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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
きな臭い噂、的中?(ある意味)
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「………レクス、お仕事、頑張って…………」
エレナは、少し赤らんだ表情でそう言った。
「う、うん、また後でね…………」
レクスの方も少し照れたようにそう返した。普段は恥じらうことはないのだが、こういう時にはいつも恥ずかしさが込み上げてくるのだ。
「わあー…………初々しいね♪」
「俺がまだ若かった頃を見てるみたいだぜ…………!」
などなど、色々な声が聞こえてきた。レクスはなるべく聞こえないようにと思っていたのだが、否が応にも聞こえてしまうため、赤面せざるを得なかった。
「レクス、エレナ…………ありがとう!!」
フィオナは、鼻血を垂らしながらサムズアップ。いいものを見せてもらったと言わんばかりの顔だった。
「フィアさん……………」
「ごめん、レクス…………恩に着るよ」
フィアはレクスからもらったティッシュで鼻血を拭きながら、にやけ顔でお礼を言った。フィアはどこでも相変わらずらしい。─────と。
「た、大変です!! 民主派の者達が大軍を引き連れて西門を攻撃しています!!」
伝令役の騎士が、フィアの元へ急いで走り寄りながらそう報告したのだった。
◇◆◇◆◇
「おい、なぜだ…………!! お前らは民主派の人間のはずだっ! それなのに、なぜ我々と戦う!?」
剣を握る手に力を込め、踏ん張りながらそう問う男の騎士。
「そりゃあよぉ、こんな世界に嫌気が差したからだよ!! 何が民主政治だ! 悪徳領主どもを野放しにしてる時点で、民主もくそもあるかぁ!!」
装備もつけていない一般人の男性が慣れない剣をやけくそに振るう。
キイイイイィィィィィ──────ン!!
「くっ……………!! 貴様、正気か…………!?」
騎士とこの一般人の男性は古くからの友だ。できれば斬りたくなどない。だが、騎士として他の市民を守るためには、一肌脱がなければならないのか…………。迷いが生じる。どうするべきか否か、戦いの最中にそんなことを考えていると─────
「バーカ、お前ら雑魚が悩むなんて千年はえーんだよ、くそがっ」
男の騎士が知っている一般人の男性らしからぬ口調でそう言うと、次の瞬間、周囲にいた人々が消え、一ヶ所に魔力の塊として集まり─────人の形を成した。とは言っても、人間ではない。性別は女だろうか。頭には立派な角を生やし、膨大な魔力が感じられた。透き通るような青い髪が特徴的だ。容姿は比較的端麗である。まだ少女のようだが。
「き、貴様は……………!?」
「うんうん」
「き、貴様は………………!!」
「うんうん」
「……………だ、誰だ?」
騎士の男性はついぞ分からなかったのか、首を傾げながらそう言った。
「知らねえのに分かった風なリアクションすんじゃねえよ!! 私だって、お前なんか知らねえっつの!!」
ふん!! とそっぽを向き、いかにもツンデレっぽい仕草をする女。
「…………それで、結局の所、君は何者なの? 場合によっては、容赦はしないよ」
キラーンと効果音すらつきそうな金髪のイケメン騎士が、他の騎士よりも一歩前に出てそう問いかける。
「仕方ない。冥土の土産に教えてやらんこともない……………が。まずその前に、お前。キザなイケメンはくたばれ。邪魔だ、むかつく」
「へ?」
女はそう言うと、風魔法でイケメン騎士を吹き飛ばした。
「ごぼべぇ!?」
イケメン騎士はそのまま木に激突し、ずるずるとずり落ちて、気絶した。イケメンな顔が見るも無惨な姿になってしまった。
「さて、邪魔者もいなくなったことだし…………私の正体を教えてやろう」
