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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
ユグドラシルから採取
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「ユグドラシルから出る樹液を取ればいいんだよね?」
カレンはそう尋ねる。
「…………うん………」
エレナはカレンの言葉に頷いた。
「そういえば…………ミーシャ達の方は大丈夫なのか?」
トラランカはそう言った。ミーシャ達は魔物達と交戦していたはずだ。今から助けに向かわなくても大丈夫なのだろうか。
「…………それなら、大丈夫………あれを破壊した時に、その魔法式も削除しておいた」
「なるほど…………あれが魔物を呼び寄せてたってことか」
トラランカが納得したように頷いた。あの錯覚させる障壁のようなものはどうやら魔物達を引き付ける役割まで担っていたようだ。
「…………もうじき、ミーシャ達も来るはず…………」
エレナがそんなことを呟くと。
「─────ごめんなさい。遅くなったわ」
ミーシャが走ってこちらに向かってきながらそう言った。ミーシャ達はあちこちが汚れており、激しい戦闘だったのだということが一目でわかる。実際、あれだけの魔物の群れを相手にすれば、こうなっても仕方ないだろう。
「それにしても…………急に魔物が逃げて行ったわ」
ミーシャ達が戦っている最中に、急に魔物が恐れをなしたように次々と散らばって逃げていったのだ。今まで誰かに操られていたということだ。
「これがユグドラシル?」
ミアが目の前の大樹を指差してそう言った。エレナ達の目の前にある大樹─────ユグドラシルには、力強い生命力が感じられた。
「ユグドラシルで間違いない…………」
ルーパはそう言った。ルーパは花達の声が聞けるし、生命力も感じ取ることができる。花達が『ユグドラシル様を助けてくれてありがとう』って言っているので間違いないだろう。
「アマオリを採りましょう────と言いたいところなのだけど、その…………。採っても大丈夫なのかしら?」
フィオナは心配そうな顔でそう言った。ユグドラシルからは荘厳さのようなものを感じ取っており、採っても大丈夫なのかと逆に不安になった。─────と。
『──────助けてくれてありがとのう。危うく暴走してしまうところだったわい。我が名はユグドラシル=レコードじゃ』
そんな声が響き渡った。ルーパだけではなく、全員の脳内に響いていた。その声は低い男性のような声だった。しかし、話し方は意外と穏やかである。
『して、お主らは、先程の話からして儂の樹液が欲しいんじゃな?』
うんうん、と頷くエレナ達。ユグドラシルがふっ────と笑ったような気がした。
『なら、好きなだけ持っていくといい。代わりと言ってはなんじゃが…………一つだけ、お主らにお願いがあるのじゃ』
ユグドラシルはそう言うと、ポツリポツリと語りだした。
『─────儂は、もうそれほど長くない。何千年も生きてきた。その間、儂はずっとこの森を守ってきたつもりじゃ。じゃが、ユグドラシルとて、永久の命という訳にもいかんようじゃ。現に、儂の力は弱体化している。さっきのだって、以前の儂なら魔物をけしかけて追い払えたはずの、なんでもないことだったんじゃ』
苦笑するような声さえ聞こえるユグドラシルの言葉。エレナ達は、ユグドラシルの話を真剣に聞いた。
『─────儂がいなくなった後の、この森のことが心配じゃ。そこでお主らに頼みがある。この森を守って欲しいんじゃ。勿論、ただでとは言わん』
ユグドラシルがそう言うと、突如目の前に光る球体が出現し──────本の形を成した。
『この本には、この世界のことについて様々なことが記されている。とはいっても、儂の何千年分もの記憶を形にしただけだがのう』
ユグドラシルはそう言った。
カレンはそう尋ねる。
「…………うん………」
エレナはカレンの言葉に頷いた。
「そういえば…………ミーシャ達の方は大丈夫なのか?」
トラランカはそう言った。ミーシャ達は魔物達と交戦していたはずだ。今から助けに向かわなくても大丈夫なのだろうか。
「…………それなら、大丈夫………あれを破壊した時に、その魔法式も削除しておいた」
「なるほど…………あれが魔物を呼び寄せてたってことか」
トラランカが納得したように頷いた。あの錯覚させる障壁のようなものはどうやら魔物達を引き付ける役割まで担っていたようだ。
「…………もうじき、ミーシャ達も来るはず…………」
エレナがそんなことを呟くと。
「─────ごめんなさい。遅くなったわ」
ミーシャが走ってこちらに向かってきながらそう言った。ミーシャ達はあちこちが汚れており、激しい戦闘だったのだということが一目でわかる。実際、あれだけの魔物の群れを相手にすれば、こうなっても仕方ないだろう。
「それにしても…………急に魔物が逃げて行ったわ」
ミーシャ達が戦っている最中に、急に魔物が恐れをなしたように次々と散らばって逃げていったのだ。今まで誰かに操られていたということだ。
「これがユグドラシル?」
ミアが目の前の大樹を指差してそう言った。エレナ達の目の前にある大樹─────ユグドラシルには、力強い生命力が感じられた。
「ユグドラシルで間違いない…………」
ルーパはそう言った。ルーパは花達の声が聞けるし、生命力も感じ取ることができる。花達が『ユグドラシル様を助けてくれてありがとう』って言っているので間違いないだろう。
「アマオリを採りましょう────と言いたいところなのだけど、その…………。採っても大丈夫なのかしら?」
フィオナは心配そうな顔でそう言った。ユグドラシルからは荘厳さのようなものを感じ取っており、採っても大丈夫なのかと逆に不安になった。─────と。
『──────助けてくれてありがとのう。危うく暴走してしまうところだったわい。我が名はユグドラシル=レコードじゃ』
そんな声が響き渡った。ルーパだけではなく、全員の脳内に響いていた。その声は低い男性のような声だった。しかし、話し方は意外と穏やかである。
『して、お主らは、先程の話からして儂の樹液が欲しいんじゃな?』
うんうん、と頷くエレナ達。ユグドラシルがふっ────と笑ったような気がした。
『なら、好きなだけ持っていくといい。代わりと言ってはなんじゃが…………一つだけ、お主らにお願いがあるのじゃ』
ユグドラシルはそう言うと、ポツリポツリと語りだした。
『─────儂は、もうそれほど長くない。何千年も生きてきた。その間、儂はずっとこの森を守ってきたつもりじゃ。じゃが、ユグドラシルとて、永久の命という訳にもいかんようじゃ。現に、儂の力は弱体化している。さっきのだって、以前の儂なら魔物をけしかけて追い払えたはずの、なんでもないことだったんじゃ』
苦笑するような声さえ聞こえるユグドラシルの言葉。エレナ達は、ユグドラシルの話を真剣に聞いた。
『─────儂がいなくなった後の、この森のことが心配じゃ。そこでお主らに頼みがある。この森を守って欲しいんじゃ。勿論、ただでとは言わん』
ユグドラシルがそう言うと、突如目の前に光る球体が出現し──────本の形を成した。
『この本には、この世界のことについて様々なことが記されている。とはいっても、儂の何千年分もの記憶を形にしただけだがのう』
ユグドラシルはそう言った。
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