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9章 祝福
フィアのお見合い②
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「ほんと、着いてきてくれてありがとう。仕事とかで疲れてるのに」
「うん。それに仕事で疲れてるなら、フィアさんもでしょ」
「まあ、確かに書類整理とか騎士団の入隊試験の内容とか決めるのに、結構疲れたけど……………レクスだって疲れてるでしょ?」
フィアは少し微笑みながらそう言った。これじゃ、話がループしそうだなぁ、なんて事を考えたレクスは話題を変えることにした。
「フィアさん、そういえば、騎士団の入隊試験の内容を決めるって言ってたけど………………試験内容って元々決まってるんじゃないの?」
先程の会話で気になった部分を聞いてみる。
「あー……………。普通の試験はそうなんだろうけど…………騎士団とかの試験は違うんだよ。毎回同じ試験をしてたら、対策とかされて、本来の実力を計れないでしょ? だから、騎士団とかの試験は、団長が決めるっていうのが毎年の決まりなんだよ」
こういうの、性に合わないんだよね、と呟きながら苦笑するフィア。試験の内容決めに相当まいっているらしい。ならば。
「ひぅ!?」
フィアが変な声を出した。レクスが肩を触ったからだ。
「あ、ごめん…………何も言わずに」
「いや、別に良いんだけど……………どうしたの?」
少し頬を赤くしながらそんなことを尋ねる。
「いやぁ……………ちょっと肩でも揉もうかと思って。見たところ、相当こってるようだし」
先程から歩きながら時々腕を回しながら肩の調子を確かめたりしてたので、そうなのではと思ったのだ。
レクスはフィアの返事も聞くことなく、肩を揉み始めた。
「んっ………………!!」
思った通り、相当こっていた。これは良く揉みほぐした方が良さそうだ。
「どう? フィアさん、痛くない?」
「気持ちいいし……………痛くはない、けど…………周りの視線がちょっと……………」
フィアは気持ち良さそうな表情が半分、困惑した表情が半分といった感じだった。レクスもフィアに指摘されて、ようやく生温かい視線を向けられていることに気づく。
「ご、ごめん……………フィアさん」
レクスは、慌ててフィアから手を離した。その顔は恥ずかしさからか赤くなっていた。
「い、いや、大丈夫だよ、肩揉み、気持ちよかったし………………その、ありがとう。気遣ってくれて」
「う、うん………………」
「………………じゃあ、行こっか」
フィアがそう言うと、レクスも頷きそそくさと二人ともその場を去っていくのだった。因みに───────
「あの二人、親子みたいだよな」
「っていうか、親子じゃないの? 二人で並んで歩いてるし」
「いや、違うだろ。明らかに見た目とか似てねえし」
「父親似なのでは?」
周囲の人達はレクス達を見て、こんな会話をしていたのだ。親子だ、親子じゃない、その議論は微かに周囲に広がりを見せた(かもしれない)のだった。
もう一つ、今日エレナ達はレクスに着いてきていない。このようなイベントだったら着いてきそうなものなのだが……………
『ほら、大勢で行くと相手も驚いちゃうし、それに…………………』
こしょこしょとエレナの耳元に口を近づけ、何かを喋るフィア。
『そういうわけで、一日だけでいいから、レクスを貸してくれない?』
『……………分かった………。………約束、守ってよ…………?』
『うん』
『エレナ、いいの? 行かなくて』
ミーシャが口を挟む。
『……………うん………フィアの事は、少なからず信用はしてるから……………』
『少なからずなんだ………………』
あははは……………と苦笑するフィアだった。
────────というような感じだ。うん、分からないけど、知らないうちに話が終わってたってやつだろう。とりあえず、レクスは蚊帳の外だったということだ。それだけ分かってもらえば十分であろう、きっと。
「うん。それに仕事で疲れてるなら、フィアさんもでしょ」
「まあ、確かに書類整理とか騎士団の入隊試験の内容とか決めるのに、結構疲れたけど……………レクスだって疲れてるでしょ?」
フィアは少し微笑みながらそう言った。これじゃ、話がループしそうだなぁ、なんて事を考えたレクスは話題を変えることにした。
「フィアさん、そういえば、騎士団の入隊試験の内容を決めるって言ってたけど………………試験内容って元々決まってるんじゃないの?」
先程の会話で気になった部分を聞いてみる。
「あー……………。普通の試験はそうなんだろうけど…………騎士団とかの試験は違うんだよ。毎回同じ試験をしてたら、対策とかされて、本来の実力を計れないでしょ? だから、騎士団とかの試験は、団長が決めるっていうのが毎年の決まりなんだよ」
こういうの、性に合わないんだよね、と呟きながら苦笑するフィア。試験の内容決めに相当まいっているらしい。ならば。
「ひぅ!?」
フィアが変な声を出した。レクスが肩を触ったからだ。
「あ、ごめん…………何も言わずに」
「いや、別に良いんだけど……………どうしたの?」
少し頬を赤くしながらそんなことを尋ねる。
「いやぁ……………ちょっと肩でも揉もうかと思って。見たところ、相当こってるようだし」
先程から歩きながら時々腕を回しながら肩の調子を確かめたりしてたので、そうなのではと思ったのだ。
レクスはフィアの返事も聞くことなく、肩を揉み始めた。
「んっ………………!!」
思った通り、相当こっていた。これは良く揉みほぐした方が良さそうだ。
「どう? フィアさん、痛くない?」
「気持ちいいし……………痛くはない、けど…………周りの視線がちょっと……………」
フィアは気持ち良さそうな表情が半分、困惑した表情が半分といった感じだった。レクスもフィアに指摘されて、ようやく生温かい視線を向けられていることに気づく。
「ご、ごめん……………フィアさん」
レクスは、慌ててフィアから手を離した。その顔は恥ずかしさからか赤くなっていた。
「い、いや、大丈夫だよ、肩揉み、気持ちよかったし………………その、ありがとう。気遣ってくれて」
「う、うん………………」
「………………じゃあ、行こっか」
フィアがそう言うと、レクスも頷きそそくさと二人ともその場を去っていくのだった。因みに───────
「あの二人、親子みたいだよな」
「っていうか、親子じゃないの? 二人で並んで歩いてるし」
「いや、違うだろ。明らかに見た目とか似てねえし」
「父親似なのでは?」
周囲の人達はレクス達を見て、こんな会話をしていたのだ。親子だ、親子じゃない、その議論は微かに周囲に広がりを見せた(かもしれない)のだった。
もう一つ、今日エレナ達はレクスに着いてきていない。このようなイベントだったら着いてきそうなものなのだが……………
『ほら、大勢で行くと相手も驚いちゃうし、それに…………………』
こしょこしょとエレナの耳元に口を近づけ、何かを喋るフィア。
『そういうわけで、一日だけでいいから、レクスを貸してくれない?』
『……………分かった………。………約束、守ってよ…………?』
『うん』
『エレナ、いいの? 行かなくて』
ミーシャが口を挟む。
『……………うん………フィアの事は、少なからず信用はしてるから……………』
『少なからずなんだ………………』
あははは……………と苦笑するフィアだった。
────────というような感じだ。うん、分からないけど、知らないうちに話が終わってたってやつだろう。とりあえず、レクスは蚊帳の外だったということだ。それだけ分かってもらえば十分であろう、きっと。
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