【完結】左目をやる契約をしたら、極上の美形悪魔に言い寄られています

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)

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幕間

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 厳粛な空気に押しつぶされそうな聖堂で、彼女は腰まで届く金髪をかき上げて苦笑いを浮かべた。

「今度は……無理かも知れませんわね」

「だけど……っ」

 『彼』はそんなこと望まない――言い切れないクルスは言葉を飲み込んで、拳を握り締める。人類の滅亡など望む存在ではないが、『彼』はあの堕天使を傷つけない。常に己を犠牲にすることで、周囲を守ってきた存在なのだから。

「……もう自由にしてあげたら?」

 すべてを知っている者同士、達観した冷たい響きが空気を振動させる。開放してしまえばいい。『彼』が本当に望んでいた通り、愛しい存在のそばへ帰してしまえば終わる。

「そうできたら、いいね……」

 望むだけでは叶わない。

 苦い声色で告げられた同意に、リリトはため息をついて頷いた。
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