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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
いつも通りの日常?
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「………………あ」
ミーシャは今更思い出したかのように、そう呟いた。そういえば、ユグドラシルであの少年を保護した後、魔法袋にずっと入れたままだった事を思い出した。
「早く出さないと…………!」
ミーシャはそう言うと、慌てて魔法袋からあの時の少年─────ニューヴィーを出す。
「やっと出られた~…………」
ユルい口調でそう言うニューヴィー。疲れた顔をしている─────わけでもないようだ。むしろ、少し楽しかったとでも言わんばかりの笑みを浮かべている。
「ところで…………お姉ちゃん達は………ああ、あの時の!」
ニューヴィーはすぐに思い出したようで、合点がいったようにポンと手を打った。しかし、ニューヴィーはその後キョロキョロと辺りを見回した。
「………………ここ、見覚えない」
うるうる…………と瞳から涙が出始めるニューヴィー。まさか、この展開は─────
「うわああぁぁぁーーーーー! テギルさーーーーん!!」
やっぱり思った通り、ニューヴィーは泣き出してしまった。そういえば、ニューヴィーが以前ユグドラシルで一緒にいたやつは偽物だった。ということは…………本物はどこかで今も捕まっているということだ。確定ではないが、ほぼ間違いないと見ていいだろう。
「まあ…………その、少年、一回落ち着いて」
カレンは名前が思い出せなかったらしく、言葉に詰まりながらもそう口にした。しかし、少年はテギルさん、テギルさんと連呼しながら泣き続けた。
「おい、うるせーぞ! こちとら寝る前なんだから、そのガキを大人しくさせとけっ!!」
「す、すいません!!」
思わず謝ってしまったのは─────ミアだ。二階の窓から怒りの声を響かせた男は、チッと舌打ちするとバタンッ! と窓を閉めてしまった。
「うわーーーーん! さっきの人怖いよぉ~!!」
更に泣き声がうるさくなってしまった。これはもういよいよわけがわからなくなってきた。
「とりあえず一回帰りましょうよ」
フィオナはそう言った。周りに迷惑をかけるのを避けるためにも早く帰った方がいいだろう。
エレナ達は急いでレクスのいる屋敷へと帰った。
◇◆◇◆◇
「私の全勝だな」
「うぐぐぐ………………!!」
シュエイルは悔しそうに呻く。これで、シュエイルの連敗記録は更新され、現在六連敗。シュエイルはまだ一つも勝てていない。それどころか、どんどん恥を晒していってるような気がしてならない。
「ううう…………」
「どうする? まだ続けるか?」
セレスは微笑みながらそう言った。シュエイルは二回目、三回目まではもう一回お願いします! と威勢よく言えたのだが、いまではもうそんなことも言えないほど弱っていた。
「もういいです…………」
(ああ…………どうしよう。僕、どっか小さい穴にでもうずくまりたい気分だよ…………)
シュエイルはそんな泣き言を心の中で思った。
「そ、そうか…………」
(うむ…………少しやり過ぎたかもしれん。でも…………手を抜いてわざと負けるというのも、それはそれで嫌なのだ…………。どうしよう…………)
セレスはこれでも結構負けず嫌いなのだ。たとえ子供が相手でも決して手は抜いてあげないのだ。
セレスは暫く考えたが、全くいい考えが思い浮かばず、その中で一番マシそうな案を実行することにした。
「シュエイル、ほら、これをやろう。元気を出せ」
「これは…………?」
「これはサイノメの人形だ」
セレスはたまたま持っていたサイノメの人形を出した。サイノメはバグのような姿に白い羽がついた空想上の動物だ。子供達には結構大人気の人形である。
(子供扱いされてる…………)
ガクッ…………と更に落ち込むシュエイル。
「ど、どうしたんだ、シュエイル。お気に召さなかったか?」
セレスは慌てたようにそう尋ねる。シュエイルはそんなセレスを見て。
(でも…………セレスさんからのプレゼントだし。もらっといて損はない…………! っていうか、むしろ僕にとっては得…………!)