彼女の圧倒的な威圧感に誰もがゴクリ…………と息を飲む。
「──────私は元魔王のサリウスだ」
女─────サリウスはそう言うとニヤリ…………と笑ったのだった。
エレナは、少し赤らんだ表情でそう言った。
「う、うん、また後でね…………」
レクスの方も少し照れたようにそう返した。普段は恥じらうことはないのだが、こういう時にはいつも恥ずかしさが込み上げてくるのだ。
「わあー…………初々しいね♪」
「俺がまだ若かった頃を見てるみたいだぜ…………!」
などなど、色々な声が聞こえてきた。レクスはなるべく聞こえないようにと思っていたのだが、否が応にも聞こえてしまうため、赤面せざるを得なかった。
「レクス、エレナ…………ありがとう!!」
フィオナは、鼻血を垂らしながらサムズアップ。いいものを見せてもらったと言わんばかりの顔だった。
「フィアさん……………」
「ごめん、レクス…………恩に着るよ」
フィアはレクスからもらったティッシュで鼻血を拭きながら、にやけ顔でお礼を言った。フィアはどこでも相変わらずらしい。─────と。
「た、大変です!! 民主派の者達が大軍を引き連れて西門を攻撃しています!!」
伝令役の騎士が、フィアの元へ急いで走り寄りながらそう報告したのだった。
◇◆◇◆◇
「おい、なぜだ…………!! お前らは民主派の人間のはずだっ! それなのに、なぜ我々と戦う!?」
剣を握る手に力を込め、踏ん張りながらそう問う男の騎士。
「そりゃあよぉ、こんな世界に嫌気が差したからだよ!! 何が民主政治だ! 悪徳領主どもを野放しにしてる時点で、民主もくそもあるかぁ!!」
装備もつけていない一般人の男性が慣れない剣をやけくそに振るう。
キイイイイィィィィィ──────ン!!
「くっ……………!! 貴様、正気か…………!?」
騎士とこの一般人の男性は古くからの友だ。できれば斬りたくなどない。だが、騎士として他の市民を守るためには、一肌脱がなければならないのか…………。迷いが生じる。どうするべきか否か、戦いの最中にそんなことを考えていると─────
「バーカ、お前ら雑魚が悩むなんて千年はえーんだよ、くそがっ」
男の騎士が知っている一般人の男性らしからぬ口調でそう言うと、次の瞬間、周囲にいた人々が消え、一ヶ所に魔力の塊として集まり─────人の形を成した。とは言っても、人間ではない。性別は女だろうか。頭には立派な角を生やし、膨大な魔力が感じられた。透き通るような青い髪が特徴的だ。容姿は比較的端麗である。まだ少女のようだが。
「き、貴様は……………!?」
「うんうん」
「き、貴様は………………!!」
「うんうん」
「……………だ、誰だ?」
騎士の男性はついぞ分からなかったのか、首を傾げながらそう言った。
「知らねえのに分かった風なリアクションすんじゃねえよ!! 私だって、お前なんか知らねえっつの!!」
ふん!! とそっぽを向き、いかにもツンデレっぽい仕草をする女。
「…………それで、結局の所、君は何者なの? 場合によっては、容赦はしないよ」
キラーンと効果音すらつきそうな金髪のイケメン騎士が、他の騎士よりも一歩前に出てそう問いかける。
「仕方ない。冥土の土産に教えてやらんこともない……………が。まずその前に、お前。キザなイケメンはくたばれ。邪魔だ、むかつく」
「へ?」
女はそう言うと、風魔法でイケメン騎士を吹き飛ばした。
「ごぼべぇ!?」
イケメン騎士はそのまま木に激突し、ずるずるとずり落ちて、気絶した。イケメンな顔が見るも無惨な姿になってしまった。
「さて、邪魔者もいなくなったことだし…………私の正体を教えてやろう」
彼女の圧倒的な威圧感に誰もがゴクリ…………と息を飲む。
「──────私は元魔王のサリウスだ」
女─────サリウスはそう言うとニヤリ…………と笑ったのだった。
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