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アクアマリンの勇者
アクアマリンの勇者(1)
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ロシェは、藍色の着物の裾を捲り上げて、枷のような傷跡が見えるのも気にせずに膝丈まで素足を出す。
心地よく日の当たる木目の廊下に膝を落とすと隣に置いた木桶に付けた雑巾を取り出す。水道というものから注いでから時間が経ったのに水はまだ冷たい。ロシェは、取り出した雑巾を固く絞る。
「お着物良し、水良し、雑巾良し!」
ロシェは、号令を取るようにそれぞれを確認すると、雑巾を広げて床に置き、足裏を木目の廊下につけて膝を立て、お尻を高く上げる。
「行きます!」
ロシェは、気合を入れて足を踏み出す。
固く絞った雑巾は、水の力を借りて滑り出す。
ロシェは、地面を蹴り上げて数歩前に出て・、転けた。
顔から思い切り廊下にぶつかり、鼻を打ち付ける。
ロシェは、目に涙を浮かべて鼻を押さえる。
その様子をアメノは、廊下のすぐ横の襖の開い畳の部屋でテーブルに肘をつき、煎餅を齧りながら猛禽類のような目を細めて見ていた。
「女将」
テーブルの左側で同じように座って醤油と海苔に巻かれた煎餅を齧る旅館の女将、ポコを見る。
「なんでございましょう?」
見かけは10歳にも満たないおかっぱ頭に茜色の着物を着た美少女なのに話し方はアメノより大人で落ち着いている。
「あいつは何をしてるんですか?」
「ご覧になってお分かりになりませんか?」
ポコは、煎餅を飲み込み、湯呑みに入れた焙じ茶を啜る。
「雑巾掛けです。それ以上の表現はございません」
「そんなのは分かってます」
アメノは、苛立ったように言う。
「なんであいつはそんなことをしてるのかと聞いてるんです」
ポコは、湯呑みから口を離し、ふうっと息を吐く。
「あの子が何か仕事はないかと言うのでお願いしました。手持ち無沙汰がお嫌だったみたいです」
昨晩、旅館"迷い家"に着いて入浴し、プリプリしながら大量の夕餉を摂り、就寝し、起床し、また、大量の朝餉を摂ってからロシェは昨日とは打って変わって暇を持て余していた。
何をするわけでもなく庭を見て、日差しを浴びて、鳥たちの声を聞いて・・。
普通に考えれば昨日のような慌ただしくも危険な日が異常なのだが、半竜であり、過酷な人生を送ってきたロシェに取って何もない時間というのは別の意味で落ち着かなかった。
だから、お願いしたのだ。
何かやることはないか、と。
そしてポコに割り振られたのが雑巾掛けなのだが・・。
「あんなに雑巾掛けの下手な方は見たことがございませんね」
ポコは、憮然とした表情を浮かべ、煎餅を齧る。
絞った雑巾を置く、膝を上げて、腰を上げ、そのまま床を蹴り上げるように進む。
それだけだ。
それだけの単純動作のはずなのに・・。
「ふぎゃっ」
ロシェは、蛙が潰れたような悲鳴を上げて床に倒れ込む。
呆れを通り越して華麗にすら見えるほど見事に。
今度は、お尻を思い切りぶつけたようで両手で押さえて摩っている。
アメノは、何度も同じことを繰り返し、ほとんど前に進んでいないロシェをじっと見る。
「ありゃ体幹がないからですかね?」
「発育がよろし過ぎてバランスが取れないか・・」
ポコは、焙じ茶を啜る。
「驚くほど雑巾掛けの才能がないかのどちらかでございましょうね」
アメノは、鼻の頭に皺を寄せ、煎餅を齧る。
「ロシェ」
アメノは、口の中の煎餅を飲み込み、声をかける。
