情に驚いた。
「オレはね、アイツと一緒に生きていく。その為に過去はすべて切り捨てた」
優しく言い聞かせる響きに目を閉じ、覚悟を決めた。来るべき時を静かに受け入れる為に、ゆっくり息を吐いて力を抜く。
「おまえのことは、嫌いじゃなかったけどな」
囁かれた最後の言葉を聞き取りながら、痛みすら感じることなく……シャルルは床に血をぶちまけた。崩れ落ちる死体を見下ろすライアンの青紫の瞳に、感情は何も浮かんでいない。
「ライアン」
ただ……最愛の人に呼ばれて、初めて命を得たように。振り返ったライアンの顔は、いつも通りの優しい笑みを浮かべていた。
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視線を流した先で、リスキアが数名のハンターを切り裂いていた。残るハンターは2名、アーロンが王侯貴族を庇いながら必死の抵抗を繰り出す。体重を感じさせない動きで宙を舞ったリスキアの体術の方が上で、アーロンは刃に切り裂かれた肩を庇いながら床に崩れ落ちた。
悲鳴を上げて逃げ惑う王侯貴族を一薙ぎに片付け、真っ赤に染まった服に舌打ちしたリスキアが戻ってくる。右手の青龍刀を消し、シリルが抱き起こしているアイザックが広げた腕に、素直に身を任せた。
感じられる温もりが、普段より少し低い。それでも間違いなく、番に選んだ相手の体温を感じられる今に、リスキアの唇が震えた。
「卑怯者ッ!」
罵ったシャルルの首に、ナイフの刃を突きつける。あと数mmで突き刺さる位置で止めたライアンへ悪態をつくシャルルの喉から、薄皮一枚切った為に血が流れた。
「……へぇ、それを言えるほど、おまえはオレの何を知ってるって?」
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だからこそ、今の発言とあらわにされた感情に驚いた。
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