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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
それでも
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「そう、よね……………」
フィオナは苦笑しながらそう言った。それと同時に、涙が溢れでてきそうになる。自分で止めようとしても、逆らえない。まるで、決壊寸前のダムのように。
「─────レクス君。フィオナを暫くの間、レクス君達と一緒に行動させてもらえないかな?」
不意にヴァンナはそう提案した。レクスとフィオナは、思わずヴァンナの方を見る。
「学園でフィオナと一緒にいたのは知ってるよ? だから、レクス君はフィオナの人となり────性格をだいたい理解してると思う」
ヴァンナはそこで一回言葉を切った。確かに、フィオナの性格はだいたい把握している。ヴァンナの言う通りだ。
「だけど、学園にいない時のフィオナ────普段のフィオナをレクス君は知らないはず。だから暫くの間そこを知ってもらって、それでも駄目だったら断ってくれてもいいし、もしいいのなら…………是非とも付き合ってあげてほしい。この国は、一夫多妻オッケーだからさ」
最後は少し冗談混じりの笑みを浮かべながらそう話すヴァンナ。
(確かに、普段のフィオナさんは知らない。この国が一夫多妻オッケーなのは知ってたけど。でも…………)
やはり、不誠実ではないかと思ってしまう。フィオナに対して、失礼なのではないかと。
「…………フィアさんがいいのであれば、構いませんが……」
レクスはそう言った。レクスの相手はエレナと決めているのだが…………。ヴァンナの頼みとあらば引き受けよう。まあ、本人次第だが…………。
「え、ええ…………。じゃあ、暫くの間宜しく頼むわ…………」
フィオナは顔を赤くしながらもそう返事した。最後の方は尻すぼみだったが。
「…………分かった」
レクスはフィオナがいいならと了承した。何度も言うが、相手はエレナと決めているレクス。だが、フィオナが告白してくれたのだ。先程は断ったが、ヴァンナの言う通り普段のフィオナを知るのも、悪くない選択肢だとは思う。
「じゃあ、レクス君。フィオナを宜しくね♪」
ヴァンナはそう言うと、ニッコリと微笑んだのだった。
◇◆◇◆◇
レクスの屋敷の執務室にて─────
「来週から暫くフィオナが屋敷に泊まりに来るの?」
「うん。だからみんな、フィオナさんとは仲良くしてね」
レクスは、みんなにそう言った。
「フィオナって誰なのだ?」
「僕も知らない。フィオナって誰?」
「私も…………」
ティーナ、シュエイル、ルーパがそう言いながら首をかしげる。三人とも一度も会ったことがないので、知らないのも当然である。来週で初対面、ということだ。
「フィオナって学園でレクスと一緒にしたあの金髪の人でしょ?」
バリボリ、バリボリとお菓子を食べながらそう言うカレン。因みにカレンが食べてるのは、『レクス区名物! ブラックソーダ味』とレイアウトが施されたせんべいだ。いつの間にか、名物になっていたのだ。レクスの知らぬ間に。レクスも一口食べてみたが、味の名前からも想像出来る通りとても、まず─────いや、うまかった。一回咀嚼して、思わず吐き出してしまうくらいに。
そもそもカレンの食べてるせんべいは、苦すぎるのだ。一部のマニアックの大人にしかうけないだろう、きっと。
「うん、そうだけど…………」
(カレンはシルリス学園に潜入してたから、フィオナの事を知ってるんだったね)
てっきり知らないものだと思っていた。
「その人が、ここに泊まりに来るんだ?」
「うん」
「みんな、ちょっと」
レクスの言葉を聞いたカレンは、みんなを招集。何かひそひそと話し合っている。きっとろくでもないことを企んでいるのだろう。
レクスはそんな様子を見て、苦笑するのだった。
フィオナは苦笑しながらそう言った。それと同時に、涙が溢れでてきそうになる。自分で止めようとしても、逆らえない。まるで、決壊寸前のダムのように。
「─────レクス君。フィオナを暫くの間、レクス君達と一緒に行動させてもらえないかな?」
不意にヴァンナはそう提案した。レクスとフィオナは、思わずヴァンナの方を見る。
「学園でフィオナと一緒にいたのは知ってるよ? だから、レクス君はフィオナの人となり────性格をだいたい理解してると思う」
ヴァンナはそこで一回言葉を切った。確かに、フィオナの性格はだいたい把握している。ヴァンナの言う通りだ。
「だけど、学園にいない時のフィオナ────普段のフィオナをレクス君は知らないはず。だから暫くの間そこを知ってもらって、それでも駄目だったら断ってくれてもいいし、もしいいのなら…………是非とも付き合ってあげてほしい。この国は、一夫多妻オッケーだからさ」
最後は少し冗談混じりの笑みを浮かべながらそう話すヴァンナ。
(確かに、普段のフィオナさんは知らない。この国が一夫多妻オッケーなのは知ってたけど。でも…………)
やはり、不誠実ではないかと思ってしまう。フィオナに対して、失礼なのではないかと。
「…………フィアさんがいいのであれば、構いませんが……」
レクスはそう言った。レクスの相手はエレナと決めているのだが…………。ヴァンナの頼みとあらば引き受けよう。まあ、本人次第だが…………。
「え、ええ…………。じゃあ、暫くの間宜しく頼むわ…………」
フィオナは顔を赤くしながらもそう返事した。最後の方は尻すぼみだったが。
「…………分かった」
レクスはフィオナがいいならと了承した。何度も言うが、相手はエレナと決めているレクス。だが、フィオナが告白してくれたのだ。先程は断ったが、ヴァンナの言う通り普段のフィオナを知るのも、悪くない選択肢だとは思う。
「じゃあ、レクス君。フィオナを宜しくね♪」
ヴァンナはそう言うと、ニッコリと微笑んだのだった。
◇◆◇◆◇
レクスの屋敷の執務室にて─────
「来週から暫くフィオナが屋敷に泊まりに来るの?」
「うん。だからみんな、フィオナさんとは仲良くしてね」
レクスは、みんなにそう言った。
「フィオナって誰なのだ?」
「僕も知らない。フィオナって誰?」
「私も…………」
ティーナ、シュエイル、ルーパがそう言いながら首をかしげる。三人とも一度も会ったことがないので、知らないのも当然である。来週で初対面、ということだ。
「フィオナって学園でレクスと一緒にしたあの金髪の人でしょ?」
バリボリ、バリボリとお菓子を食べながらそう言うカレン。因みにカレンが食べてるのは、『レクス区名物! ブラックソーダ味』とレイアウトが施されたせんべいだ。いつの間にか、名物になっていたのだ。レクスの知らぬ間に。レクスも一口食べてみたが、味の名前からも想像出来る通りとても、まず─────いや、うまかった。一回咀嚼して、思わず吐き出してしまうくらいに。
そもそもカレンの食べてるせんべいは、苦すぎるのだ。一部のマニアックの大人にしかうけないだろう、きっと。
「うん、そうだけど…………」
(カレンはシルリス学園に潜入してたから、フィオナの事を知ってるんだったね)
てっきり知らないものだと思っていた。
「その人が、ここに泊まりに来るんだ?」
「うん」
「みんな、ちょっと」
レクスの言葉を聞いたカレンは、みんなを招集。何かひそひそと話し合っている。きっとろくでもないことを企んでいるのだろう。
レクスはそんな様子を見て、苦笑するのだった。
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