もう一度、雑巾がけをしようと構えたロシェの動きが止まる。
「お前の分の宿泊費もちゃんと払ってるから無理に掃除なんてしなくていいぞ」
アメノは、煎餅の入った入れ物をロシェに見せる。
「こっち来て食べろ。美味いぞ」
「ザラメ付きもあります。甘うございますよ」
甘い・・。
その言葉にロシェは一瞬たじろぐものの、首を横に何度も振り、じとっとアメノを一瞥する。
まるで軽蔑するように。
ふんっとロシェは首を背けると再び雑巾がけをしようとして、今度は胸から倒れ込んだ。
アメノは、頬を掻く。
「なんだありゃ?」
「昨日のことをまだ根に持ってるのではないでしょうか?」
ポコは、半目にしてアメノを睨む。
アメノは、昨夜の温泉の件を思い出し、頬を赤らめる。
強面なのに純情な男の反応にポコは笑いを隠す。
「ありゃ不可抗力でしょう?」
アメノは、着物の袖を捲って小さな火傷の出来た左腕を見せる。
「俺だってやられたし。髪も縮れましたよ」
よく見るとアメノの左側の白髪の先端が少しだけ短くなっている。昨夜のロシェの竜の炎で焼けた髪を切ったからだ。
しかし、ポコは、まるで同情した様子を見せない。
「女の子に不可抗力なんて言葉はございませんよ。それにうちの温泉が入れ替わり制だって知ってるのですから確認しないのが悪いです」
「いやいや、勧めたのは女将でしょう?」
アメノが半眼にして睨むとポコは、素知らぬ顔で視線を反らして煎餅を食べる。
そんなポコの鼻頭に皺が寄る。
「アメノ様」
「なんですか?」
アメノは、拗ねたように言って煎餅を齧る。
「勇者様が来られました」
アメノの猛禽類のような目が微かに揺れる。
ロシェも雑巾がけの構えを止めてポコを見る。
ロシェの脳裏に鮮烈な赤に輝く全身鎧を纏い、大槍を携えた金髪の勇者の姿が浮かぶ。
ポコは、ロシェの思考を読み取ったのか、首を横に振る。
「紅玉様ではございません」
ポコは、大きな目を座らせる。
「アクアマリン様です」
心地よく日の当たる木目の廊下に膝を落とすと隣に置いた木桶に付けた雑巾を取り出す。水道というものから注いでから時間が経ったのに水はまだ冷たい。ロシェは、取り出した雑巾を固く絞る。
「お着物良し、水良し、雑巾良し!」
ロシェは、号令を取るようにそれぞれを確認すると、雑巾を広げて床に置き、足裏を木目の廊下につけて膝を立て、お尻を高く上げる。
「行きます!」
ロシェは、気合を入れて足を踏み出す。
固く絞った雑巾は、水の力を借りて滑り出す。
ロシェは、地面を蹴り上げて数歩前に出て・、転けた。
顔から思い切り廊下にぶつかり、鼻を打ち付ける。
ロシェは、目に涙を浮かべて鼻を押さえる。
その様子をアメノは、廊下のすぐ横の襖の開い畳の部屋でテーブルに肘をつき、煎餅を齧りながら猛禽類のような目を細めて見ていた。
「女将」
テーブルの左側で同じように座って醤油と海苔に巻かれた煎餅を齧る旅館の女将、ポコを見る。
「なんでございましょう?」
見かけは10歳にも満たないおかっぱ頭に茜色の着物を着た美少女なのに話し方はアメノより大人で落ち着いている。
「あいつは何をしてるんですか?」
「ご覧になってお分かりになりませんか?」
ポコは、煎餅を飲み込み、湯呑みに入れた焙じ茶を啜る。
「雑巾掛けです。それ以上の表現はございません」
「そんなのは分かってます」
アメノは、苛立ったように言う。
「なんであいつはそんなことをしてるのかと聞いてるんです」
ポコは、湯呑みから口を離し、ふうっと息を吐く。
「あの子が何か仕事はないかと言うのでお願いしました。手持ち無沙汰がお嫌だったみたいです」