「ううん、ありがとう、セレスさん」
シュエイルは嬉しそうに微笑みながらそう言った。
ミーシャは今更思い出したかのように、そう呟いた。そういえば、ユグドラシルであの少年を保護した後、魔法袋にずっと入れたままだった事を思い出した。
「早く出さないと…………!」
ミーシャはそう言うと、慌てて魔法袋からあの時の少年─────ニューヴィーを出す。
「やっと出られた~…………」
ユルい口調でそう言うニューヴィー。疲れた顔をしている─────わけでもないようだ。むしろ、少し楽しかったとでも言わんばかりの笑みを浮かべている。
「ところで…………お姉ちゃん達は………ああ、あの時の!」
ニューヴィーはすぐに思い出したようで、合点がいったようにポンと手を打った。しかし、ニューヴィーはその後キョロキョロと辺りを見回した。
「………………ここ、見覚えない」
うるうる…………と瞳から涙が出始めるニューヴィー。まさか、この展開は─────
「うわああぁぁぁーーーーー! テギルさーーーーん!!」
やっぱり思った通り、ニューヴィーは泣き出してしまった。そういえば、ニューヴィーが以前ユグドラシルで一緒にいたやつは偽物だった。ということは…………本物はどこかで今も捕まっているということだ。確定ではないが、ほぼ間違いないと見ていいだろう。
「まあ…………その、少年、一回落ち着いて」
カレンは名前が思い出せなかったらしく、言葉に詰まりながらもそう口にした。しかし、少年はテギルさん、テギルさんと連呼しながら泣き続けた。
「おい、うるせーぞ! こちとら寝る前なんだから、そのガキを大人しくさせとけっ!!」
「す、すいません!!」
思わず謝ってしまったのは─────ミアだ。二階の窓から怒りの声を響かせた男は、チッと舌打ちするとバタンッ! と窓を閉めてしまった。
「うわーーーーん! さっきの人怖いよぉ~!!」
更に泣き声がうるさくなってしまった。これはもういよいよわけがわからなくなってきた。
「とりあえず一回帰りましょうよ」
フィオナはそう言った。周りに迷惑をかけるのを避けるためにも早く帰った方がいいだろう。
エレナ達は急いでレクスのいる屋敷へと帰った。
◇◆◇◆◇
「私の全勝だな」
「うぐぐぐ………………!!」
シュエイルは悔しそうに呻く。これで、シュエイルの連敗記録は更新され、現在六連敗。シュエイルはまだ一つも勝てていない。それどころか、どんどん恥を晒していってるような気がしてならない。
「ううう…………」
「どうする? まだ続けるか?」
セレスは微笑みながらそう言った。シュエイルは二回目、三回目まではもう一回お願いします! と威勢よく言えたのだが、いまではもうそんなことも言えないほど弱っていた。
「もういいです…………」
(ああ…………どうしよう。僕、どっか小さい穴にでもうずくまりたい気分だよ…………)
シュエイルはそんな泣き言を心の中で思った。
「そ、そうか…………」
(うむ…………少しやり過ぎたかもしれん。でも…………手を抜いてわざと負けるというのも、それはそれで嫌なのだ…………。どうしよう…………)
セレスはこれでも結構負けず嫌いなのだ。たとえ子供が相手でも決して手は抜いてあげないのだ。
セレスは暫く考えたが、全くいい考えが思い浮かばず、その中で一番マシそうな案を実行することにした。
「シュエイル、ほら、これをやろう。元気を出せ」
「これは…………?」
「これはサイノメの人形だ」
セレスはたまたま持っていたサイノメの人形を出した。サイノメはバグのような姿に白い羽がついた空想上の動物だ。子供達には結構大人気の人形である。
(子供扱いされてる…………)
ガクッ…………と更に落ち込むシュエイル。
「ど、どうしたんだ、シュエイル。お気に召さなかったか?」
セレスは慌てたようにそう尋ねる。シュエイルはそんなセレスを見て。
(でも…………セレスさんからのプレゼントだし。もらっといて損はない…………! っていうか、むしろ僕にとっては得…………!)
「ううん、ありがとう、セレスさん」
シュエイルは嬉しそうに微笑みながらそう言った。
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