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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
きな臭い噂と浴衣
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「まさか東門の警備だなんて…………予想外だったよ、本当に─────」
レクスは、はぁ…………とため息をつきながらそう言った。何が空しくて祭りをやってる中、警備しなければならないのか。まあ、東門が一番危険だって言うし、気を引き締めて警備に当たらなければ。
「ため息ついてると、幸せが逃げてっちゃうよ? レクス」
レクスが後ろを振り向くと、そこには─────フィアがいた。ディベルティメント騎士団の鎧を身にまとい、鎧の腕には団長の証であるフェニックスにも似た紋章が刻まれていた。
「フィアさんもここだったんですね」
「うん、まさかレクスもここにいるとは思わなかったけど」
「僕も会議で初めて知ったんだよ。それまで、全然知らなかったんだよ…………領主が街の警備に当たるなんて」
「ああ、そういえばそうだったね。領主は確か毎年警備に当たってるんだったね。私は騎士団として活動してたから、すっかり忘れてた」
思い出したようにそう言うフィア。それはそうと─────
「所で、フィアさん、その…………抱きつくの、や、やめてくれない?」
そう。レクスはフィアに後ろから抱き締められているのだ。それも声をかけられた時には既に抱きつかれていたのだ。
「だーめ、これでも結構我慢してるんだから。本当は一日に五回以上は必須なくらいなんだから」
「せめて一日一回でお願いします…………」
レクスは諦めたようにそう言い、ため息をついた。
「ん~♪ やっぱりレクスは可愛い♪」
フィアは頬をスリスリしだした。レクスは当然、慌てる。
「フィ、フィアさん、公衆の面前でそれは…………!」
騎士団団長としてもまずいし、レクスとしても恥ずかしいのでやめて欲しい。そして、レクスが気になっている公衆の反応は。
「フィア様、本当レクス君好きだよね」
「本当だよ。そのまま結婚しちゃえーとか思うくらいだし」
レクスにはエレナという立派な婚約者がいるので、それは出来ないと思う。
「見てて微笑ましいな」
「和むよねー…………」
周囲の人々がディベルティメント騎士団の面々だったり、優しい冒険者達だったりとそんな人達ばかりだったので、そこまで気にされてはいなかった。
「フィアさん、そういえばなんだけど。独裁派のきな臭い噂ってどんな感じなの?」
「うーん…………噂によると、ここに大量の軍勢を率いて攻めてくるらしいんだけど…………正直微妙なんだよね。五分五分って感じ」
フィアは苦笑しながらそう言った。─────と。
「レクス~!」
「あ、フィアもいる」
向こうから声がした。こちらに駆け寄ってきているのは──────
「ミーシャ! それにみんなも! どうしてここに?」
(わざわざ東門まで、何しに来たんだろう? こっちの方に特に何かあるわけでもないし)
東門の方には、厳重な警戒体制が敷かれているため、屋台などは一切置いていない。
「っていうか、みんな…………色々手に持ってるけど……………魔法袋は?」
「みんな屋敷に忘れてきちゃったのよ」
あっけらかんとした表情でそう言うミーシャ。大して気にしていないようだ。
「それよりも、レクス。見て、エレナの浴衣姿! どう?」
ミーシャはエレナをレクスの前に出して、そう言った。エレナは白い生地をベースとした、所々幻想的なモチーフが入った浴衣に身を包んでいた。それが、エレナと絶妙にマッチしていた。これは、控えめに言っても─────
「か、可愛い、と思うよ…………。その、とてもよく、似合ってる…………」
「……………………!!」
レクスの顔もエレナの顔も、それはもう恥ずかしさのあまり、真っ赤に染まっていた。そんな様子をミーシャ達は微笑ましそうに見ていたのだった。
レクスは、はぁ…………とため息をつきながらそう言った。何が空しくて祭りをやってる中、警備しなければならないのか。まあ、東門が一番危険だって言うし、気を引き締めて警備に当たらなければ。
「ため息ついてると、幸せが逃げてっちゃうよ? レクス」
レクスが後ろを振り向くと、そこには─────フィアがいた。ディベルティメント騎士団の鎧を身にまとい、鎧の腕には団長の証であるフェニックスにも似た紋章が刻まれていた。
「フィアさんもここだったんですね」
「うん、まさかレクスもここにいるとは思わなかったけど」
「僕も会議で初めて知ったんだよ。それまで、全然知らなかったんだよ…………領主が街の警備に当たるなんて」
「ああ、そういえばそうだったね。領主は確か毎年警備に当たってるんだったね。私は騎士団として活動してたから、すっかり忘れてた」
思い出したようにそう言うフィア。それはそうと─────
「所で、フィアさん、その…………抱きつくの、や、やめてくれない?」
そう。レクスはフィアに後ろから抱き締められているのだ。それも声をかけられた時には既に抱きつかれていたのだ。
「だーめ、これでも結構我慢してるんだから。本当は一日に五回以上は必須なくらいなんだから」
「せめて一日一回でお願いします…………」
レクスは諦めたようにそう言い、ため息をついた。
「ん~♪ やっぱりレクスは可愛い♪」
フィアは頬をスリスリしだした。レクスは当然、慌てる。
「フィ、フィアさん、公衆の面前でそれは…………!」
騎士団団長としてもまずいし、レクスとしても恥ずかしいのでやめて欲しい。そして、レクスが気になっている公衆の反応は。
「フィア様、本当レクス君好きだよね」
「本当だよ。そのまま結婚しちゃえーとか思うくらいだし」
レクスにはエレナという立派な婚約者がいるので、それは出来ないと思う。
「見てて微笑ましいな」
「和むよねー…………」
周囲の人々がディベルティメント騎士団の面々だったり、優しい冒険者達だったりとそんな人達ばかりだったので、そこまで気にされてはいなかった。
「フィアさん、そういえばなんだけど。独裁派のきな臭い噂ってどんな感じなの?」
「うーん…………噂によると、ここに大量の軍勢を率いて攻めてくるらしいんだけど…………正直微妙なんだよね。五分五分って感じ」
フィアは苦笑しながらそう言った。─────と。
「レクス~!」
「あ、フィアもいる」
向こうから声がした。こちらに駆け寄ってきているのは──────
「ミーシャ! それにみんなも! どうしてここに?」
(わざわざ東門まで、何しに来たんだろう? こっちの方に特に何かあるわけでもないし)
東門の方には、厳重な警戒体制が敷かれているため、屋台などは一切置いていない。
「っていうか、みんな…………色々手に持ってるけど……………魔法袋は?」
「みんな屋敷に忘れてきちゃったのよ」
あっけらかんとした表情でそう言うミーシャ。大して気にしていないようだ。
「それよりも、レクス。見て、エレナの浴衣姿! どう?」
ミーシャはエレナをレクスの前に出して、そう言った。エレナは白い生地をベースとした、所々幻想的なモチーフが入った浴衣に身を包んでいた。それが、エレナと絶妙にマッチしていた。これは、控えめに言っても─────
「か、可愛い、と思うよ…………。その、とてもよく、似合ってる…………」
「……………………!!」
レクスの顔もエレナの顔も、それはもう恥ずかしさのあまり、真っ赤に染まっていた。そんな様子をミーシャ達は微笑ましそうに見ていたのだった。
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