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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
危機というものは大体、同時にやってくる…………のかもしれない
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「じゃあ、後程メールで話し合いましょ!」
そう言うと、春咩達は焼肉屋を後にする。レクス達のステータスには新しく《メール》という機能が追加され、相手を指定してメールを送ったり、全体にメールを送ったりできるのだそう。
「魔力通信機の方が便利だと思うんだけどなぁ…………」
特定の魔力波動を探知し、話したい相手とすぐにつながる。まあ、メールでも悪くはない。魔力通信機は作れるには作れるが、もう少し親しくなってからでも遅くはないだろう。
「私達も、会計を済ましてここを出るぞ。あまり遅くなるのもよくない」
セレスはそう提案した。確かに長居はあまりよくないだろう。だが…………
「セレスさん、歩ける?」
「だ、大丈夫だっ………これくらいっ」
セレスの腹は膨れたままだった。どう見ても大丈夫ではない。苦しそうである。
「もう、お姉さま。だらしないですよ。いつまでそうしているんですか。レクス、ここを出るよ」
反対にフィアはもう大丈夫そうだった。ここは姉妹で差が出るらしい。
「う、うん……………」
セレスの方を見ながら、大丈夫かな……………? と不安に思いながらセレスの方を見る。
「セ、セレスさんっ、大丈夫ですか……………?」
シュエイルも気遣わしげにセレスに声をかける。少し頬を赤くしながら、腰に手を添えて肩を貸してやる。とはいえ、シュエイルもそれほど背が高いわけではないので、正直支えになっているかすら怪しいが。
「ああ…………すまない、シュエイル」
とりあえずレクス達は、焼肉屋を後にしたのだった。
◇◆◇◆◇
「リミル。突入は明日の夜だが、準備はできてるな?」
「そりゃあ、勿論だよ~、オルクリム」
相変わらずマイペースな口調でそう言うリミル。城への侵入経路を確認し、後は明日成功させるだけ。そうすることで、自分はこの国の王になれる。
「この腐った国を変えなければ……………」
オルクリムの目には一種の覚悟が垣間見えた。
「オルクリム~、今から力入れてても、疲れるだけだよ? 私達は、攻める側なんだから~。もっと力抜いて。じゃなきゃ、成功するものも成功しなくなっちゃうよ~?」
リミルがそう言った。確かに、今から力んでいても仕方あるまい。だが、なんかそわそわして落ち着かないのだ。
「……………じゃあ、もう一回作戦の確認でもしとく?」
リミルはそう提案した。落ち着かないのなら、逆に何かすることで気を紛らわせるのだ。何かしていれば、余計なことを考えずに済む。
「ああ、そうだな。それがいい」
オルクリムはそう言いながら頷いた。というわけで、作戦会議開始。
「じゃあ、まず~、私が率いる裏工作部隊がここの勝手口から侵入して~、陽動として、オルクリム率いる特攻部隊が真正面から突っ込むっ。こんな感じかな~…………」
「やはり…………なんというか、雑な地図を描いた私が言えた口でもないが、少々作戦が大雑把過ぎないか?」
オルクリムは顎に手を当てて苦笑しながらそう口にする。これで本当に作戦はうまくいくのだろうか。確認すればするほど、不安になるものだ。
「大丈夫だって。一応、事前に薬はまいておくんだし~。私達裏工作部隊は、基本城内から人が出られないようにちょっと細工をするだけだからね」
リミルはオルクリムを安心させるが如くいたずらっ子ぽい笑みを浮かべるのだった。
そう言うと、春咩達は焼肉屋を後にする。レクス達のステータスには新しく《メール》という機能が追加され、相手を指定してメールを送ったり、全体にメールを送ったりできるのだそう。
「魔力通信機の方が便利だと思うんだけどなぁ…………」
特定の魔力波動を探知し、話したい相手とすぐにつながる。まあ、メールでも悪くはない。魔力通信機は作れるには作れるが、もう少し親しくなってからでも遅くはないだろう。
「私達も、会計を済ましてここを出るぞ。あまり遅くなるのもよくない」
セレスはそう提案した。確かに長居はあまりよくないだろう。だが…………
「セレスさん、歩ける?」
「だ、大丈夫だっ………これくらいっ」
セレスの腹は膨れたままだった。どう見ても大丈夫ではない。苦しそうである。
「もう、お姉さま。だらしないですよ。いつまでそうしているんですか。レクス、ここを出るよ」
反対にフィアはもう大丈夫そうだった。ここは姉妹で差が出るらしい。
「う、うん……………」
セレスの方を見ながら、大丈夫かな……………? と不安に思いながらセレスの方を見る。
「セ、セレスさんっ、大丈夫ですか……………?」
シュエイルも気遣わしげにセレスに声をかける。少し頬を赤くしながら、腰に手を添えて肩を貸してやる。とはいえ、シュエイルもそれほど背が高いわけではないので、正直支えになっているかすら怪しいが。
「ああ…………すまない、シュエイル」
とりあえずレクス達は、焼肉屋を後にしたのだった。
◇◆◇◆◇
「リミル。突入は明日の夜だが、準備はできてるな?」
「そりゃあ、勿論だよ~、オルクリム」
相変わらずマイペースな口調でそう言うリミル。城への侵入経路を確認し、後は明日成功させるだけ。そうすることで、自分はこの国の王になれる。
「この腐った国を変えなければ……………」
オルクリムの目には一種の覚悟が垣間見えた。
「オルクリム~、今から力入れてても、疲れるだけだよ? 私達は、攻める側なんだから~。もっと力抜いて。じゃなきゃ、成功するものも成功しなくなっちゃうよ~?」
リミルがそう言った。確かに、今から力んでいても仕方あるまい。だが、なんかそわそわして落ち着かないのだ。
「……………じゃあ、もう一回作戦の確認でもしとく?」
リミルはそう提案した。落ち着かないのなら、逆に何かすることで気を紛らわせるのだ。何かしていれば、余計なことを考えずに済む。
「ああ、そうだな。それがいい」
オルクリムはそう言いながら頷いた。というわけで、作戦会議開始。
「じゃあ、まず~、私が率いる裏工作部隊がここの勝手口から侵入して~、陽動として、オルクリム率いる特攻部隊が真正面から突っ込むっ。こんな感じかな~…………」
「やはり…………なんというか、雑な地図を描いた私が言えた口でもないが、少々作戦が大雑把過ぎないか?」
オルクリムは顎に手を当てて苦笑しながらそう口にする。これで本当に作戦はうまくいくのだろうか。確認すればするほど、不安になるものだ。
「大丈夫だって。一応、事前に薬はまいておくんだし~。私達裏工作部隊は、基本城内から人が出られないようにちょっと細工をするだけだからね」
リミルはオルクリムを安心させるが如くいたずらっ子ぽい笑みを浮かべるのだった。
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