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43.やりすぎてしまった
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*****SIDE アモル
苛立ちを隠そうとしない八つ当たりで、数匹の魔物が消滅する。現れるなり不機嫌な顔でため息をついた俺に、キメリエスは眉を顰めて歩み寄った。
「……何があった?」
八つ当たりされた魔物たちは、無残に消された仲間の痕跡を見ながら距離をとる。逆に近づいたキメリエスだけが俺の前で足を止めた。穏やかな黒瞳に諭された気分になり、大きく息を吐いて前髪をぐしゃりとかき乱す。
やってしまった。
「失敗した……かもしれない」
「どこまで?」
「……絶滅だ」
セイルが素直にこちらに来ないのは先刻承知。そうでなければ、こうして策を弄する意味がない。
あの頑固者の意思を変えようとするなら、この程度の抵抗は想定していた。だからキメリエスが俺に問うたのは「どこまでやると宣言した?」との確認だ。
人類の絶滅まで言い切った。そう言い切った俺の返答に、キメリエスは考え込んでしまった。
ラウムとの再会を果たしたキメリエスにとって、人類の存亡などどうでもいい。別に滅ぼしても害はないが……ラウムもさすがにいい顔はしないだろう。
互いに心配しているのは、必要とする片割れの感情だけだ。薄情なようだが、これが悪魔という生き物なのだから仕方ない。
「何とかする」
言い切ったキメリエスへ、俺は無言でうな垂れるしかなかった。やりすぎたと反省する本音が滲む。もう何も言えなくなったキメリエスは苦笑いして、俺の肩をぽんと叩いた。
苛立ちを隠そうとしない八つ当たりで、数匹の魔物が消滅する。現れるなり不機嫌な顔でため息をついた俺に、キメリエスは眉を顰めて歩み寄った。
「……何があった?」
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やってしまった。
「失敗した……かもしれない」
「どこまで?」
「……絶滅だ」
セイルが素直にこちらに来ないのは先刻承知。そうでなければ、こうして策を弄する意味がない。
あの頑固者の意思を変えようとするなら、この程度の抵抗は想定していた。だからキメリエスが俺に問うたのは「どこまでやると宣言した?」との確認だ。
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互いに心配しているのは、必要とする片割れの感情だけだ。薄情なようだが、これが悪魔という生き物なのだから仕方ない。
「何とかする」
言い切ったキメリエスへ、俺は無言でうな垂れるしかなかった。やりすぎたと反省する本音が滲む。もう何も言えなくなったキメリエスは苦笑いして、俺の肩をぽんと叩いた。
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