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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
助けが来た
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ルーパが諦めて目を閉じた、その時─────
「────『氷結』………」
「コオオオォォォォォ!?」
「キシャアアアァァァ!?」
「グルゥ!?」
魔物達がみるみるうちに凍っていくではないか。魔物達は、悲鳴をあげながらなす術もなく、氷の中に閉じ込められていく。
「す、凄い…………」
ルーパはその光景に目を丸くした。でも、いったい誰がやったというのか。
「……ルーパ大丈夫…………?」
ルーパは、聞き覚えのある声を耳にし、瞑っていた目を開けて上を向く。そこには─────
「エレナお姉ちゃんに…………レクス。それに、みんな…………」
ルーパはそう呟いた。
「助けに来るのが遅くなったね、ごめん」
レクスは申し訳なさそうな顔でそう言った。ルーパはふるふる…………とゆっくり首を横に振る。何はどうあれ、助けることができて良かった。
「レクス…………私よりも、カレンお姉ちゃんが…………!」
深刻そうな表情で、カレンが倒れているのを指差してそう言うルーパ。何か大きなダメージを受けたり、状態異常に陥っているのだろうか。
レクスはカレンのもとまで行って、『見る』で身体の状態を確認しようとしたが────すぐにその必要はないと分かった。
「すぅ…………すぅ…………」
寝息を立ててるのが聞こえたからだ。取り敢えず、死んではいないだろう。レクスはほっと息をついた。
「マスター、状態を見ましたが、スコーピオンの睡眠針で眠らされているだけのようです」
「……よかった…………」
ルーパはネムの声を聞くと、安心したようにそう呟き、パタッ…………と倒れた。気力だけでなんとか保っていたという感じだろうか。
「『回復』」
レクスは一応、二人に『回復』をかけておいた。カレンの状態異常なども一緒に回復させたので、直に目を覚ますだろう。
「それにしても…………どの魔物も砂漠にいる魔物ばかりね…………」
ミーシャは氷の中で固まっている魔物を見て、そう呟いた。そう。ユビネス大森林帯の魔物ではなく、ほとんど砂漠の魔物なのだ。
「…………これは一度、砂漠を見た方が良さそうだね…………」
ここまで多くの砂漠の魔物がここに来るのは異常だ。加えて、キングワームの件もある。一度調査してみるべきだろう。
レクスは、地図を取り出して件の砂漠の位置を調べる。地図は常に魔法袋に常備している。何かあった時のために、一応。
「人形、ちょっと『キントランカ砂漠』を見てきて」
レクスは魔法袋から鳥型の人形を取り出し、そう命じた。
《了解しました》
鳥型の人形の声が脳内に響くと、鳥型の人形は『キントランカ砂漠』に向かって飛んでいった。
◇◆◇◆◇
「どう? あの子の調子は」
「はい、順調に育っております」
ドワーフ族の女性の言葉に、ドワーフ族の男性はそう返した。
「そう……」
女性は、男性の言葉に頷いた。
「最近、ドワーフ族で召喚された勇者を狙おうとしてる勢力が動いているみたいだからね…………訓練もいいけど、気を付けなよ」
女性は、憂いにも似た目をしながらそう言った。心配しているのだろう。新しく召喚された勇者の事を。
「はい、気を付けます」
ドワーフ族の男性─────テギルは、女性の言葉に頷いた。
「じゃあ、私は行くから。今後とも宜しく頼んだわよ」
女性はそう言うと、テーブルに六〇〇〇ピアー分の代金を置いて、店をあとにした。
テギルは、店を出ていく女性の背中を見送ったのだった。────自然と漏れ出る不気味な笑みと共に。
「────『氷結』………」
「コオオオォォォォォ!?」
「キシャアアアァァァ!?」
「グルゥ!?」
魔物達がみるみるうちに凍っていくではないか。魔物達は、悲鳴をあげながらなす術もなく、氷の中に閉じ込められていく。
「す、凄い…………」
ルーパはその光景に目を丸くした。でも、いったい誰がやったというのか。
「……ルーパ大丈夫…………?」
ルーパは、聞き覚えのある声を耳にし、瞑っていた目を開けて上を向く。そこには─────
「エレナお姉ちゃんに…………レクス。それに、みんな…………」
ルーパはそう呟いた。
「助けに来るのが遅くなったね、ごめん」
レクスは申し訳なさそうな顔でそう言った。ルーパはふるふる…………とゆっくり首を横に振る。何はどうあれ、助けることができて良かった。
「レクス…………私よりも、カレンお姉ちゃんが…………!」
深刻そうな表情で、カレンが倒れているのを指差してそう言うルーパ。何か大きなダメージを受けたり、状態異常に陥っているのだろうか。
レクスはカレンのもとまで行って、『見る』で身体の状態を確認しようとしたが────すぐにその必要はないと分かった。
「すぅ…………すぅ…………」
寝息を立ててるのが聞こえたからだ。取り敢えず、死んではいないだろう。レクスはほっと息をついた。
「マスター、状態を見ましたが、スコーピオンの睡眠針で眠らされているだけのようです」
「……よかった…………」
ルーパはネムの声を聞くと、安心したようにそう呟き、パタッ…………と倒れた。気力だけでなんとか保っていたという感じだろうか。
「『回復』」
レクスは一応、二人に『回復』をかけておいた。カレンの状態異常なども一緒に回復させたので、直に目を覚ますだろう。
「それにしても…………どの魔物も砂漠にいる魔物ばかりね…………」
ミーシャは氷の中で固まっている魔物を見て、そう呟いた。そう。ユビネス大森林帯の魔物ではなく、ほとんど砂漠の魔物なのだ。
「…………これは一度、砂漠を見た方が良さそうだね…………」
ここまで多くの砂漠の魔物がここに来るのは異常だ。加えて、キングワームの件もある。一度調査してみるべきだろう。
レクスは、地図を取り出して件の砂漠の位置を調べる。地図は常に魔法袋に常備している。何かあった時のために、一応。
「人形、ちょっと『キントランカ砂漠』を見てきて」
レクスは魔法袋から鳥型の人形を取り出し、そう命じた。
《了解しました》
鳥型の人形の声が脳内に響くと、鳥型の人形は『キントランカ砂漠』に向かって飛んでいった。
◇◆◇◆◇
「どう? あの子の調子は」
「はい、順調に育っております」
ドワーフ族の女性の言葉に、ドワーフ族の男性はそう返した。
「そう……」
女性は、男性の言葉に頷いた。
「最近、ドワーフ族で召喚された勇者を狙おうとしてる勢力が動いているみたいだからね…………訓練もいいけど、気を付けなよ」
女性は、憂いにも似た目をしながらそう言った。心配しているのだろう。新しく召喚された勇者の事を。
「はい、気を付けます」
ドワーフ族の男性─────テギルは、女性の言葉に頷いた。
「じゃあ、私は行くから。今後とも宜しく頼んだわよ」
女性はそう言うと、テーブルに六〇〇〇ピアー分の代金を置いて、店をあとにした。
テギルは、店を出ていく女性の背中を見送ったのだった。────自然と漏れ出る不気味な笑みと共に。
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