昨晩、旅館"迷い家"に着いて入浴し、プリプリしながら大量の夕餉を摂り、就寝し、起床し、また、大量の朝餉を摂ってからロシェは昨日とは打って変わって暇を持て余していた。
何をするわけでもなく庭を見て、日差しを浴びて、鳥たちの声を聞いて・・。
普通に考えれば昨日のような慌ただしくも危険な日が異常なのだが、半竜であり、過酷な人生を送ってきたロシェに取って何もない時間というのは別の意味で落ち着かなかった。
だから、お願いしたのだ。
何かやることはないか、と。
そしてポコに割り振られたのが雑巾掛けなのだが・・。
「あんなに雑巾掛けの下手な方は見たことがございませんね」
ポコは、憮然とした表情を浮かべ、煎餅を齧る。
絞った雑巾を置く、膝を上げて、腰を上げ、そのまま床を蹴り上げるように進む。
それだけだ。
それだけの単純動作のはずなのに・・。
「ふぎゃっ」
ロシェは、蛙が潰れたような悲鳴を上げて床に倒れ込む。
呆れを通り越して華麗にすら見えるほど見事に。
今度は、お尻を思い切りぶつけたようで両手で押さえて摩っている。
アメノは、何度も同じことを繰り返し、ほとんど前に進んでいないロシェをじっと見る。
「ありゃ体幹がないからですかね?」
「発育がよろし過ぎてバランスが取れないか・・」
ポコは、焙じ茶を啜る。
「驚くほど雑巾掛けの才能がないかのどちらかでございましょうね」
アメノは、鼻の頭に皺を寄せ、煎餅を齧る。
「ロシェ」
アメノは、口の中の煎餅を飲み込み、声をかける。
もう一度、雑巾がけをしようと構えたロシェの動きが止まる。
「お前の分の宿泊費もちゃんと払ってるから無理に掃除なんてしなくていいぞ」
アメノは、煎餅の入った入れ物をロシェに見せる。
「こっち来て食べろ。美味いぞ」
「ザラメ付きもあります。甘うございますよ」
甘い・・。
その言葉にロシェは一瞬たじろぐものの、首を横に何度も振り、じとっとアメノを一瞥する。
まるで軽蔑するように。
ふんっとロシェは首を背けると再び雑巾がけをしようとして、今度は胸から倒れ込んだ。
アメノは、頬を掻く。
「なんだありゃ?」
「昨日のことをまだ根に持ってるのではないでしょうか?」
ポコは、半目にしてアメノを睨む。
アメノは、昨夜の温泉の件を思い出し、頬を赤らめる。
強面なのに純情な男の反応にポコは笑いを隠す。
「ありゃ不可抗力でしょう?」
アメノは、着物の袖を捲って小さな火傷の出来た左腕を見せる。
「俺だってやられたし。髪も縮れましたよ」
よく見るとアメノの左側の白髪の先端が少しだけ短くなっている。昨夜のロシェの竜の炎で焼けた髪を切ったからだ。
しかし、ポコは、まるで同情した様子を見せない。
「女の子に不可抗力なんて言葉はございませんよ。それにうちの温泉が入れ替わり制だって知ってるのですから確認しないのが悪いです」
「いやいや、勧めたのは女将でしょう?」
アメノが半眼にして睨むとポコは、素知らぬ顔で視線を反らして煎餅を食べる。
そんなポコの鼻頭に皺が寄る。
「アメノ様」
「なんですか?」
アメノは、拗ねたように言って煎餅を齧る。
「勇者様が来られました」
アメノの猛禽類のような目が微かに揺れる。
ロシェも雑巾がけの構えを止めてポコを見る。
ロシェの脳裏に鮮烈な赤に輝く全身鎧を纏い、大槍を携えた金髪の勇者の姿が浮かぶ。
ポコは、ロシェの思考を読み取ったのか、首を横に振る。
「紅玉様ではございません」
ポコは、大きな目を座らせる。
「アクアマリン様です」
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