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9章 祝福
報告、後に
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「なるほど……………その少女から他に何か手がかりは得た?」
フィアはレクスにそう尋ねる。
「いや、他には特に……………ごめん、役に立てなくて」
「いやいや、十分だよ。その暗躍してる組織が何らかの目的で魔力を集めてるっていうのがわかっただけでも。正直、暗躍してる組織の正体どころか、目的も掴めてなくて……………情報、ありがとね」
ポンポン、とレクスの頭を軽く撫でるフィア。久しぶりに撫でられ、ふぇ!? なんて声をあげるレクス。
「はぁー……………やっぱり癒されるなぁ」
フィアはほんわかした表情でそう言った。かくいうレクスも少し、少しだけまんざらでもなかったのは…………ここだけの秘密。
「フィ、フィアさん!? な、何やってるんですか!?」
むぎゅーとレクスは抱き締められていた。
「ごめんね、身体がいうこと聞かなくて」
フィアはそう言うが、いたずらっ子のような笑みを浮かべていた。だが、どこか元気がなさそうであった。
「……………疲れてるの?」
「う~ん……………ちょっとね。ここんところちょっと仕事が立て続けに入ってね…………中々休める時がなかったんだ」
フィアは苦笑しながらそう言った。ここ最近、帰ってくるのが遅いと思ったらそういうことだったらしい。まあ、謎の組織を追ってるとさっき言っていたから、恐らくそれ絡みだろう。
「そっか」
それ以上は聞かないことにした。聞いても、レクスが役に立てることはないからだ。だが──────フィアの心労を和らげるくらいならできる。できてると…………いいのだが。
「ふぅ………………ありがと。悪いね、付き合わせちゃって」
フィアは一息ついてレクスから離れると、そう言った。その顔は先程よりも憑き物が取れたような顔だった。
「じゃあ、私は仕事があるから、一旦戻るね」
もうすぐ日も落ちるというのにこれから仕事。中々大変そうだ。騎士団はそういう仕事だから、仕方ない部分もあるのかもしれない。団長だし、なおさらだろう。
「うん、頑張ってね、フィアさん」
「うん!」
レクスの言葉にやる気を出したのか、執務室を出ると、タタタタタ………………なんて遠ざかる足音が聞こえた。
「さてと…………少しだけ仕事をやったら、みんなのところに行こっかな」
領主の仕事にも慣れたには慣れたが……………毎回処理する書類の量が増えているのは気のせいだろうか……………気のせいだと、思いたい。
「……………頑張るか」
そして、黙々と作業に取り掛かり始めるのだった。
◇◆◇◆◇
「カンパーイ! お疲れ様ー!」
イエーイ! とミアは騒ぐ。周囲の客にも迷惑だと言いたいところだが、周囲も中々に騒がしいので特にはとがめないことにした。
レクス達は今、レクス区の冒険者ギルドに併設された店に来ていた。この後の夕食のことも考えないといけないので、控えめにしなければならない。
「ゴクッ、ゴクッ……………はぁ~………。疲れた身体に染み渡るー」
「レイン……………ダンジョンの時もそうだったけど、時々おっさんくさいよ?」
「そうー?」
暢気にそんなことを言い、首を傾げる。因みにレインは人型になってみんなと一緒に飲み物を飲んでいた。そんなレインにレクスは思わず苦笑するのだった。
フィアはレクスにそう尋ねる。
「いや、他には特に……………ごめん、役に立てなくて」
「いやいや、十分だよ。その暗躍してる組織が何らかの目的で魔力を集めてるっていうのがわかっただけでも。正直、暗躍してる組織の正体どころか、目的も掴めてなくて……………情報、ありがとね」
ポンポン、とレクスの頭を軽く撫でるフィア。久しぶりに撫でられ、ふぇ!? なんて声をあげるレクス。
「はぁー……………やっぱり癒されるなぁ」
フィアはほんわかした表情でそう言った。かくいうレクスも少し、少しだけまんざらでもなかったのは…………ここだけの秘密。
「フィ、フィアさん!? な、何やってるんですか!?」
むぎゅーとレクスは抱き締められていた。
「ごめんね、身体がいうこと聞かなくて」
フィアはそう言うが、いたずらっ子のような笑みを浮かべていた。だが、どこか元気がなさそうであった。
「……………疲れてるの?」
「う~ん……………ちょっとね。ここんところちょっと仕事が立て続けに入ってね…………中々休める時がなかったんだ」
フィアは苦笑しながらそう言った。ここ最近、帰ってくるのが遅いと思ったらそういうことだったらしい。まあ、謎の組織を追ってるとさっき言っていたから、恐らくそれ絡みだろう。
「そっか」
それ以上は聞かないことにした。聞いても、レクスが役に立てることはないからだ。だが──────フィアの心労を和らげるくらいならできる。できてると…………いいのだが。
「ふぅ………………ありがと。悪いね、付き合わせちゃって」
フィアは一息ついてレクスから離れると、そう言った。その顔は先程よりも憑き物が取れたような顔だった。
「じゃあ、私は仕事があるから、一旦戻るね」
もうすぐ日も落ちるというのにこれから仕事。中々大変そうだ。騎士団はそういう仕事だから、仕方ない部分もあるのかもしれない。団長だし、なおさらだろう。
「うん、頑張ってね、フィアさん」
「うん!」
レクスの言葉にやる気を出したのか、執務室を出ると、タタタタタ………………なんて遠ざかる足音が聞こえた。
「さてと…………少しだけ仕事をやったら、みんなのところに行こっかな」
領主の仕事にも慣れたには慣れたが……………毎回処理する書類の量が増えているのは気のせいだろうか……………気のせいだと、思いたい。
「……………頑張るか」
そして、黙々と作業に取り掛かり始めるのだった。
◇◆◇◆◇
「カンパーイ! お疲れ様ー!」
イエーイ! とミアは騒ぐ。周囲の客にも迷惑だと言いたいところだが、周囲も中々に騒がしいので特にはとがめないことにした。
レクス達は今、レクス区の冒険者ギルドに併設された店に来ていた。この後の夕食のことも考えないといけないので、控えめにしなければならない。
「ゴクッ、ゴクッ……………はぁ~………。疲れた身体に染み渡るー」
「レイン……………ダンジョンの時もそうだったけど、時々おっさんくさいよ?」
「そうー?」
暢気にそんなことを言い、首を傾げる。因みにレインは人型になってみんなと一緒に飲み物を飲んでいた。そんなレインにレクスは思わず苦笑するのだった。
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