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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
翌日
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翌日─────
「今日はどうする?」
ミーシャがそう尋ねた。今日は久し振りにレクスの仕事もないため、レクスも含めて全員この場にいる。ここは、レクスが普段執務を行う際に使用する部屋とは違う、別の部屋。誰も使っていないいわば開放的な部屋だ。
「取り敢えず、冒険者ギルド行かない? 久し振りに身体とか動かしたいし」
レクスはそう言った。
「レクスは暇さえあれば冒険者ギルドって言うけど…………他に何かないの? ほら、今日はフィオナもいるんだし」
カレンはそう言いながら苦笑した。冒険者ギルドしか思い付かないあたり、レクスらしいといえばらしいのだが。
「わ、私はそれでもいいわよ。私も最近冒険者ギルド行ってないし」
フィオナはそう言った。フィオナも次期皇女というだけあって、仕事もそれなりに忙しい。交渉とかそういった重大な類いの仕事はまだだが、小さな事からどんどん覚えていってる最中だ。
「決定したみたいね」
ミーシャがそう言った。冒険者ギルドに行くことに反対な人は特にいなさそうだ。
「じゃあ、装備を整えて…………ってフィオナさん、冒険者用の装備とか持ってきてる?」
「え、ええ。一応持ってるわ。それと…………フィオナ『さん』じゃなくてフィオナでいいわよ。みんな呼び捨てで私だけ『さん』付けだと、仲間外れにされてるみたいで嫌だから…………」
だめ、かしら…………? と自信なさげにレクスに尋ねるフィオナ。
「い、いや…………別に構わないけど」
「やったっ」
フィオナは小さく喜んだ。レクスにとっては小さな変化でも、フィオナからすれば大きな一歩なのだ。『さん』付けをやめてもらう。フィオナにとってはこれだけでも十分な成果だと言えよう。
「…………レクス………冒険者ギルド、行こ……?」
エレナはそう言ってレクスの手をつかむ。そして、フィオナの方を向いてニヤリ…………と笑みを浮かべた。見せつけているのだ。レクスに相応しいのは私だと。
「………………っ」
羨ましそうにその光景を見るフィオナ。心が折れそうになるが────
(…………絶対に諦めないわ。どんな状況にだって打ち勝ってみせる。今までだって、そうして来たもの)
フィオナは赤い瞳の中に闘志が宿っているように見えた。第一婦人が駄目なら第二婦人でもいい。出来ることなら、第一婦人がいいが。とにかく、レクスに異性として意識してもらいたい。
「負けないわ…………!」
フィオナはそう呟くと、覚悟を新たに決めるのだった。
◇◆◇◆◇
「これが冒険者ギルド…………?」
フィオナは圧倒されていた。冒険者ギルドは、鉄壁のようなものに囲まれており、要塞とでも言われた方がしっくりくる様相だからだ。
「うん…………。エイム区の建築士達が張り切り過ぎちゃってさ。僕の知らない間に、こんな感じになったんだ」
レクスは苦笑しながらそう言った。
「建築士!? それもエイム区の!?」
「う、うん…………」
フィオナの驚きように、レクスは押されてしまう。
エイム区の建築士といえば、腕はいいが気難しい事で有名なのだ。自分達が気に入った者の仕事しか引き受けない。金では動かないのだ。
そんな建築士集団に建ててもらったと聞けば、驚くのも無理はないだろう。
「フィオナさん、入らないの?」
そう声を発したのは、シュエイルだ。他のみんなは既に冒険者ギルドに入ろうとしていた。
「入るわよ。あと、あなたもフィオナって呼んでくれていいわよ」
「じゃあ、フィオナ。行こうよ」
シュエイルに手を引っ張られ、フィオナも冒険者ギルドに入っていくのだった。
「今日はどうする?」
ミーシャがそう尋ねた。今日は久し振りにレクスの仕事もないため、レクスも含めて全員この場にいる。ここは、レクスが普段執務を行う際に使用する部屋とは違う、別の部屋。誰も使っていないいわば開放的な部屋だ。
「取り敢えず、冒険者ギルド行かない? 久し振りに身体とか動かしたいし」
レクスはそう言った。
「レクスは暇さえあれば冒険者ギルドって言うけど…………他に何かないの? ほら、今日はフィオナもいるんだし」
カレンはそう言いながら苦笑した。冒険者ギルドしか思い付かないあたり、レクスらしいといえばらしいのだが。
「わ、私はそれでもいいわよ。私も最近冒険者ギルド行ってないし」
フィオナはそう言った。フィオナも次期皇女というだけあって、仕事もそれなりに忙しい。交渉とかそういった重大な類いの仕事はまだだが、小さな事からどんどん覚えていってる最中だ。
「決定したみたいね」
ミーシャがそう言った。冒険者ギルドに行くことに反対な人は特にいなさそうだ。
「じゃあ、装備を整えて…………ってフィオナさん、冒険者用の装備とか持ってきてる?」
「え、ええ。一応持ってるわ。それと…………フィオナ『さん』じゃなくてフィオナでいいわよ。みんな呼び捨てで私だけ『さん』付けだと、仲間外れにされてるみたいで嫌だから…………」
だめ、かしら…………? と自信なさげにレクスに尋ねるフィオナ。
「い、いや…………別に構わないけど」
「やったっ」
フィオナは小さく喜んだ。レクスにとっては小さな変化でも、フィオナからすれば大きな一歩なのだ。『さん』付けをやめてもらう。フィオナにとってはこれだけでも十分な成果だと言えよう。
「…………レクス………冒険者ギルド、行こ……?」
エレナはそう言ってレクスの手をつかむ。そして、フィオナの方を向いてニヤリ…………と笑みを浮かべた。見せつけているのだ。レクスに相応しいのは私だと。
「………………っ」
羨ましそうにその光景を見るフィオナ。心が折れそうになるが────
(…………絶対に諦めないわ。どんな状況にだって打ち勝ってみせる。今までだって、そうして来たもの)
フィオナは赤い瞳の中に闘志が宿っているように見えた。第一婦人が駄目なら第二婦人でもいい。出来ることなら、第一婦人がいいが。とにかく、レクスに異性として意識してもらいたい。
「負けないわ…………!」
フィオナはそう呟くと、覚悟を新たに決めるのだった。
◇◆◇◆◇
「これが冒険者ギルド…………?」
フィオナは圧倒されていた。冒険者ギルドは、鉄壁のようなものに囲まれており、要塞とでも言われた方がしっくりくる様相だからだ。
「うん…………。エイム区の建築士達が張り切り過ぎちゃってさ。僕の知らない間に、こんな感じになったんだ」
レクスは苦笑しながらそう言った。
「建築士!? それもエイム区の!?」
「う、うん…………」
フィオナの驚きように、レクスは押されてしまう。
エイム区の建築士といえば、腕はいいが気難しい事で有名なのだ。自分達が気に入った者の仕事しか引き受けない。金では動かないのだ。
そんな建築士集団に建ててもらったと聞けば、驚くのも無理はないだろう。
「フィオナさん、入らないの?」
そう声を発したのは、シュエイルだ。他のみんなは既に冒険者ギルドに入ろうとしていた。
「入るわよ。あと、あなたもフィオナって呼んでくれていいわよ」
「じゃあ、フィオナ。行こうよ」
シュエイルに手を引っ張られ、フィオナも冒険者ギルドに入っていくのだった。
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