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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
そこには──────
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「これは……………」
レクス達の目の前には、巨大なドアが佇んでいた。雰囲気的にボス部屋のような感じがする。これは、心して扉を開ける必要がありそうだ。
「行くよ? せーの…………」
ミドクは、一息ついてから、扉を開ける。そこには───────
「──────なっ!? なんで、ここがばれた!? 絶対にばれないってあの女も言ってたはず…………。まさか、騙したのか…………!」
「や、やっぱり…………嫌な予感がしたんだ。途中からモニターにも映らなくなったし…………。あああぁぁ………………」
一人の男は、怒りに震え、もう一人の男は絶望に染まったような顔つきになった。男二人がそんな風に慌てふためく中……………
「…………………………」
レクス達も暫し無言のまま呆然と立っていた。現れたのは、ボスですらなく、エルフよりは耳が短いが、常人よりは長いのが特徴の種族─────ハイエルフだったのだから。
「──────って、オウクとユガンじゃないか。どうしたんだ、こんなところで」
フウシが、膠着状態を破った。
「フウ!? なんでお前がここに!? ていうか、こ、ここは魔物が湧き出すから、中には入って来られないはずじゃっ…………」
オウクが慌てたような口調でそう言う。
「ほう…………? その理論で行けば、お前らもここに入って来られないことになるんだが………。さては、このウグイヴの砦の拡大、お前らの仕業か?」
「っ……………。い、いや、俺はその、ほら、結界魔法が得意だっただろ!? 結界魔法を駆使してここまで来たんだが、ま、魔力が尽きちまってなぁ。こいつと二人、ここで隠れていたわけよ」
あは、あははは、とぎこちない笑いを浮かべるオウク。ユガンはただただ震えて突っ立っているだけで、特に何も話さない。
「フウシ、知り合い?」
「ああ。学園時代に付き合いがあってな」
フウシはそう言った。二人とも学園時代の友人であり、学園時代を共に過ごしてきた仲だ。
「オウ……………いくら結界魔法が得意で、“賢者”と呼ばれてても、この魔物の数では無理があるだろう」
そう。いくら、賢者と呼ばれていたとしても、限界というものはある。あれほどの魔物の数を退けるような結界を張れるとは、到底思えなかった。
「……………やはり、お前達がやったんだな?」
フウシの表情は険しかった。友人と対立することになるとは、思いもしなかったのだろう。握りしめる拳は、僅かに震えていた。
「貴方達…………ハイエルフの掟、覚えてるわよね? 貴方達はそれを破った。強大な力を意味もなく他者に向けてはならない。また、力を振りかざしてはならない、という掟を。そして────掟を破った者には、それ相応の罰が下るということも」
「ひぃっ…………!? そ、それだけはご勘弁を! お、俺には家族がいるんだ! 仕方なくやったことなんだ!!」
「───────それが遺言ってことでいいのかしら?」
珍しく本気で怒っているミドク。ハイエルフ族の掟を破ったのだ。それも当然だ。
「ほ、本当なんですっ! 僕達、家族を人質に取られてて、や、やらざるを得なかったんです! あ、後で処分でもなんでも甘んじて受け入れますから、す、少しだけでも僕達の話を聞いてくださいっ!!」
必死に頭を下げる二人。ミドクは、演技のつもりか? とそんな二人を威圧するような目つきで睨む。だが、フウシはそんなミドクを手で制した。
「ちょっと、フウシ」
「……………話を聞くぐらいなら、構わんだろう?」
フウシはそう言った。それに、この二人は独断でこんなことをするようには思えなかった。話を聞けば何かが分かるかもしれない。何かが引っ掛かるのだ。
「…………分かったわ」
ミドクはふぅー…………とため息をつきつつも、了承してくれた。
「………ありがとう」
フウシはミドクに礼を言った。
レクス達の目の前には、巨大なドアが佇んでいた。雰囲気的にボス部屋のような感じがする。これは、心して扉を開ける必要がありそうだ。
「行くよ? せーの…………」
ミドクは、一息ついてから、扉を開ける。そこには───────
「──────なっ!? なんで、ここがばれた!? 絶対にばれないってあの女も言ってたはず…………。まさか、騙したのか…………!」
「や、やっぱり…………嫌な予感がしたんだ。途中からモニターにも映らなくなったし…………。あああぁぁ………………」
一人の男は、怒りに震え、もう一人の男は絶望に染まったような顔つきになった。男二人がそんな風に慌てふためく中……………
「…………………………」
レクス達も暫し無言のまま呆然と立っていた。現れたのは、ボスですらなく、エルフよりは耳が短いが、常人よりは長いのが特徴の種族─────ハイエルフだったのだから。
「──────って、オウクとユガンじゃないか。どうしたんだ、こんなところで」
フウシが、膠着状態を破った。
「フウ!? なんでお前がここに!? ていうか、こ、ここは魔物が湧き出すから、中には入って来られないはずじゃっ…………」
オウクが慌てたような口調でそう言う。
「ほう…………? その理論で行けば、お前らもここに入って来られないことになるんだが………。さては、このウグイヴの砦の拡大、お前らの仕業か?」
「っ……………。い、いや、俺はその、ほら、結界魔法が得意だっただろ!? 結界魔法を駆使してここまで来たんだが、ま、魔力が尽きちまってなぁ。こいつと二人、ここで隠れていたわけよ」
あは、あははは、とぎこちない笑いを浮かべるオウク。ユガンはただただ震えて突っ立っているだけで、特に何も話さない。
「フウシ、知り合い?」
「ああ。学園時代に付き合いがあってな」
フウシはそう言った。二人とも学園時代の友人であり、学園時代を共に過ごしてきた仲だ。
「オウ……………いくら結界魔法が得意で、“賢者”と呼ばれてても、この魔物の数では無理があるだろう」
そう。いくら、賢者と呼ばれていたとしても、限界というものはある。あれほどの魔物の数を退けるような結界を張れるとは、到底思えなかった。
「……………やはり、お前達がやったんだな?」
フウシの表情は険しかった。友人と対立することになるとは、思いもしなかったのだろう。握りしめる拳は、僅かに震えていた。
「貴方達…………ハイエルフの掟、覚えてるわよね? 貴方達はそれを破った。強大な力を意味もなく他者に向けてはならない。また、力を振りかざしてはならない、という掟を。そして────掟を破った者には、それ相応の罰が下るということも」
「ひぃっ…………!? そ、それだけはご勘弁を! お、俺には家族がいるんだ! 仕方なくやったことなんだ!!」
「───────それが遺言ってことでいいのかしら?」
珍しく本気で怒っているミドク。ハイエルフ族の掟を破ったのだ。それも当然だ。
「ほ、本当なんですっ! 僕達、家族を人質に取られてて、や、やらざるを得なかったんです! あ、後で処分でもなんでも甘んじて受け入れますから、す、少しだけでも僕達の話を聞いてくださいっ!!」
必死に頭を下げる二人。ミドクは、演技のつもりか? とそんな二人を威圧するような目つきで睨む。だが、フウシはそんなミドクを手で制した。
「ちょっと、フウシ」
「……………話を聞くぐらいなら、構わんだろう?」
フウシはそう言った。それに、この二人は独断でこんなことをするようには思えなかった。話を聞けば何かが分かるかもしれない。何かが引っ掛かるのだ。
「…………分かったわ」
ミドクはふぅー…………とため息をつきつつも、了承してくれた。
「………ありがとう」
フウシはミドクに礼を言った。
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