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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
事態は更に…………
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「……………昨日の夜中に、ヴァンナさんが連れ去られた…………!?」
「…………ああ。おかげで、朝からどこもかしこも大騒ぎだ」
セレスが疲れたような表情でそう言った。セレスは街の住民達の混乱に巻き込まれたのだ。昨日は財務局の方に出向いており、早く帰りたくて今日の未明ではあったが、馬車で帰ってきていたのだ。その道中では、民衆が大騒ぎ。原因は、ヴァンナが王宮から連れ去られたからだ。
「……………フィオナ達にも、この事を伝えないと」
これを聞いたら、きっと慌てるし混乱するだろう。だが、これは推測の粋をでないが、恐らくヴァンナは生きている。セレスは連れ去られたと言った。連れ去ってすぐに殺すなんてことはしないだろうし、何かするつもりがあるからこそ、ヴァンナを連れ去ったのだ。
レクスはそんなことを考えつつ、みんなを呼びに行くのだった。
◇◆◇◆◇
それから暫くして。レクスの部屋にはフィア、セレスも含めて全員集合していた。
「そ、そんな……………お母様が」
フィオナの顔は青ざめていた。そうなるのも当然だろう。自分の母が連れ去られたとなれば、慌てるものである。
「……………今すぐ、探しに行かないと…………」
エレナは深刻そうな表情でそう言った。フィオナが困っているのだ。助けないわけにはいかない。それに─────フィオナの悲しむ顔は見たくない。
「でも、問題は場所よね……………」
ミーシャはそう言った。そう。最大の問題はそこだ。せめて、犯人さえ分かればどうにかなったのかもしれないが、実際のところは分かっていない。ここは───────
「─────『見る』」
レクスの見たことのある場所なら、どこでも見渡せる優れもののスキル。レクスは、あらゆる場所を見渡した。セレニア皇国中を、果ては他国周辺まで。最近行った場所も探した。しかし───────
「いないね……………」
レクスは深刻な表情でそう言った。
「じゃあ、お母様は、もう……………!」
「フィオナ。まだそうだと決まった訳じゃない。王宮にいた兵士の証言によると、ヴァンナ皇女は連れ去られたそうだ。そもそも、犯人にそんなつもりがあるのなら、連れ去りはしない。つまり─────近いうちに、また何か仕掛けてくるということだ」
セレスはそう言った。確かにその通りなのだ。そしてそれは、先程レクスも考えていたこと。
「それに──────いや、今話すべき話題ではないな」
セレスはそう言った。フィオナの前で話すべき話題ではない。セレスはレクスに視線を送った。後で話がある、という。レクスも意図を理解したのか、静かに頷いた。
「……………とりあえず、みんな準備しよう。ヴァンナさんを探しに行くよ」
レクスの言葉にエレナ達は頷くと、急いで準備しに行った。勿論、冒険に行く時の身支度と同様だ。フィオナもとりあえず、準備しに行ったようだ。
「…………それで、セレスさん。先程の話というのは?」
レクスはセレスにそう尋ねる。
「実は、ヴァンナ皇女が連れ去られことで、もう一つ問題が生じるんだ。──────過激派の貴族がこの機に乗じて反乱を起こす可能性がある、というより、ほぼ確実に起こるだろう」
「────────!」
レクスもハッとしたような表情になった。皇女が不在の今、セレニア皇国内は荒れるだろう。そうなったら大変なことになる。一刻も早く事態の沈静化を図る必要がある。
「……………………やばいね………」
レクスは顔をしかめながらそう呟くのだった。
「…………ああ。おかげで、朝からどこもかしこも大騒ぎだ」
セレスが疲れたような表情でそう言った。セレスは街の住民達の混乱に巻き込まれたのだ。昨日は財務局の方に出向いており、早く帰りたくて今日の未明ではあったが、馬車で帰ってきていたのだ。その道中では、民衆が大騒ぎ。原因は、ヴァンナが王宮から連れ去られたからだ。
「……………フィオナ達にも、この事を伝えないと」
これを聞いたら、きっと慌てるし混乱するだろう。だが、これは推測の粋をでないが、恐らくヴァンナは生きている。セレスは連れ去られたと言った。連れ去ってすぐに殺すなんてことはしないだろうし、何かするつもりがあるからこそ、ヴァンナを連れ去ったのだ。
レクスはそんなことを考えつつ、みんなを呼びに行くのだった。
◇◆◇◆◇
それから暫くして。レクスの部屋にはフィア、セレスも含めて全員集合していた。
「そ、そんな……………お母様が」
フィオナの顔は青ざめていた。そうなるのも当然だろう。自分の母が連れ去られたとなれば、慌てるものである。
「……………今すぐ、探しに行かないと…………」
エレナは深刻そうな表情でそう言った。フィオナが困っているのだ。助けないわけにはいかない。それに─────フィオナの悲しむ顔は見たくない。
「でも、問題は場所よね……………」
ミーシャはそう言った。そう。最大の問題はそこだ。せめて、犯人さえ分かればどうにかなったのかもしれないが、実際のところは分かっていない。ここは───────
「─────『見る』」
レクスの見たことのある場所なら、どこでも見渡せる優れもののスキル。レクスは、あらゆる場所を見渡した。セレニア皇国中を、果ては他国周辺まで。最近行った場所も探した。しかし───────
「いないね……………」
レクスは深刻な表情でそう言った。
「じゃあ、お母様は、もう……………!」
「フィオナ。まだそうだと決まった訳じゃない。王宮にいた兵士の証言によると、ヴァンナ皇女は連れ去られたそうだ。そもそも、犯人にそんなつもりがあるのなら、連れ去りはしない。つまり─────近いうちに、また何か仕掛けてくるということだ」
セレスはそう言った。確かにその通りなのだ。そしてそれは、先程レクスも考えていたこと。
「それに──────いや、今話すべき話題ではないな」
セレスはそう言った。フィオナの前で話すべき話題ではない。セレスはレクスに視線を送った。後で話がある、という。レクスも意図を理解したのか、静かに頷いた。
「……………とりあえず、みんな準備しよう。ヴァンナさんを探しに行くよ」
レクスの言葉にエレナ達は頷くと、急いで準備しに行った。勿論、冒険に行く時の身支度と同様だ。フィオナもとりあえず、準備しに行ったようだ。
「…………それで、セレスさん。先程の話というのは?」
レクスはセレスにそう尋ねる。
「実は、ヴァンナ皇女が連れ去られことで、もう一つ問題が生じるんだ。──────過激派の貴族がこの機に乗じて反乱を起こす可能性がある、というより、ほぼ確実に起こるだろう」
「────────!」
レクスもハッとしたような表情になった。皇女が不在の今、セレニア皇国内は荒れるだろう。そうなったら大変なことになる。一刻も早く事態の沈静化を図る必要がある。
「……………………やばいね………」
レクスは顔をしかめながらそう呟くのだった。
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