【完結】破天荒な妖精姫は醜い夫を切望する

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)

文字の大きさ
上 下
104 / 113

104.この子は次の妖精姫みたい

しおりを挟む
翌日からジョージも参加した。


レコードから楽譜を起こす作業から開始する。元々楽譜もあるのだがアレンジもしたい。全部の楽器用の楽譜が揃ったら合わせて調整をしていく。

楽器は音出しから入る。声楽は発声から。

キャサリンは元々の声が良いから発声をもっとやった方が良いな。

身体が楽器の私達はストレッチなども行う。

「王子、発声練習お願いしまーす」

ドレミの音階を1音ずつ上げて声を出す基本練習

「キャサリン喉開いて」

まだ硬いなあ。

「ちょっと失礼」

キャサリンのお腹に手を当てる。腹筋はぼちぼちだな。

クライスとカインが羨ましそうに見るのでサービスでガン飛ばしといた。嬉しそうなのが気持ち悪い。


「王子、ロングトーンもお願いしやーす」

「はいはい」

王子嬉しそうだなあ。


なるほどファからソ辺りがブレるね。丁度裏声との境目なんだな。

「キャサリンはファからソ辺りを家で自主発声ね。アルトはその辺の音階多いから」

「解ったわ!歌うの楽しい!」

嬉しそうで良かった。アルトはこのくらいの年齢ではなかなか大人っぽい声がいない。キャサリンは良い声だ。


「それから!カイン!クライス!何時に起きた?」

不服そうな顔をするとすまなさそうな顔をしながらも嬉しそう。

「声が起きてない」

睨むとやはり嬉しそう。キャサリンは横で苦笑している。

「やっぱドMって本当なのね」

と耳打ちして来た。私は困り顔で頷いた。


エミリアは出だしが他の管楽器が居ないのでほぼソロに近い。一生懸命練習している。上手いよなあ。


一方でジョージとルイスの弦楽器コンビ!上手い!

攻略対象者ハイスペック。ピアノ以外も行けるのか。

眺めて居るとルイスが不快そうにガン飛ばして来た。此奴は庶民が嫌いなんだろうか?私もついつい睨み返してしまう。


火花散りそうなのでこの辺で止めとこう。


今日の練習は1回合わせて終わった。何だかんだで途中休憩もしたけど6時間くらい学校に居た。

前世はアレだっただけど今世の歌を歌う生活も楽しい


帰りはお金持ち達はクラシックカー(この時代のこの世界では最先端)で御帰宅だ。

お迎えが来ている。

ルイスがふらっと車と逆方向へ歩いて行った。

ん?!んんんんん!!?

「単車だぁ!!」

テンションが一気に駆け上がる


「凄い凄い凄い!」

ルイスの方へ猛ダッシュ!

皆もどうした?と着いて来ている


「ルイス、買ったんだ?」

クライスが珍しそうにモーターサイクル(日本語ではオートバイ)を眺めている。

「乗りたい!乗りたい!お願いしやす!」

私はルイスに頭を下げる


「流石に女性には危ないですよ」

カインが宥めてくる。いやいや乗れるんだよ!


「ルナリー、これ高いですわよ」

キャサリンは気持ちは解ってくれているのだろうが確かに高いんだよなあ


「因みにおいくらくらい?」

単車をペタペタ触りながらルイスの方を見ると少し嫌そうな顔をしていた。

「ウェールズ家の年収くらい?か、それ以上?」

さらっと言いやがる。クソ!買えねえ!


「お願いします。乗せて下さい。ルイス様」

懇願してみる。


「乗せてあげれば?」

王子がルイスに声をかける。


「後ろになら。事故起こされても困るから」

ルイスは不服そうに言った。

「いいの?!それでも嬉しい!」

「学校の周り1周だけな」


ヘルメットをポンと渡される。この世界で乗れると思わなかったなあ。単車ぁぁ!

ルイスの後ろに乗る。テンションが上がり過ぎる。ワクワク。

エンジンがかかるとこの感覚!懐かしい!

「しっかり捕まってろ!」

ルイスに言われて、慌てて腰に手を回す。


風が気持ち良い!この流れる感覚!

「ひゃっほー」

声が漏れる!

「たーのしーい!」

身体が覚えてるなあ。カーブ曲がる感触。


「お前さあ!、、、」

ルイスが何か言った

「何ー?聞こえない!」

大声で叫ぶ

結局、何を言ったか解らず学校1周はあっという間に終わってしまう。

ルイスの背中が何だか懐かしい感じがした。

しおりを挟む
感想 251

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

廃妃の再婚

束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの 父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。 ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。 それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。 身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。 あの時助けた青年は、国王になっていたのである。 「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは 結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。 帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。 カトルはイルサナを寵愛しはじめる。 王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。 ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。 引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。 ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。 だがユリシアスは何かを隠しているようだ。 それはカトルの抱える、真実だった──。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー

【完結】脇役令嬢だって死にたくない

こな
恋愛
自分はただの、ヒロインとヒーローの恋愛を発展させるために呆気なく死ぬ脇役令嬢──そんな運命、納得できるわけがない。 ※ざまぁは後半

【完結】この胸が痛むのは

Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」 彼がそう言ったので。 私は縁組をお受けすることにしました。 そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。 亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。 殿下と出会ったのは私が先でしたのに。 幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです…… 姉が亡くなって7年。 政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが 『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。 亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……  ***** サイドストーリー 『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。 こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。 読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです * 他サイトで公開しています。 どうぞよろしくお願い致します。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

処理中です...